ETV特集
「昭和天皇が語る 開戦への道 後編 日中戦争から真珠湾攻撃 1937-1941」。
昭和天皇の本音がのぞける本番組。
「”勢い”というものは実に恐ろしい」
「勢いが勢いを作って、人力ではどうにもいかなくなる」
などなど、「勢いに流されてしまった」という悔恨が
数多く述べられます。
「私など、戦争を止めようと思っても
どうしても勢いに引きづられてしまった」という
昭和天皇のお言葉は
けっこうショッキングです。
最高権力者、大元帥の意向さえ
簡単に無視されてしまう組織構造の恐ろしさを
突きつけられます。
昭和天皇が
「私は戦争に反対だった。現に開戦の詔勅には
『豈(あに)朕(ちん=天皇陛下)が志ならむや
(このような事態は、私の本意ではない)』
と書いたではないか」と述べられます。
が。
初代宮内庁長官の田島は
「そのようなお言葉は、過去の詔勅にも
クリシェのように使われていたものであり、
そんなに戦争をおやめになりたかったのならば
開戦の詔勅などにサインしなければよかったのでは」と
(やんわりと)反論しています。
これは実に
「ああ、戦後なんだなぁ」「健全な姿だなぁ」
というエピソード。
昭和天皇の国内、海外の現状分析は的確で
明解でしたので、
戦争を止められる機会は何度もありましたし、
実際に工作活動(根回し)に入っていたものもありました。
ここには、希望、うれしさを感じます。
ただただ、
軍部のいいなりに流されてきた昭和天皇という
イメージを覆すには、
十分な証言内容、第一級の史料を紹介する
良番組でした。
<おまけ>
昭和天皇の側近で
木戸幸一(きど こういち)なる人物が出てきました。
東條英機を内閣総理大臣に推薦するなど、
太平洋戦争前後の政治に関与した人物です。
木戸でピンときた方は多いと思いますが、
そう、彼は木戸孝允(桂 小五郎)のお孫さんです。
戦後の音声も残っており
実に張りのある大きな声のお方でした。
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Posted at
2022/12/18 18:51:55