
日産マーチRが好き!!欲しい!!
というネタはこれまでも何度かこのブログでも書いたことがありますが
4月に訪れたオートモーティブカウンシルで出会ったこちらのマーチR
なんとバーンファインド車として積もった砂埃もそのままで展示されていました。
当時のメーカーオプションであった、ロールバーやステアリング、そして派手なトリコロールストライプのカラーリングが装着されつつも競技未使用で程度は良好に見受けられました。ノーマルシートにノーマルの鉄ホイールのままというのも希少ですが一番希少なのはこの純正カラーではないでしょうか?無論ステッカーではなく塗装です。
しかし何を差し置き最も衝撃的だったのが660万円というそのお値段でしたが(笑)
マーチRにベタ着きで写真を撮りまくっていると、なんと調度そこに登場したのがモータージャーナリストの大井貴之さんでした。
月刊ビデオマガジンのベストモータリングの編集者兼ドライバーとして活躍されていたのはご存じの方も多いと思います。
ベストモータリングは創刊当初からレースの車載映像などを掲載したりしており、今でこそネット上で素人からプロまであらゆる車載映像がタダで見放題ですがネットのなかった当時としては大変貴重で楽しませてもらっていました。
そんな創刊ごく初期の車載映像の1つに、大井さんが参加したマーチリトルダイナマイットカップの筑波サーキットでのレースの模様がありました。
マーチリトルダイナマイットカップとは、当時日産(NISMO?)が主催していたレンタル車輛によるワンメークレース。レース車輛は主催者により一括管理されており使用する車両はレース当日抽選で決めるという仕組み。
そしてこのマーチリトルダイナマイットカップ車輛に搭載されていたエンジンこそが、この後マーチR、そしてマーツスーパーターボに搭載されて市販されることになるスーパーチャージャー+ターボチャージャーのツィンチャージエンジンだったのです。(ただしこの時点ではまだインタークーラーは非装着。よってボンネット上のインテークダクトは有りません)
この大井さんのレースの模様のショートムービーは中々の出来栄えでかなりのお気に入り。
「大井さんこのクルマのワンメークレース出てましたよね?あの車載は最高でした!無名時代の田中律子も出てたやつ!」
と伺ってみると
「今言われてはじめて思い出した!そうそう当時まだ高校生だった田中律子ちゃんに来ない?って誘ってみたら来たんだよ」
と、思い出していただけました。
その動画がこちら。元がVHSテープなので画質が悪いのはご容赦下さい。
レース中、大井選手とデットヒートを繰り広げる熊倉選手は、この直後にカーグラフィックの2代目編集長に就任されました。
そんなオートモーティブカウンシルでの出会いを切っ掛けに、折角の機会なのでここで個人的なマーチRの想い出を書き記しておこうと思います。
最初は新車発売当時1988年~1989年の頃、当時自分はまだ自動車部所属の大学生。でも実はマーチRを新車で買う可能性も十分にあった状況でした。ではなぜ買えなかったのか?実はマーチRの発表前にファミリアGTAeのラリー車を買ってしまったばかりだったのです。このファミリア中古ではありましたがまだ新車からラリー1,2戦を走ったのみと新しく188万円しました。(VR4、SSS-Rの登場により一気に戦闘力がなくなりチャンピオンを目指していた前オーナーが売りに出していたもの)
一方、マーチRの新車価格は当時なんと110万円~!!
ラリーパーツを後付け装着することを考えても十分新車購入可能な車でした。
当時の自分では4WDなど乗りこなすことなど出来もせずもしこの時マーチRにしていればもっと練習になっただろうし、そして楽しかっただろうな・・・と後悔少々。
そもそもマーチRとは国内ラリーのBクラス(1300cc~1600cc)をターゲットにホモロゲートされた車で(930cc×1.7=1,581cc)デビューシーズンの1989年に見事チャンピオンを獲得。
ツインチャージャーと国内のラリーコースを想定した超クロスレシオミッションそして超軽量な車体を武器にライバルの1600ccDOHC車(AE86、カローラFX、シビックSiなど)に圧勝しました。
市販車にあるまじき過激なマシンスペックと小が大を制すカッコよさが自分にとってのマーチRの魅力です!!
マーチRマニアのバイブル!!
マーチRの大特集を組んだ1989年当時のスピードマインド誌です。
巻頭特集がマーチRの雑誌は恐らく世界でこれ1冊のはず。(笑)
その後、数年経った1992年。既に就職し社会人だった自分は、何故か某ディーラー系中古車センターに勤務していました。そこに入庫してきたのがフルノーマルのマーチRでした。
シートや鉄チンホイールは当然としてステアリングまでもがノーマルのままという完全なノーマル車!値段は忘れてしまいましたが元が110万円の車で、当時はプレミアなど付きようもない車でしたからまあお安かったと思います。
センター長に「ちょっと乗って来てもいいですか?」と断り勤務中に1人で試乗に。
(場所が埼玉の桶川だったのでそこそこ空いている道も多く)
しかし、その印象は今一。空いた広目の直線路でフル加速してみてもリニアな加速感にそれほどパンチを感じず。また大径で細い握りの商用車ハンドルにノンパワーの重いステアリングでハンドリングの印象もネガティブ。
当時就職直後に新車で購入して乗っていたユーノスロードスターの方が遥かに楽しいことは間違いなく、乗り換えなどは全く考えられなかったのが正直なところでした。
結局その後は、ユーノス→ジネッタG4→ルノー5ターボと車歴を重ねマーチRが入り込む余地も無く。
でも免許を取りはじめで大学の自動車部に入りプレイドライブを読み漁っていた頃の原体験の影響は大きく、当時のWRC(グループB時代)や国内ラリーを走っていた車への憧れは今もそのまま。
2022年のノスタルジック2daysで出会ったマーチRは最近80年代のマイナー国産車のレストアに力を入れている九州のショップからの出展。
ノーマル状態に綺麗に仕上げてありエンジンルームもとても綺麗でした。
噂では350万円と聞きましたが、買ったとしても走らせることが目的の自分にとっては綺麗すぎる(高過ぎる)感じ。
暫く売れ残っていたようですが流石に今はもう売れたようですね。(程度と価格のバランスは妥当と思うが、そもそもこのクルマを欲しがる人はかなりレア)
同じく2022年インターメカニカで宮ケ瀬までツーリングした際に出会ったマーチR。
比較的若いオーナーさんが乗る車で、Youtubeのメディア何件かでも取り上げられている今でも元気に走る数少ないマーチRの1台です。
この頃は、マーチターボのバンパーを装着していました。
その後、2023年にジュリアで訪れた箱根大観山でなんと同じ車に再会。
バンパーは元のマーチRに戻りワークスカラーのトリコロールラインを施工中で片側のみ貼り終わっていた状態でした。
このお車、その後メルカリで売りに出ていたのを見かけましたがまだ元のオーナーさんの元に有るようです。
そして2022年インターメカニカの次の車を探していた際に注目していた1台がこちら。
なんと1993年のWRC 1000湖ラリー出場車です!!
1000湖ラリーにマーチR(エントリー上はマーチスーパーターボ)がしかも日本人ドライバーによって出場していたとは全く知りませんでした。
このクルマは外観上は、マーチスーパーターボの恰好をしていますがベースはマーチRなのだそう。そもそもマーチRは当時のグループAのホモロゲーションは無く、一方マーチスーパーターボの方はホモロゲーションが取られていました。(市販車の販促、また生産台数的にも妥当な判断。そもそもグループAではトランスミッションは別物に交換可能だった為、マーチRの純正クロスミッション装着は全く無意味でしたし)
そこでWRC参戦に当たり、恐らく国内ラリー参戦車輛としてボディ補強をはじめ仕上げてあったマーチRをベースに外装のみをマーチスーパーターボに交換したものと思います。
トランスミションはマーチRのクロスがそのまま。エンジンは当時200ps位までチューンアップしてあるそうです。
外装、内装は1000湖参戦当時のままのようでそれなりにやれていますが、メカは数年前にかなり手を入れて直してあるとのこと。
マーチRを全開で走らせたい自分に取っては競技車輛として作られていることは大変魅力的。しかし、マーチスーパーターボではなくマーチRが好きな自分に取ってはこの外装は元に戻したいところ。しかしその一方、WRC参戦車というレガシーを消してしまうのも気が引ける。結局その時点で330万円だった価格設定を考えると、遠方にまで足を運んで実車をみせてもらうまでには行きませんでした。
しかしこのお車、今同じ旧車販売サイトを見てみたところまだ売れていない。そしてなんと価格は150万円にまで値引きされている!! 当時この価格だったら恐らくジュリアでなく、こちらを見に行っていたはず・・・。しかし、既にジュリアを抱える今の自分には、趣味車の増車は到底無理。
どなたかこのお車いかがでしょうか? 再び元気に走るこのマーチRを見てみたい。
WRC参戦車ということでは、キャメルカラーのマーチスーパーターボが有名です。
グループB時代はメトロ6R4など色々なクルマでWRCにもスポット参戦していた有力ドライバー P.エクルンドが乗った車です。1989年のアクロポリスでは既に4WD車全盛の中10位入賞を果たしています。
トランスミッションはXトラック製に換装。エンジンは果たして何馬力出ていたのでしょうか?
同じくWRC参戦車の記録として1990年のモンテに日本のラリーショップ マジョルカから参戦したマーチスーパーターボが有りました。ドライバーはベテランドライバーの竹平素信選手。国内ラリードライバーでしたが、当時のベストカー誌にはレポーターとしてもちょくちょく登場。ニックネームは“タケチャンマン”。因みに大井貴之さんのニックネームは“大井タコ”だったと記憶します。
当時地上波TVで放映された1990年モンテ特番の映像よりマジョルカチームのシーンを抜粋。こちらも画質劣悪で済みません。
なおマジョルカチームからは他に2台のパルサー(1600ccDOHCのFF車)も参戦していました。スーパーターボの登場シーンは僅か2カットのみですが。
こちらは1年くらい前でしょうか。早朝ジュリアで筑波に向かう道すがら車載に乗るマー
チRと遭遇。なんという偶然!
そして最後にこちらのマーチR。
実はごく近い身内が購入したものです。(離れたところに保管してあるのでまだ僕自身は実車と対面したことはないのですが)
ナンバーは切れているし、まだエンジンも掛からない状態なのですがいつか復活させて・・・
と夢見ています。
憧れの車はまずはミニカーから!
まさかマーチRのミニカーが発売される時代が今になってやって来るとは。(セリカGT-TSのミニカー発売にはもっと驚きましたが)
やはりこの年代までのクルマ好きのパワーは凄い!!
間違いなく日本の経済に貢献している!(ただ散財しているだけとも言う)
VIVA!! 車おやじ!!!(笑)
