
フレッシュな顔ぶれの表彰台でしたが、
残念ながらリカルドの失格裁定が出ました。
燃料の流量制限違反と言う事です。
今年からの新V6ターボエンジンは、
過去のターボエンジンと違いブーストの
上限は無制限なんですね。
しかしながら、1秒間に燃焼室に送り込める燃料には上限を決めますよと。
エンジンの燃焼には理論空燃比というのがあり、モノが燃えるのに理想的な空気と
燃料の比率があるので、単純に燃料を増やせばパワーが上がるという簡単な
モノではないのですが、ターボエンジンの場合は空気を圧縮して燃焼室に
送り込むために、ブーストを上げると燃やせる空気の量が増えるので、燃やせる
燃料も増やせる事になり=パワーも向上します。
ですが、燃料の流量を制限されると、単純に燃料を増やしてパワーを増すと言う
単純なパワーアップは禁止されている状態ですので、従来のターボエンジンのように
ブーストを上げて燃やす燃料を増やしてパワーを上げるという事ではなく、
いかに決まった燃料の中からエネルギーを取り出すかと言うのが、今年の
F1エンジンのキモになっているのです。
それは、ものすごく効率を追求したエコなエンジンです!って事になりますw
なので、直接的なエンジンの馬力に加えて、回転数に余裕があるときに、タービンと
同軸のモーターを回転させて発電して蓄えた電気で、低回転で排気圧力でタービンの
回転が不足する領域で、逆にモーターでタービンを強制的に回してブーストを上げます。
ターボラグの無い、すごいターボエンジンという事なんですw
そのように、エネルギーのやり取りがあり、決まった燃料の中から、いかに熱や音で
パワーを捨てずにクランクシャフトを回すのかという競争を、エンジンメーカーはしています。
しかしながら今回のリカルド車での違反は、その燃料の流量制限をオーバーしていた
と言うことなので、1人だけ多い燃料で走っていたと言うことで、簡単に例えると1人だけ
ブーストアップして走っていた、もしくはS-GTやWRCで例えると吸気制限のリストリクターに
隙間を設けて多く空気を吸わせていた、という事になります・・・。
まあ、結構悪質なので失格もやむなしかと。
RedBullの言い分としては、流量センサーの精度ガーって言ってるようですが、精度の
バラツキはだいたい予想できていたようなので、他のエンジンと同様に安全マージンを
残したマップを使うべきだったと思います。それができないぐらい、追い詰められていたと。
今回のリカルドは母国GPでしたし、予選の最終アタックでのテレビのマイクが拾う大きな
歓声もあったので、現地で見ていたファンが本当に、かわいそうですね。
今回、2位だったとは言え、優勝したニコとのタイム差は結構あったし、これは今シーズン
メルセデスのワンサイドレースになってしまうかもですね。頑張れよ、フェラーリ!!!
そして、何シテルでは濁して書きましたが、可夢偉の1コーナーでのアクシデントですが、
完全に4輪ともロックアップしていたように見えたので、マッサの怒りも当然だよ・・・
やっちまったかなって思っていたのですが、マシントラブルが証明されて、可夢偉の
ペナルティにはならなかったと言うことで、一安心です・・・。
とはいえ、リアのブレーキトラブルはリアからの回生ブレーキのトラブルでしょうね。
パッと見、なんとか勝負できていたように見えたルノーエンジン勢ですが、
ちょっと、まだまだ、まともに戦えるレベルになっていないようですね・・・。
ルノーは本業の自動車販売もイマイチのようですし、厳しい予算の中でエンジン開発を
行っているんでしょうけど・・・、徳永さん、もうちょっと頑張ってよ、マジで!!!
では、手抜きで簡単な今年のエンジン解説を終わります。
ここを読んで、もっと知りたくなったぞ!!!って方にはオススメのブログを紹介しますw
絵付きでエネルギーの受け渡しが分かりやすい素晴らしいブログが
TruthGPさん
かなりマニアックに深い部分まで踏み込んで考察されてる
GarageKさん
こちらのブログが詳しいので、手っ取り早く文章だけでブログアップですw