
7年間で約10万キロ走破したドリー号ことS15を手放しました。
このクルマがボクのところへ来たのが2005年10月。
それまでの1年間、ドリフト修業用として49万円也で購入したPS13をさらなる戦闘力アップするかそれとも乗り換えるかで悩んでいました。そのことを同年3月に知り合ったばかりで当時D1に参戦中だった風間靖幸選手に相談したところ、紹介されたのがこのクルマだったのです。元々が某ショップのデモカーだったそうで、そのショップのお客さんがツーオーナー目として街乗りしていたクルマとか。
佐久ICを出たところにある釜飯のおぎのやで待ち合わせし、早速試乗開始!ツインプレートクラッチがやや扱いにくいものの、約420馬力の弾けるような加速!気になるところはクァンタムのショックがちょっとへたっているかなぁ・・・程度で、とても気に入り、その場で購入意思を伝えました。
納車前整備として、クラッチをNISMOのカッパーミックスへ変更し、タイロッドを切れ角UPするタイプへ、さらにクァンタムを風間さんがD1車両に装着しているスペアの車高調に換えて頂きました!
納車後まもなく、二本松のSSパークで大井クマゴロー貴之センセイのスクールがあり、そこがデビューとなりました。確かにPS13よりも挙動がピーキーな面も感じられましたが、これまでPS13ではパワーが足らず苦労していたところも楽につながり、気分は最高でした!
しかしながらその翌日に、調子に乗りすぎたのか土手を登ってしまい、自走できず修業仲間のクルマで帰京することに。。。
その後も修理の度に仕様が強化され、エンジン5基、ミッション4基載せ替えました。
・・・実はこのクルマを購入した直後、ボク自身にとって精神的にとても辛い出来事があり、このクルマの中で人知れず泣き、車内で夜を明かし、ひとりぼっちの引っ越しもこのクルマでしました。
このクルマが常に傍らにいてボクを精神的に支えてくれていたのです。
そしてなによりも風間さんがいたからこそ、このクルマを思う存分走らせることが出来たのです。
風間さんとの思い出は無数にあります。出会った当初、凍えながらNISMO6速への載せ替えをお手伝いしたこと、作業場を失った風間さんが自宅の軒先で開業し修理していたこと、鈴鹿でエンジンブローした時すぐに駆けつけて頂いたこと、中央道で立ち往生しローダーに代車を積んできて頂いたこと、仲間たちと何度かエビスサーキットで強化合宿をお願いしたこと、エビス南1コーナーで同乗中に刺さりこっぴどく叱られたこと、同コーナーでクラッシュの恐怖を乗り越えまた繋がるようになった時に笑顔で駆け寄って握手してくださったこと、二人でファミレスや回転寿司でお互いの悩みを延々と語り合ったこと、等々まだまだ書ききれません。
実は一生乗るつもりでいたドリー号を手放すことを考える瞬間が1~2年前から何度かありました。体調に異変を感じたり、長年続けてきたウェイトトレーニングでも怪我が多くなり、また出会いと別れを繰り返す刹那的な暮らしを送っていたこともあり、深酒し、心とカラダのバランスを崩していたのです。
そんな状態ではドリフト修業へのモチベーションも下がってしまい、いつしか風間さんとの会話の中で温度差を感じるようになってきてしまいました。
このままではダメだ!と思い、昨秋にエンジンOHしドリー号を再生したわけなのですが、それでも正直申し上げて以前のようなドリフトへの情熱に駆り立てられなくなってしまったのです。
ドリー号に対しても風間さんに対しても熱い気持ちで接していたい・・・でもそれが思うようになかなか出来ない・・・それと1年ちょっと前からボクの傍にいて荒れ果てた生活から立ち直らせてくれた家人のこと、長年親不孝している間にすっかり年老いてしまった両親のことも考え・・・ならばと決断した次第なのです。
手放すことを決意してから大井さんに電話しました。風間さんが手塩にかけたドリー号を風間さんに売却依頼することも忍びないですし、だからといって見知らぬ買取業者に売却し次のオーナーにクルマを荒らされたくもありません。
大井さんならドリー号に対するボクの想いを理解しておられますので、大切にして頂ける方へのご紹介を託すことにしたのです。
数日前、ドリー号を引き渡しました。
その晩、寂しさを紛らわす為、ひとりで想い出酒に酔いました。ドリー号のこと、修業仲間たちのこと、そして風間さんのことを思い浮かべていたら涙が止まりませんでした。。。
お友達やこのブログをご覧頂いている方々の中には風間さんを慕いお付き合いのある方もいらっしゃることと思います。
どうか風間さんのことを宜しくお願い致します。
頑固ですが、誰よりもシルビアを愛し、そして皆さんの走りへの情熱に応えてくださる方です。
一旦ドリフト修業はお休みしますが、奥深く大好きな世界ですのでまたいずれの機会に再開します!
最後に、歴代愛車の中で最も長い時間と距離を過ごしたドリー号。
本当に本当にありがとう!!
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S15 | 日記
Posted at
2012/12/04 10:06:39