
2002年2月、ドラテク修行を基礎からやり直そうと決心し、大井さんに相談すると、シルビアかユーノスロードスターを買って修行せよ!と言われました。でも当時のボクは「もうすぐ40なのにシルビアみたいな青少年向けクルマなんか今更乗れないよなぁ・・・・」と思っていました(それが今ではすっかりシルビア命なのですが・・・

)。
そこでユーノスロードスターの専門誌を買ってきました。初代ロードスターは1600のNA6Cと1800のNA8Cに分かれ、さらにNA8Cにはシリーズ1とシリーズ2があり、それぞれファイナルが4.1と4.3となり、サーキット走行するなら4.3の方が楽しいらしい・・・でもシリーズ2はROMチューンが難しい・・・等々の知識を一日18時間くらい猛勉強しました。
早速雑誌で見つけたロードスター専門ショップへ見に行くことにしました。幸いロードスターマニアの友人がひとりいましたので、彼からその店の評判を聞き、まぁまぁ良さそうだったので訪ねてみることに。でも心細いのでお友達にお付き合い頂きました。
雨ざらしの展示場で出会ったのが'94 NA8C RS-Limitedという限定モデルでした。走行8万キロを刻み、な~んかお疲れの雰囲気を醸し出しているものの、ショップの青年も敬語がぎこちないものの一生懸命であり、なんとなくクルマがボクを呼んでいるような気がして、試乗もせず購入しちゃいました
店頭価格が49万円。それに車検や登録諸費用、さらにお店を信頼して必要とされる整備を御願いしました。そんなわけでコミコミ90万円也を支払いました。その後、ワンオフロールケージ溶接、車高調、全ブッシュ交換、LSD、ミッション載せ換え、エンジン載せ換え等々200万円以上つぎこみました。そして一年後に45万円で売却してしまいました。金銭的な面からすれば大馬鹿そのものなのですが、ロードスターと過ごした1年間は本当に内容が濃いものでした。
購入してすぐに大井さんの筑波2000特訓を受講したのですが、バックストレートで「北酒場」をフルコーラス歌えるのでは?と思えるくらい長~く感じました。遅い!でも楽しい!が第一印象でしたでしょうか
例えば360Modenaで筑波2000の80Rは恐怖そのもので全開のまま抜けることは出来なかったのですが、ロードスターの場合ベタ踏みでいけました。つまり踏めないストレスを感じることなく、常に全開でいける爽快感!だからといってタイムを出す為には、同じ全開でもベストなラインを通らなければなりませんし、非力なパワーを最大限にいかすような走りを常に心がけなければなりません。これが結構むずかしく奥深いところでした。
ハンドリングは巷でよく言われる通り、本当に素直ですね!テールが流れても360Modenaの10倍くらいゆったりとした動きです。そんなわけでドリフトもこのクルマで徹底的に基礎からやり直しました。パワーが無いので、ドリフトをいかに持続させるかがこれまた奥深い世界でして、パワーバンドをキープしつつライン取りも重要だったりもします。これが最初からドリフト仕様のシルビアあたりに乗っていたらこうした苦労はなかったかもしれませんが、ロードスターでのドリフト練習は決して無駄にはならなかったと思いますし、ボクにとって大きな財産となりました。
サーキットも仙台ハイランド、エビス東、モテギ、筑波1000、筑波2000、鈴鹿などへ出陣しました(さすがに仙台と鈴鹿日帰り遠征は痺れましたが・・・)。大井さんとの師弟対決ではお互いに勝利する為なら手段を選ばず!というわけでウォッシャー攻撃合戦をやったり、幅寄せしたり、楽しかった思い出が沢山あります
ロードスターのパーツは豊富にあり、それこそ1/1のプラモデル感覚で楽しめてしまいます。また、一時期は新車のコンディションまでレストアしたいなぁとさえ思いました。でもそれは自分自身がどのレベルで完成!と定めない限り、終着駅なき世界へと突入してしまうことも悟りました。
そこまで気に入っていたのにどうして手放してしまったかというと、ある時「このままこのクルマに乗ってこの感覚に慣れてしまったら、将来またハイパワー車に乗った時、あまりの違いに戸惑うのではないか?」と思ったことも一因です。大井さんに相談すると「そんなことはないよ!」と言われましたが、魔がさして手放してしまいました。
今でも残しておけば良かったなぁと思う一台であります

Posted at 2009/09/25 13:43:39 | |
かつてのクルマ | 日記