
現役のF1ドライバーでオーバーテイクが
巧いドライバーと言えばリカルドですよね!
先週のイタリアGPでもボッタスをオーバーテイク
するシーンは見事でした!
そんな見事なリカルドのオーバーテイクですが、
少し違った視点から、推察してみましょう。
まずは、キャプった画像でオーバーテイクを振り返ります!
DRSがあるので、後追いのリカルドが一気に間合いを詰めます。
エンジンも違い、マシンも違いますが、2台の速度差は15km/hぐらいですね。
まあ、DRSが無ければ、リカルドの最高速度が上という事にはなりませんねw
そして並びかけて・・・
ボッタスのインに飛び込んでクリップに付きます。
ここで重要なのはボッタスも切り込んでリカルドを潰す事無くラインを残してます。
そして2台が完全に並んだ状態から・・・
2コーナーに向けてインとアウトが切り替わりますが・・・
リカルドもボッタスのラインをしっかりと確保しています!
そしてワイドに大きな円弧でアクセルを開けていけるリカルドが加速します。
オーバーテイク完了。見事です!
表彰台では今の今まで履いてたレーシングシューズでシャンパンを飲んでしまう
リカルドですが、一撃必殺で本当にクリーンなオーバーテイクを魅せてくれますねー!
以前も
こんなブログを書きました。
クリーンなオーバーテイク、これがレーシングの魅力だと思います!
さて、このオーバーテイクをデータから振り返りましょう。
まず、このタイムチャートでリカルドとボッタスのレースを見ると何が見えるでしょう!
私なりに着目すべきポイントに色枠で囲ってみました。
青枠から分かる事
:オーバーテイクのあったLAP47はリカルドはスーパーソフト、ボッタスはソフトを履いてます
赤枠から分かる事
:リカルドはLAP38からオールドのスーパーソフトタイヤを履いています
黄枠から分かる事
:ボッタスはLAP31から新品のソフトタイヤを履いています
紫枠から分かる事
:LAP25付近は、リカルドもボッタスも同じソフトタイヤを履いていています
そしてタイム的にも1分27秒台の中盤のタイムで、ほぼタイム差は無い状態
緑枠から分かる事
:LAP43付近は履いてるタイヤが違い、リカルドのタイムは1分26秒台中盤に対して、
ボッタスのタイムは1分27秒フラットから26秒台に入るギリギリで、タイム差がある状態
こんな事がタイムチャートから読み取る事が出来ます。
箇条書きにしてみます!
・LAP25付近では同じソフトタイヤを履いていたリカルドもボッタスもタイム差は無い
・LAP43付近ではオールドとはいえスーパーソフトに履き替えて間もないリカルドの方が速い
この事で、LAP47でタイム差によりボッタスとリカルドのクロスポイントが発生するわけです!
次にリザルトを見てみましょう。
リカルド:1時間18分13秒
ボッタス:1時間18分19秒
その差は・・・6秒です!53周、306kmのレースを走り、結果は6秒の差しかないのです。
予選順位はボッタスが5位スタート、リカルドが6位スタートで、ボッタスが前に居ましたが、
リカルドの方が6秒速くゴールしたので、オーバーテイクが発生したと言う事です。
レーシングというのは、誰かの前でゴールしたいというのもありますが、平均時速を上げて
いかに短い時間でゴールするか、そのスタートからゴールまでの経過時間を短くするために
マシン開発をして、ドライバーはフィジカルを鍛え上げているのです。
となると、オーバーテイクは無駄な時間を掛けたくないですね。
自分よりも遅い前走者にブロックされてタイムロスするのは無駄でしかないのです。
後続の方が速い前走者にしてみれば、相手の邪魔をして自分に付き合わせて、相手の
経過タイムの邪魔をすると、結果自分の順位が上がるので、それを目指します。
しかし、邪魔をし過ぎて自分のタイムも今のポテンシャルで走れるタイムよりも遅くなれば、
トータルのタイムが遅くなり、自分より前を走るドライバーとの差が開く事になります。
しかもそのバトルの過程で接触してしまえば、マシンを壊すことになります。
マシンを壊せばリタイヤの可能性もあるし、リタイヤするまで行かなくてもマシンを破損すれば
パフォーマンスを下げてしまう事になるのです。
そこのバランスをとってドライバーというのはレースをしているんですね。
それも、いまのF1はピレリタイヤというボトルネックがあり、マシンの持つポテンシャルの
全てを開放する事が出来ない、そんな歪みがあるからなんでしょうけどね。
そんなリカルドの見事なオーバーテイクに対して、下手糞なオーバーテイクを紹介しましょう!
スパのライコネンとフェルスタッペンです。
詳しい解説は不要ですねw
フェルスタッペン、まったくライコネンに対してラインを残してないです。
ライコネンのインに入った右コーナーではクリップを外してる上に、次の左コーナでは
左側にライコネンが居るのになぜかフェルスタッペンがクリップに付いていますw
完全に押し出す意図しか感じません!!!
そもそも、バトル中に片方のマシンだけがレコードラインを走るなんて、有り得ないハズです。
以前に、
こんなブログを書きました。
フェルスタッペン、やっぱりカエルの子はカエルで、ろくでなしという事でしょうかw
このオーバーテイク以外にもスパでは、ケメルストレートの2段ライン変更。
完全にライコネンを殺す勢いでしたね。蛇行はしていないものの、同じ方向とはいえ、
2段階のライン変更、しかもF1でも最高速が速い直線での出来事です。
F1はオープンホイールであり、接触すればマシンは舞い上がります。
接触上等のNASCARやWTCCといったハコ車のレースとは違うのです。
ペレスなんかも、相手のラインを残さないオーバーテイクをしますね。
ときどき異様にタイヤが長持ちしますが、ここに秘密があるのでは?と考えてます。
私は『俺様ライン』と呼んでいますw
そういうバトルって、まったく面白味が無いですね。
相手へのリスペクトが無いから、そんなオーバーテイクになるんだと思います。
結局、フェルスタッペンの初優勝はRedBullのストラテジーによって作り出された結果です。
根本的にフェルスタッペンは改めないと自力での優勝は無いんじゃないかなと思っています。
今回のモンツァでは面白いシーンがありました。
ペレスとフェルスタッペンの交錯シーンです。
ペレスがフェルスタッペンにターンインされた直後、まだターンインできる状態なのにも
関わらず、エスケープへ避難しています。これ、前戦のスパでライコネンと同じようにペレスも、
フェルスタッペンに押し出されてるんですよねw
という事で、大げさに接触を回避したんじゃないかと推測しますw
これでフェルスタッペンにペナルティが出て順位入れ替え有ればラッキー♪みたいな。
まあ、ペレスよ、お前は俺様ラインをアピールする立場にないだろって気もしますがw
こんな感じで、相手にリスペクトのないドライビングをしていれば、周囲のドライバーも
それなりの扱いをするようになると思います。
バトルが出来ないドライバーは、このように同僚がバトル回避して、相手のスペースを
残さないオーバーテイクは無意味だというのを教えるしかないです。
1周目の狂人と言われたグロージャンのように・・・
出場停止明けの韓国GPで、周りのドライバーが警戒して、周囲ガラ空きになった、
懐かしのシーンですねw
フェルスタッペン、チーム内に見本になる素晴らしいドライビングをするリカルドという
先輩が居るんですから、見習って成長してもらいたいものです。
楽しいレーシングが見たいぞ!!!