
動画の翻訳は終わりました。
せっかく自分で見るのに翻訳したので、
記録も兼ねてと始めたら大仕事になったw
でも、その中で不親切かなーって
部分があったので、レーシングカー的な
用語を知ると、より深く楽しめるように
なると思いますので、もう1本書いてみます♪
まず、Part1の前半はLMP1のレギュレーションの説明でした。
エンジンに関しては制限無しで、組み合わせるハイブリッドのモーター出力に対応して、
エンジンのガソリン流量を制限する。
このレギュレーションって、非常に面白い試みでしたよね。まさに実験室という感じ。
ただ、数年経てば最適解が出て、バッテリーで最大8MJという所に収束したのは、さすがですw
次に中段の部分で使った、この絵の説明です。
ダウンフォースという言葉があります。
これは文字通り、下向きの力という意味で、レーシングカーの場合は2つに分ける事が出来ます。
まず、1つは自重です。その物体に働く重力の大きさです。
重たければ、重たい程、マシンの重さがタイヤを押し付ける力になるという事です。
そして、もう1つが空力によって得られる、下向きの力です。
これは飛行機が空を飛ぶのと同じ原理で、翼を裏返して、地面に押し付ける力を発生させます。
自重は速度依存は無いので一定ですが、空力のダウンフォースは速度に依存します。
上の事象を踏まえて、補足したかったのは、青○、黄色○の説明の部分で・・・
ミッドシップの為、重量配分が後方に偏った車両になります。(青○)
スピードに応じてハンドリングが変化しないように、エアロバランスも後方寄りに設定。(黄色○)
このように書きましたが、重心と空力中心を合わせないと、ハンドリングが変化する説明です。
例えば、重心は前寄り、空力中心が後ろ寄りという車があったとします。動画に書き足した。
こうなると、低速時には自重がフロントタイヤに多く掛かる為に、フロントの舵が効く
オーバーステアの状態になりますが、速度が増してダウンフォースが増えて来ると、
今度はリアタイヤに空力的なダウンフォースが多く掛かり、今度は舵の効きが悪化する、
アンダーステアの状態になってしまう事になります。
イメージは緑の矢印で、シーソーのような動きになってしまうという事です。
そのように速度で運動特性が変化してしまうのは、駄作という事になりますw
これも野心的な1台で、その後のF1のトレンドを作った1台ですが、このマシンとしては、
コンセプトは良かったものの、エアロ中心が動きまくって操縦性は最悪という評判でしたw
その意味では、フロントのダウンフォースに規制が少ないので、フロントで駆動させたい。
フロント駆動させるには、重心もフロント寄りに。なので、空力中心もフロント寄りに。
そして、フロントタイヤに掛かる荷重が大きいので、フロントタイヤから多くの回生を取る。
そのようにGT-R LMがフロントエンジンでフロント駆動を選んだ過程は非常にロジカルです。
Part1の補足は、ここまで。お次はPart2の補足です。
ここは、8MJのフライホイール式ハイブリッドシステムの開発に失敗した話。
その事で、回生ブレーキを期待してフロントブレーキを小さめ、小径のフロントブレーキで18インチでは無く16インチのフロントタイヤにする予定が、使えなくなってしまった。

加速する際に機能するハイブリッドが使えないだけでは無く、運動性能も含めてひっくり返った。
やっぱり、リアタイヤは3セットしか使ってないのに、フロントブレーキは4セット使った、
と言うのは、もはやそんなのはレース走るスタートラインに立ってないw
そして、GT-R LM NISMOは床下でのダウンフォースが非常に大きく稼げた為に、
リアウィングレスも、考えていたという話です。
これは、ネタだろって思いますが、本当にエアロトンネルの構造がインパクトあるw
そういう意味でも、机上検討で相当なスペックだったであろうというのも想像できます。
想像ですが由良さん、このGT-R LM NISMOに対して非常に好意的な発言が多いですw
というのは、本気で他とは異なるコンセプトを具現化したから、でしょうかw
同じリアウィングレスを実現した、Peugeot 9x8に関しては、ボロクソですw
この違いは、LMHでハイパーカーで、LMPhから性能ダウンがあったので、床下そのままで
リアウィングだけ外したような、ある意味で本気でやってないって見てるのかな。

2020年までのLMPhの予選タイムは、TS050の3分15秒に対して、
今年のPeugeot9x8は3分27秒で、10秒以上タイムがダウンしてるので、それを見込んだのかな。
ハイパーカーになる事で、これ位のパフォーマンスでいいだろって線引き間違えたのかな。
そして、リア駆動の話は、やっぱり期待はありますが、あの動画に出て来るギア駆動が、
どこまで信ぴょう性があるかというのはありますが、あれじゃあ絶対に信頼性確立は無理そうw
リアサスペンションに関しても、エアロトンネルを優先しすぎて短足過ぎるw
その辺からも、2015年モデルのGT-R LM NISMOを時間掛けて完成させても限界はあるでしょう。
では、最後にリザルトを見てみます。
LMP2並みのスピードしか出せなかったと言われますが、そもそもハイブリッドというオモリを
積んでいただけで作動していなかったわけで、LMP2よりエンジンのパワーが無いw
そんな状況で、LMP1並みの最高速度、LMP2並みの予選タイムを出せたという事は、
非常に効率の良いレーシングカーで有った事は、間違いないですね。
まとめると・・・
誰もやってないコンセプトを具現化したという意味で、非常に面白い存在でした。
レギュレーションに縛られない、抜け穴を探すのがレーシングです。
では、何が問題だったかというと、これだけ野心的なプロジェクトを立ち上げておきながら、
1年で、あっさり捨て去ってしまった事。これが、あまりにもモッタイナイ。
そして、市販車のGTRと全く似ても似つかないこれを、GTRと呼んだ事w
そこに関しては、由良さんの評価は低いけど、市販車と共通のデザインフィロソフィーを感じる、
このPeugeotのデザイン力は、見事としか言いようが無いですね。
せめて、GT-R LM NISMOが同じ成績だったとしても、デザインに納得できれば、
もっと違う評価になったのかなー、なんて思います。
という事で2023年のLeMans24時間は残り5時間ですが、私の耐久ブログ執筆はフィニッシュです!