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DCOEなどのサイドドラフトキャブレターに換装した車両においては、
吸気管長確保や、エアクリーナーのスペース確保に苦労する場合が多いようです。
ユーノスの場合も例外でなく、前オーナーが取り付けたエアクリーナーも、
どうやって組み付けたのだろう?と思えるほど絶妙なクリアランスで取り付けられていました。
(インマニ~エアクリーナーまで組み付けた後にエンジンに取り付けたと思われます)
今後の整備性を高めるためにも、たとえわずかでもスペースを広くしたいと思います。
◇ ◇ ◇ ◇
【薄型のインシュレータに交換】
キャブレター換装用国産キットパーツのインシュレータは、
ベークライト(耐熱性樹脂の一種で、よくプリント基板の基材に使われていた茶色い板)製の
8mm厚のものが使われている場合が多いようです。
ターンフローでもなく、吸気側に熱トラブルが起きるほどではないので、
インシュレータを薄くできないかと、いろいろ検索してみたところ、
DCOE用で5mm厚のものを発見し、素材から自作するより安価だったので入手してみました。
僅か3mmでもスペースが増えれば、キャブレター脱着にもエアクリーナー装着にも、
助けになる可能性があります。
国産キットパーツのものと違い、片側バレルずつ独立した形状です。
色が黒いので見た目も好ましく、ガスケットも両面に付属し良心的ですが、
取付けボルト穴径が10mmと大きく、ボルト穴のピッチが1mm強狭くなっていました。
(写真左のものは、ボルト穴の位置を修正済みです(後述))
ずれていても組めないほどではないので、
インシュレータのボルト穴(10mm)に外径が合う、
手持ちの薄肉アルミパイプを切りだしたカラーを挿入し、
さらにその中に、キャブボルト穴と貫通するようステンレス薄板を巻いたスリーブを挿入し、
スタッドボルトとのガタを詰めつつ、キャブレターのボルト穴との位置決めを試みました。
◇ ◇ ◇ ◇
【クビレのないスタッドボルトに交換】
キットパーツのインマニ側スタッドボルトは、
インシュレータを貫通するネジのない部分は径が細くなっていて、
余計にインシュレータがガタつく原因になっています。
ねじ締め付け軸力を保つためのクビレですが、
組み付け時に吸気経路に段差が生じる可能性があります。
そこでスタッドボルトを全て抜いて(ダブルナット使用)、
これまたホームセンターで買ってきた、M8寸切りボルト(頭がない長いネジ部だけのボルト)
から切り出した自作品に交換しました。
焼きの入らない生鉄素材の上、メネジに噛まない部分までねじが切られていて、
明らかに強度が落ちるのですが、先回レポートした支柱を作製したので大丈夫と踏みました。
【タイトフィットゆえ組み付けに難あり】
ところが、薄板を巻いたスリーブが合わせ面に対し垂直にならないのか、
スタッドボルトがひっかかってしまい、うまく通りません。。。
邪道とは思いつつ、自作スタッドボルトを一旦抜き出し、
穴を通りやすくなるように、一本ずつヤスリで先端(ネジ部)をわずかにテーパー状に削りました。
とりあえずこの時は二基ともキャブレターを仮組みすることができました。
ここまでは良かったのですが、二基のキャブレターのバタフライスピンドルを連結したところ、
どうやってもボルト穴を通らなくなってしまいました。。。
再度、ヤスリでテーパー削りを行いましたが、
それでも通らないので、あきらめてインシュレータのボルト穴を修正することにしました。
上の写真の左側が、穴位置を修正したものです。
2バレル一体型のインシュレータなら、対角線の2か所づつを位置決めすればOKでしたが、
今回は8ヵ所すべてを修正しなくてはいけません。気が重くなります。。。
◇ ◇ ◇ ◇
【芯出しのための治具調達】
インシュレータのメインボア径は45mmで、キャブとぴったり一致するので、
手持ちの45DCOEのドンガラを使い、メインボアにピッタリ合う治具(スリーブ)を通して
位置決めを行うことにしましたが、ちょうどいい径の円柱形状のものが手元にありません。
手元の円柱形状のものを片っ端から測ってみましたが、見つかりません。
どうしてもなければ、ステンレス薄板を丸めて使おうとも考えましたが、
キャブレターメインボア内に傷をつけてしまうリスクがあるので、
ノギス片手にホームセンター内の円柱状のものを測りまくりました(笑)
最終的に二件目の店でみつけたのが、上の写真でボアにはめ込んである半透明緑色の品。
(クイズです。これは一体なんでしょう?ホームセンターの取り扱い商品です)
これでキャブとインシュレータのメインボアを一致させて、
インシュレータのボルト穴位置を修正後、薄板を巻いたカラーで芯出しできるようにしました。
【ボルト穴修正作業】
インシュレータのボルト穴をヤスリで大きめに広げ、先のアルミパイプ(カラー)を穴に入れ、
緑色の治具で芯出しをした状態で、キャブのボルト穴とインシュレータのアルミパイプとを、
先の薄板を巻いたものを貫通させてボルト穴の芯を合わせ、
インシュレータと挿入したアルミパイプ(カラー)の隙間に瞬間接着剤を流しこみ、
その上からベビーパウダーを耳かきでまぶして硬化させる。
それを繰り返してすき間を埋めました。
プラモデルの改造で使われる(強度を出して肉盛をする)手法です(^^)
キャブレター側合わせ面には養生テープでマスキングして、
滲みだした接着剤でキャブに固定されてしまわないようにします。
フランジ面にはみ出した接着剤は、硬化後、彫刻刀の平らな刃で削り落としました。
(ベークライトの表面は硬く滑らかなので、キズを付けずうまく剥がせました)
一番手前はキャブのボルト穴に薄板を巻いたスリーブを差しこんだ状態、
二番目以降はキャブに差しこんだスリーブに、インシュレータを差しこんだ状態です。
なお、僅かとはいえ軽量化と熱伝導率低下を期待して、
以前アルミで作製した、スターター作動部を外した穴を塞ぐふたと、
バレル間の加速ポンプレバー部分のふたは、
2mm厚のベークライト版で作り直してあります。
(穴を開け間違えた部分は液体ガスケットを盛って塞いでいます(笑))
◇ ◇ ◇ ◇
支柱と固定するための、キャブレター連結用アングル材の取付け穴精度を
できるだけタイトにおいたので、かなり正確に二基の位置を出すことができ、
二基のバタフライスピンドルを連結した状態で、無事インマニに固定することができました。
先細にしたスタッドボルトのねじ山が浅くなってしまったので、
締め付けるナットには穴をあけて、脱落防止のためワイヤリングをすることにします。
文章では判りにくい説明だったと思います。
読了ありがとうございました。.
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