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2016年05月01日

5ターボ2 ”8221” について

5ターボ2 ”8221” について   G.W.に突入しましたが、再びクルマが手元に無い状態で盛り上がりに欠ける今日この頃です。まあそうは言っても、まず考えてしまうのはクルマのことで、今回のエンジンブローを機に再びKジェトロについて考えてみたり・・・・。やはり燃料薄過ぎなんだろうな。フューエルデスビOH後でも全開だとA/F値14とか行っていたし。最近はマフラーノーマルに戻していたのでA/F計付けてなかったけど、恐らくこの間のTC2000の時はさらに薄くなっていたと思われ。ブーストはこれまで通り1.1K掛けていたけど、やはりノーマルの燃料系のままでは無理があるのか?(ノーマルは0.86Kです)一応、OH時にフューエルデスビの容量は少々アップしてもらっているので全くノーマルと言う訳でも無いのですが・・・

 そんなこんなを悶々と考えている中、8221の圧縮比についても再び考えてみたり。そこで時間もあったのでちょっと洋書の8221についての記述の部分を翻訳してみましたので その紹介も含め、よい機会なので今回は8221とはどんなクルマなのか?について書かせていただきます。

 5ターボに多少の興味をお持ちの方であれば、市販の5ターボには、大きく分けて5ターボと5ターボ2の2種類があることはご存知だと思います。
5ターボの生産は1980年~1982年。5ターボ2はその後の1982年~1986年の生産です。この2車種は基本的なメカニズムと外観(色やステッカー類を除く)は全く同じ。最も違うのは内装です。
でこの辺の紹介は、これまでも国内メディアでもよく書かれてきたと思うので今回は割愛。ただこの2車種、車両型式上は全く同じVF1 822000 です。

5ターボ


5ターボ2


  しかしながら実は市販の5ターボには一般には余り知られていないもう1車種が存在するのです。ただし、市販に際しての車名は全く同じ5ターボ2のまま。何のグレード名も付きません。しかしながらその車両型式は他とは別のVF1 822100 となります。
 
  この8221こそが、当時Gr.Bカーで争われていたラリーを戦う5ターボの最終型として登場したあの5ターボMAXIのベースとなったクルマなのです。
もう少し具体的に言うと、5ターボMAXIのGr. Bホモロゲーション取得に必要とされる最低限のスペックを織り込み、必要最低限の200台のみが市販されたクルマが8221なのです。実戦のラリーに参戦したお馴染みのあの5ターボMAXIは、この8221からさらに派生したエボリューションモデルとして僅か20台が制作されました。

5ターボMAXI


  それでは一体8221の何が特別なのか?ということで、今回こちらの5ターボ専門書の記事を訳してみたものを紹介します。ちなみに当方、仏語は全く分かりません(笑) Google翻訳をフル活用させていただきました。(仏語→英語)




以下、翻訳文です。

Gr.4仕様の5ターボに於いて、そのハンドリングはシビアなバランスの上に成り立っていた。特にそのリヤタイヤのサイズ、とりわけその幅に依存する部分は非常に大きかった。グループBの時代を迎え、その規定上、5ターボへの影響は悪い方向に働いた。つまり、当初5ターボが属した2L以下のクラス(1397cc×ターボ係数1.4=1956cc)に於いてはリヤタイヤの幅は最大10インチに制限されることとなってしまったのだ。
従来のGr4時代のバランスを取り戻す為には、クラス変更がどうしても必要だった。つまり2Lクラスから2.5Lクラスに上げることで、まさにGr4時代と同じ11インチ幅のリヤタイヤを履くことができるのだ。
この1インチの違いとは接地幅で計5.8cm(2.54cm×2)の違いとなる。僅かな違いと思われるかもしれないが、コーナーのアプローチから頂点に掛けて最大40cm2もの接地面積の違いとなると知ればその影響が絶大なことが分かるだろう。
5ターボの排気量は、ターボ係数を掛けた状態で1956ccでありリミットに対しそれ程大きくロスしていた訳では無かったが、2Lを下回ることによって適した接地面積を持てなくなったことでのロスは大きなものだった。

Gr.Bのレギュレーションでは、2Lから2.5Lクラスへの移行には、排気量を増やしたエンジンを積む5ターボ2を新たに最低200台、連続する12か月以内に生産することが求められた。大きな障害ではあったが、問題にはならなかった。ルノースポールは83年の半ばには、特別仕様の5ターボ2の量産の承認を得た。そして将来の競技車両がこのクルマから作られることになる。この変更がなければチームが勝利することは大変難しかっただろう。

Gr.B 2.5Lクラスへのホモロゲーションの為の5ターボ2は、1984年の終わりの4か月間に生産された。まさに5ターボ2であるこの200台のクルマがデエップのアルピーヌファクトリーで生産されるのと同時に、レギュレーションに従い、追加で20台の競技車両が作られた。これが5ターボMAXIである。
そしてこの200台の特別なモデルが5ターボ2 Type R8221である。

<エンジン>
排気量をアップするにあたってはボアサイズを変えるのではなく、クランクシャフトの偏心距離を38.5mmから39.5mmに増やす手段が取られた。つまりストロークが77mmから79mmにアップされた。これにより排気量は35.8cc増え1432ccとなった。
つまり1432cc×1.4=2004.8cc となり11インチのリヤタイヤが許される上のクラスに入ることとなった。
・専用シリンダーヘッド ハイト81mm
・専用シリンダーヘッドガスケト 厚み2.4mm(ノーマルは1.4mm)
・専用ロッカーアームアジャストスクリュー (ナットを締めこむ調整代を確保する為)
・専用ターボ
・専用コントロールバルブ
・オイルパン バッフル板の変更(大きくなったクランクシャフトの為)
・ブースト圧 0.935K (ノーマル0.86K)
ストロークアップによる排気量増(計35cc、1気筒辺り8.75cc)に対してはシリダーヘッドハイトとガスケット厚のアップで対処している。 
また新たに全ての認証を取り直さなくともよい様に、8221の出力は8220と同様とされていた。
作者注記)これらの仕様はいくらかの出力アップをもたらしたに違いないが、信頼できる情報は持ち合わせていない。
エンジン型式:C7K-700

<車体>
・アルミルーフ
注)長方形の型式プレートには、8221の記載がされているが、楕円形の車両コードプレート(オプション装備、製造No.を記載)には8220と記載されている。これが正規であり、8221を証明するものにはならない。

以上

  
  いかがでしょうか。8221はあの5ターボMAXIのベース車という素晴らしい血統のクルマではあるものの、その中身はホモロゲーション取得の為に最低限の仕様変更を加えただけのクルマであり市販車としての性能には大きな差異はなかったと言えると思います。
  
  また特に特別な正式名称も無いことから分かるように、一般のお客に対しては通常通りただの5ターボ2として販売されていたようです。というのも8221が販売されたこの時期、既に5ターボ2の売り上げ台数もかなり落ちてきており、200台の台数を通常の8220と併行して生産できる状態でもなく、つまり1984年終盤のこの時期の生産車は全て8221だったようなのです。そして200台の生産終了後はまた8220に戻したうえで生産が継続されています。

参考に市販5ターボの総生産台数は以下の通り、
 5ターボ:    1678台
 5ターボ2:   3084台
 5ターボ2“8221” 200台
 計 4,962台

  ちなみに、台数的には全5ターボ2の中の6%にしか過ぎない8221ですが、みん友のオーナーさんの中には結構8221の人がいて、BOZIANさん、ボビ☆5さん、そしてわたくしkim5tと6%を遥かに超える比率です。

BOZIAN号 ”8221”


ボビー号 ”8221”


kim5t号 ”8221”


  なお、今回翻訳してみた記述の中で、ターボ及びコントロールバルブ(アクチェーター)が専用。そしてブースト圧も(若干ではありますが)アップされたとありますが、これは全くの初耳でした。ただパーツリストを見る限りは、専用部番の記述は特に見当たりません???
一方、個人的に最も気になる部分が、ストロークアップに伴う圧縮比への対処の部分。要は、排気量アップだけをしてもし燃焼室容積がそのままの場合は圧縮比が必然的に上がることになり、ターボ車にとっては少々問題となる訳です。
  
  その対処として、ガスケットが2.4mmにアップされていると言うのは以前のブローの際に教えてもらった情報で知っていましたが、それだけではなくやはりヘッドのハイトも変えてあったんですね。
以前この圧縮比の違いの件については検証してみたことがあり、結論としてはガスケット厚で十分対応できる範囲と考えていました。しかし今回一つの間違いに気づきました。以前はガスケット厚アップで燃焼室容積もその分アップされると考えていましたが、よくよく考えてみると、2mmのストロークアップによりピストンの位置は上死点で1mm高くなります。よって1mm厚い(2.4mm←1.4mm)ガスケットを使ってもその分は、このピストンの飛び出し量に対処する量でしかなく、圧縮比を従来と同じにするにはここからさらに燃焼室容積を拡大する必要があるのです。その為にヘッドハイトのアップがされたのですね。
  ところで8221のヘッドハイトは81mmとのことですが、ノーマルのヘッドハイトっていくつなのでしょうか?僕の計算では0.3mmくらいの違いじゃないかと推定しますが。
  ちなみ僕のクルマは3度目のブロー時にヘッド交換してもらっているので今はノーマル仕様のヘッドのはず・・・。さらにヘッド面研とかしてあった場合は圧縮比的にはさらに高い方向になっていかもしれない???

  と言う感じでエンジンブローに伴う疑問はつきませんが、まあ兎に角、今回の燃調はA/F計を再度付けてA/F値を証にセッティングしてもらうことにします。なんとか全開時でも12以下にはなるようにしたいですね。

ブログ一覧 | サンクターボ | クルマ
Posted at 2016/05/01 00:52:21

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この記事へのコメント

2016年5月1日 8:44
おはようございます~kim5tさん

この本、僕は“教科書”と呼んでます。(笑
もちろん全てに疑問・間違いないわけでなく、ソレの裏付考えたりするのも“おたくの薀蓄話・理論武装”には愉しいです。
細かな事かもですが、2.4mmガスケット:ピストン突出し対処↦ブロック変更しない為と考えます。 
コメントへの返答
2016年5月1日 9:35
おはようございます。
この本は内容充実してますよね。
また今度暇なときに別の章を解読してみます。
しかし仏語の翻訳は骨が折れます。
IT技術のお陰で、かなりの部分はコピペ作業なのですが。
2016年5月1日 10:33
流石Gr.Bホモロゲモデル!!

こう云う仕様の’謎’部分が浪漫ですねぇ(笑)
コメントへの返答
2016年5月1日 14:25
この時代はまだこういった謎が多かったですね。
特にフランス、イタリア辺りでは!(笑)
まあ楽しみと、困惑半々ですね。
2016年5月1日 16:28
ラクーンさんの所では後半期の10数台以上の輸入はすべて8221だったと聞いてます。

流通している他のサンクも8221がちらほら居るようですから国内はには結構な台数が有りそうですね。

ちゃんとこうやって、自分の車の由来を他人の言う事ではなく調べてる人はすごいですね。感心します。

A/F~悩ましい所ですね。

マイサンクも悩ましい状態ですが。(笑)
コメントへの返答
2016年5月1日 20:08
やはり日本国内の8221率は高かったようですね。
ルノーは早く台数をさばきたかった
→しかしこの年代既に販売台数はかなりペースダウン
→そこでそれなりのバーゲンプライスでディーラーに流した。
→ディーラーで在庫されていたクルマを日本の並行輸入業者がリーズナブルプライスでまとめ買い。

なんてことがリアルにあったのかもしれませんね。


懸案のA/F値ですが、まずは燃料足りてくれるとよいのですが・・・。以前のトライ時は、どうしても高回転域で燃料が足りませんでした???



2016年5月1日 23:34
とても勉強になりました!

数値的な部分も興味ありますが、流通マネジメントの部分も興味深い
ですね~

とりあえず珍しい車を輸入すれば倍でさばける時代だったと購入した時、
聞いてますがどうなんでしょうかね(^^;)

ま、サンクターボだけじゃなくフェラーリでもポルシェでも限定車の割合は多い国なんで(^-^)

たまたま巡り会ったサンクターボ2がmaxiベースでラッキーでした。




コメントへの返答
2016年5月2日 8:01
サンクターボ2の日本での正規ディーラー価格は800万円くらいしていたので並行輸入車のニーズはかなり高かったとと思います。
そんなところも面白い時代だったと言えるかもしれませんね。

プロフィール

「湾岸BASE 20:45」
何シテル?   09/14 20:49
ルノー5ターボ→インターメカニカ356を経て、 2022年12月ジュリアクーペに乗り換えました。 今度はこれで全開走行していきます!!
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