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2023年08月17日 イイね!

【2023年夏 遠征記その4】島原鉄道から「かもめ」へ

【2023年夏 遠征記その4】島原鉄道から「かもめ」へその3 からの続きです。





島原駅の改札が開いて、待ち構えていた乗客がぞろぞろとホームに。

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すぐに1両の列車がやってきました。
島原港駅始発の列車で、すでにそこそこの乗車率。
進行方向とは逆向きですが、BOX席の海側に座ることができました。

ここから終点の諫早駅までを約1時間で結んでいます。
島原駅の次、三会駅の先から海を近くに見ることができます。

そして、そこから2つ先の大三東駅は、「海に一番近い駅」として有名な駅。

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大三東駅に到着。
今は干潮の時間帯ですが、満潮になるとホームのすぐ下まで海面が迫ります。島原駅にあったポスターによると、満潮になる時刻に大三東駅に降り立つ臨時列車もあるそう。
私も降り立ってみたかったのですが、次の列車まで待つとこの日が変わる前に宿へ到着できるか微妙なので諦めて、車窓からじっくりと眺めます。

そして大三東駅のもうひとつの名物が、「幸せの黄色いハンカチ」(トップ写真)
黄色いハンカチは駅構内の自販機(ガチャガチャだそうです)で購入し、願い事などを書いてから付けます。

ホームからは柵もなく、まさに海が目の前。あいにくの曇り空でしたが、これが晴れた青空の下でしたら、それこそ衝動的に降り立っていたかもしれません。

海が間近に見える駅はこちらだけではなく、この先の古部駅も海がすぐそばです。
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古部駅からホーム越しに。この辺りも干潟が広がります。

干潟といえば、ここ有明海は遠浅で干満の差が大きく、干潮時の干潟面積は日本一と言われています。
「有明海苔」の生産で有名ですが、ムツゴロウをはじめとして、干潟だけに生息するような生物がもよく知られています。

さらには、防災や農地化のための干拓事業も進められ、「諫早湾干拓事業」という言葉もかつてはニュースでよく耳にしました。
古部駅を過ぎるとその諫早湾干拓のための長大な堤防付近を通り、沿線の看板にも「諫早湾干拓」の文字をいくつか目にするようになります。

この干拓事業についても、これまでは遠い地域のことであまり関心がなかったのですが、帰宅後、興味を持っていろいろと調べたりしていました。こうしてその土地について興味を持ち、帰ってからもいろいろと学んだりできることも旅の醍醐味のひとつと思っています。

車内の様子に戻ります。島原駅からの乗車率は総じて高め。それも地元の人たちの通勤通学客が中心で、諫早駅に近づくころには立ち客の姿も目立ってきました。これならば、列車の編成や運行本数をもう少し増やしても良さそうに思えてしまいますが、どうなのでしょう。

諫早駅の一つ手前の本諫早駅は、市内中心部の最寄駅。ここでも多くの乗客が乗ってきて車内は満員、そのまま終点の諫早駅に到着しました。

ちなみに島原鉄道の運賃の精算は、駅員のいる駅でも降車時に運転士に支払う方式のよう。さきほどの島原駅降車時もでしたが、諫早駅でもそんな感じで、定期券客のほかは、切符や運賃を直接運転士に渡します。
どちらも駅も改札口に駅員はいたのですが当然そちらは素通りで、ちょっと変な感じ。

降車のために並んでいると、車内の両替機にも列ができていて、精算の列とも相まって人だかりができていますが、降りる客はいつものことだからか、のんびりと降りるのを待っていました。

諫早駅からは、開通間もない西九州新幹線に乗り継ぎます。
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新幹線開通で新しくなった諫早駅。

先ほどの島原鉄道の到着から、次の新幹線の発車時刻まで8分の時間がありますが、あの降車時間ではとても間に合うものではありません。
切符の購入などがあるので、もともと8分で乗り換えるつもりはありませんでしたが、必然的に1本後の新幹線になります。

駅の切符売り場へ。ここからは地元駅までの通しの乗車券のほかに、西九州新幹線経由で小倉までの特急券を購入するつもりでしたが、売り場の駅員さんから「博多から鳥栖の間が大雨で運転を見合わせしている」という気になる情報が。

新幹線区間の終点となる武雄温泉駅までは動いている、ということなので、まずは行けるところまで行ってみようと、新幹線と、接続する「リレーかもめ」で博多までの特急券を購入します。

スマホの雨雲レーダーを見ると確かにその方面は真っ赤。果たして、予約していた宿に辿り着けるか・・・そして途中で列車が停まった時のことを考えて飲食も用意しておかないと、ということで売店でサンドイッチとペットボトルの飲み物を数本買い込んで重くなったリュックを背負い、新幹線乗り場へ。

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西九州新幹線「かもめ」は定刻にやってきました。
前述の通りこちらに乗るのは武雄温泉駅までで、そこから在来線「リレーかもめ」に乗り換えるのですが、駅の案内や列車の行先表示はすべて「博多行き」になっています。

真新しい車両は、一車両に数人程度の乗客。
腹ごしらえのサンドイッチを頬張っているとあっという間に武雄温泉駅に到着します。ここからは、昨年の年末遠征で通過して以来です。

通常ダイヤなら、ホーム反対側に停まっている「リレーかもめ」にすぐに乗り換えることができるのですが、今はその姿はありません。

構内放送によると、鹿児島線博多~鳥栖間の運転は再開されたものの遅れが激しく、これから乗るリレーかもめも、まだ博多にほど近い二日市駅付近を走っている、とのこと。

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向こう側のホームには、「ふたつ星」の姿が。

さすがに鹿児島線の遅れは、佐世保線内を走る各列車にはそこまで影響なく、順次到着、発車していきます。

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このあたりも、雨が激しくなってきました。

さきほどの「かもめ」が乗客も少なめだったせいか、ホームに待つ人もそこまで多くありません。皆で、いまだ福岡県内にいる列車の到着を待ちます。

さて、ここで待つ、といってもホームのどこで待てばいいのか?
ホームの表示は「リレーかもめ」だけでも両数により2種類、さらに表示色の違う「リレーかもめ」の表示もあって全部で3種類の待ち位置があります。

どこだろう、と考えていると、1人の外国人の女性が英語で私に話しかけてきました。

内容は私と同じ疑問、どこで待てばいいのか?と聞いてきているのはわかるのですが・・・自分自身がどこで待てばいいのかわからない上に、更にそれを英語で伝えることはちょっと困難・・・ホームの表示だと次の列車は8両編成とあるので、おそらく「リレーかもめ 8両編成」とある個所だろう、と推測できるのですが、私の英語力ではなかなか分かってもらえず(すぐ近くに別の乗客もいたのですが誰も助けてくれず…( ;∀;))
お互い、途方に暮れてしまいます。

まずは、待つ位置がどこかだけでもはっきりさせなければ、ということで、その女性に「聞いてくるからちょっと待ってて」とジェスチャーで伝えた後、少し離れたところにいた駅員さんを見つけて尋ねます。

しかし、駅員さんも「そのまま折り返すはずですけど、ダイヤが乱れているので別の車両が来ることもあるので、はっきりしたことは今では言えないんですよ・・・」と困った様子。
さらに、「さっきも別のお客さんに案内したんですけど、その後で変更になっちゃってて、嘘つきっていわれたもんで・・・もうこれ以上嘘は付けないんですよねぇ」との言葉にこちらも自然と笑みがこぼれてしまいます。なかなか楽しい駅員さんでした。

ちなみに、キャンペーン中なのか、駅員さんは皆、プロ野球ソフトバンクのユニフォームを着ていますから、その風体もあってよりフランクに話ができる雰囲気です。

その後まもなく、確認してもらえたらしく件の駅員さんが構内放送で待ち位置を案内してくれました。
さきほどの外国人女性も案内された位置に並んでいて、私と目が合うと微笑みながら少し頭を下げてくれます。

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そんな、いろいろなエピソードのあった雨の武雄温泉駅。

やがて、長崎方面からさらに後続の新幹線「かもめ」も到着。
こちらの「かもめ」の指定席券を持った乗客は、自由席に乗った上で後で払い戻しを受けるように案内があったため、自由席の行列が一気に増えます。

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待つこと1時間余り。降り続ける雨の中、ようやく折り返しの「リレーかもめ」が到着しました。

ほぼ満員の乗客が降り立ち、新幹線「かもめ」の車内へと飲み込まれていきます。車内整備後、入れ替わりに私たち、待っていた乗客が乗り込んで、再び満席となって武雄温泉駅を発車。

ほんの半年前に訪れた佐賀駅を過ぎ、鳥栖から鹿児島線を疾走します。
ようやく外に建物の灯りが目立ち始めて博多駅に到着。

ホームに降り立つと、すぐそばのラーメン立ち食いのお店から豚骨スープの香りが・・・しかし(博多に来たな)と実感する間もなく、慌ただしくホームを移動して、自販機で博多から小倉までの特急券を購入するとすぐに、大分行き「ソニック」へ。

小倉駅に到着したのは21時30分頃でした。ここで遅い夕食。

何とかラストオーダーに間に合います。
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鉄板餃子と麻婆豆腐、それに芋焼酎の水割りで。

ちなみに、今回の宿は小倉ではなく、下関にとってあります。
ということで、食事後さらに2駅移動。関門トンネルを通って下関へ。

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下関駅に到着。すでに22時30分を回っていました。

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当然ながら、一部の居酒屋などを除けばお店は閉まっています。駅前の長くて立派なペデストリアンデッキを行き交う人も僅か。

眠りに入りつつある街を、宿へと向かいます。
こうして、長い長い1日が終わりました。

その5 に続きます。
Posted at 2023/08/27 20:53:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2023年08月17日 イイね!

【2023年夏 遠征記その2】九州横断特急

【2023年夏 遠征記その2】九州横断特急その1 からの続きです。

8月17日朝、大分市内の宿で気持ちよく目が覚めます。

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宿の朝食はこちら、ここでも「とり天」をいただきました。

チェックアウト後、大分駅に向かいます。この日もお天気はまずまず、駅までは気持ちいい朝の散策。

この日、まず乗車するのは、こちら
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九州横断特急、豊肥線経由の熊本行きです。

こちらの列車が今日の最初のキーとなる列車でした。
豊肥線は、途中の豊後竹田~宮地間の本数が少なく、普通列車を乗り継いだらこの後の行程が成り立ちません。その中でこちらの列車は貴重な存在で、遠征出発前に、ネット予約でチケットを購入していました。

指定席に腰をおろします。乗車率は3~4割程度。そのうちの約半数以上が、数組の外国人グループ客です。

こちらの車内はみな、観光気分でゆったりしていますが、他のホームには通勤通学客の姿が目立ちます。大分駅に到着する列車も、通勤通学客で立ち客まで一杯の状態で駅に到着していました。

定刻、大分駅を発車。

列車はしばらくは大分市郊外の住宅地を走ります。
途中の駅ですれ違いのため運転停車。すれ違う大分行き普通列車は、やはり乗客で混雑していました。昼間は本数の少ないローカル路線でも、都市近郊期間はラッシュ時間帯の本数や両数を増やして通勤通学客に対応しているのはよく見かけます。鉄道を普段の足として使う人はまだまだ多いとは思うのですが、その分、乗客の少ない区間はどうしても本数が減ってしまうのは仕方のないことなのでしょうね。

そんな都市近郊区間も最初の停車駅、中判田まで。ここから大野川と並行する山あい路線となります。
そして、この時季恒例の、木の葉が列車の車体に当たる「バサバサッ」という音が聞こえるようになります。しかし、いつも思うのですが、木の葉っぱとはいえ、これだけ高速で車体に当たっていると、塗装などが剥げてきたりしないのでしょうか。

豊後清川駅を通過します。割とゆっくり目に通過するので駅の様子もよくわかりますが、古くて小さいながらもホームや駅舎などがキチンと手入れされているのが印象的でした。駅員はいませんが、いわゆる簡易委託駅で完全に無人駅ではない感じ。きっといつも管理してくれる人がいるのでしょう。ほかの駅も、総じて手入れが行き届いた駅が続く豊肥線です。

その豊後清川駅から、並行する川はさらに支流の緒方川に代わります。この時季、車窓から清流を眺めているだけでも涼しげです。

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駅や車窓からも見ることができる滝として有名な「落門の滝」が見えてきました。ということで、豊後竹田駅に到着です。

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豊後竹田駅も、前回街歩きで訪れて以来、10年ぶりになります。
以前訪れた時は、周辺の豪雨の影響で、豊肥線はこの豊後竹田から先が不通になっていました。鉄道は、比較的災害に強い交通手段、とも言われますが、あまりにも激しい豪雨が続くとやはり、なすすべもないもので、逆によくぞ復旧してくれた、と感謝してしまいます。

豊後竹田駅を出発すると再び山あいに。豊後荻駅を過ぎてからは、トンネル区間のほかは見通しの悪い林や鬱蒼とした草の生い茂る谷あいの原野が続きます。
人家はもとより田畑もなく、人工物といえばトンネルと線路沿いの鉄道関連設備のほかには何もありません。そんな中を列車がディーゼル音を震わせて走ります。

県境を過ぎたあたりからでしょうか、ディーゼル音が目立たなくなって軽い感じの走行音に変わります。どうやら下り勾配に入った模様。

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木々の間から、時折このように平地を見下ろすことができるようになりました。いわゆる「阿蘇カルデラ」で向こうには外輪山が見えます。こうしてみるとかなり高いところまで登った感じです。

そのまま滑り降りるように宮地駅、そして次の阿蘇駅(トップ写真)に到着。
阿蘇駅で、大分から乗ってきた外国人グループ客はみな、降りていきます。

ここでは6分間停車する、ということで私もホームに降りて屈伸運動。

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左手に阿蘇山の雄姿を望むことができます。
駅前では、熊本地震の復興プロジェクトとして設置されたアニメ「ワンピース」の登場人物「ウソップ」の像の前で、観光客たちが喜んで写真を撮り合っていました。

さきほど降りた乗客と入れ替わりに、阿蘇駅からも同じくらいの数の外国人観光客が乗り込んできて発車。

豊肥線の見どころはまだ続きます。
阿蘇駅を発車し、しばらくたつと再びカルデラの輪郭部分を上り下りします。

赤水駅に到着。
ここで、熊本からやってきた特急「あそぼーい」とすれ違います。
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実は、この行程を考えた時に、反対側の熊本からこの「あそぼーい」に乗っていくことも検討しました。しかし、全車指定席で満席、ということで、大分側からやってくる行程に変更しています。

車内は確かに満席。向こうの窓からも、子供たちがこちらを見て写真を撮ったりしています。
こうしてみるとやはり、ボックスシートや親子専用シートなどのある車両が連結されている「あそぼーい」は、どちらかというとグループやファミリー向けのD&S列車で、私のような1人旅には、こちらの九州横断特急の方が似合っているのかもしれません。

赤水駅を過ぎると、雄大な新阿蘇大橋が左手に、そして車内には立野駅のスイッチバックの説明と進行方向が一旦逆になる旨の案内放送が流れます。
注目していると、徐行からゆっくりと停止。少し経つと運転士さんが客席の通路を通って反対側の運転席に移動していきます。
やがて逆方向にゆっくり動き始め、車窓では今走ってきた線路がやがて木々の間に消えていくと、立野駅の構内に入ります。構内は割と広く、何本もの線路が走っていました。

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ここから分岐する南阿蘇鉄道のトロッコ列車も発車準備中。

立野駅のホームには何人もの観光客がいて写真を撮っています。この列車の乗客ではなく、トロッコ列車に乗る乗客のようです。
その中を、運転士さんが今度はホームを歩いて、再び元の運転席に戻っていきました。

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豪雨だけでなく、熊本地震でもこのあたりの鉄道は大きな被害を受けました。線路沿いにはまだ新しいのり面が続き、それが逆に復旧の大変さを伝えてくれます。

立野駅を過ぎるとやがて平野部に、肥後大津駅あたりからは、今度は熊本市の近郊区間に入ります。
ふたたびすれ違いや発車待ちの普通列車が増え、そこに乗っている乗客も普段着の地元の人たちが中心になってきます。

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そんな中でも、光の森駅では、こちらもD&S列車、宮地行き「かわせみ やませみ」とすれ違います。
やはりJR九州はD&S列車の宝庫、なかなか退屈しません。

やがて車窓にも住宅だけでなく、ビルや大通りなども目立つようになり…
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11時22分、熊本駅のホームに滑り込みました。

大分から3時間余りの九州横断の旅、予想以上の車窓の変化と行き交う列車に興味が尽きず、あっという間の楽しい旅でした。

この先の目的地に向かうために、大分を経由せずに直接熊本に向かうことも考えたのですが、わざわざ大分に泊まってでも豊肥線に乗る価値は十分にありました。

…ということで、熊本までやってきたのですが、ここからどこに向かうか…

その3 に続きます。

Posted at 2023/08/20 15:20:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2023年05月01日 イイね!

【2023年春 遠征記その6】因美線~津山線~赤穂線 そして帰路へ

【2023年春 遠征記その6】因美線~津山線~赤穂線 そして帰路へその5 からの続きです。
今回のお話は、いつも以上にテキスト文が中心になりますこと、ご了承ください。

智頭の街を後にして、再び乗り鉄しながら帰路につきます。帰路のルートは智頭急行が一番近道ですが、以前乗ったことがあるので、ここは未乗の因美線で津山まで向かいます。


ちなみに、今回の帰路の乗車券は前日に鳥取駅で購入しました。その時の様子をお話しするのを忘れていましたので、ここで一旦、話を戻したいと思います。

翌日の朝は時間がない、ということで、前日、鳥取駅に降り立ったその足で「みどりの窓口」に向かいました。
最近ではたいていの乗車券や特急券、指定券などは「みどりの券売機(自販機)」で購入できますので、最初はそちらで試しますが、私の求める経路は出ません。案内役の係員さんがいたので聞いたところ、その経路なら係員の居る窓口に行ってください、とのこと。
窓口は1か所しかなく、すでに数人並んでいますので最後尾に並ぶことに。

そのおじさんが現れたのは、私が案内の係員さんに聞いているときでした。彼も最初は券売機で買おうとして係員とやりとりしていましたが買えなかったらしく、同じように窓口に並びます。

その後、列は進みますが、私のすぐ前のお客さんのところで、若干、時間がかかっています。
その時の、後ろのおじさんと案内役の係員さんの会話。
おじさん「窓口は増やせないのかね」
係員「すみません、前は他にもあったのですが、コロナでお客さんが減った時に窓口も減らしてしまいまして・・・」
おじさん、明らかに私の前の客が時間がかかっていることに焦れている様子。
・・・かと言って先に譲るほどでもなさそう・・・(係員との会話から、緊急を要するような用件ではなさそうなのは推測できましたので)

ようやく、前のお客さんが終わりそうなとき、すぐ後ろに並んだ別のお客さんに「まだ時間がかかりそうだよ」と話す声が聞こえてきます。

さっきの私と係員さんとの話から、私も「時間のかかる客」と認定された様子・・・ならば、その予想を良い意味で覆してあげましょう、とちょっと気合が入ります。できる限り話を頭の中で何とかまとめ、窓口の係員さんにテンポよく伝えます。
係員さんもちゃんと汲み取ってくれて、1分かからずに乗車券を発券、購入できました。1人勝手に気合を入れていましたが、果たして、おじさんの期待に応えることができたのでしょうか・・・。

話を元に戻します。

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因美線、津山行き智頭駅ホームに入線してきました。特急列車はすべて智頭急行線の方に向かい、因美線を通して走るのは基本的に普通列車のみ。午後は平均すると2時間に1本ほどの運行本数ですが、なぜか午前中の本数は少なく、8時17分発の次がこの12時54分発です。ロングシートとクロスシートが半分ずつの車両で、以前、伯備線の各駅停車に乗った時と同じ車両のようです。

発車するとすぐに智頭急行線と別れ、あとは単線の線路が続きます。
座っていても前の様子はよくわかるのですが、見ていると25㎞/h制限の標識がかなり頻繁に現れます。
当然のごとく列車はそのたびに減速、解除標識が現れると加速、を繰り返します。そこまで大きなカーブがなくても制限が続くので不思議に思い、帰宅後調べたところ、落石防止のため、とのことでした。

こちらも若桜鉄道と同じく、途中には趣のある駅舎のある駅が多いです。
また、前日乗った山陰線にあったような、駅の周りには何もない「秘境駅」があることでも知られています。
美作河井駅には古い転車台も残されていますが、リサーチ不足でそれを知ったのは帰宅後…反対方向に座っていたので見ることができず残念・・・。
運行本数が少ないのでなかなか難しいのですが、各駅をじっくり巡る価値のある路線です。

そんな駅でも乗車する客がいます。中には、乗車してすぐ次の駅で降りるお客さんも。1日7~8本の運行本数で、器用に鉄道を利用できるものだ、と感心してしまいます。

高野駅を過ぎると住宅地が増え始め、やがて左側から姫新線の線路が近づいてきて東津山。そして14時03分、終点の津山駅に到着します(トップ写真)

ここでの乗り換え時間は約30分、いったん改札を出ます。

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津山は10数年前に街歩きして以来、2回目。
時間がないので駅前周辺の散策にとどめます。

津山駅は、今乗ってきた因美線のほか、姫新線と津山線、全4方向からの鉄道が交差する鉄道の要衝です。

とはいえ、今や4方向とも通常は特急、急行列車が走ることはありません。関西方面や岡山方面は、高速バスが結んでいます。
前回訪れた時から様変わりして駅前には大きなバスターミナルも設けられていました。

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そんなバスターミナルの片隅に「C11」蒸気機関車が保存されています。

しかし、鉄道要衝という事実は変わりなく、近くには構内の扇形機関庫を中心とした鉄道博物館があります。
改札前にある鉄道博物館の案内図の前で、1本遅らせて立ち寄ろうかどうしようか、しばし考えたのですが、今度ゆっくりと訪れることにして、今回は最初の予定通りに。

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津山線岡山行きのキハ40系はすでに入線していました。
ボックス席に座って発車を待ちます。

その間にも、頻繁に列車の到着、出発を告げるアナウンスが流れ、ホームや待避線を列車が行き交います。1路線当たりの本数はそこまで多くないのですが、それでも4方向からの路線が集中すると結構慌ただしい感じ。昔はもっと乗客も多く、それこそ大賑わいの駅構内だったことでしょう。

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ホームの柱といい、レトロチックな雰囲気の駅はほっ、とします。

定刻に発車。2両編成の列車は各BOX席に乗客1組ずつ、といった感じ。
車窓は先ほどの因美線にくらべると人家もあり、並行するR53も交通量があってロードサイドにお店も点在していて明るい感じ。途中からは、中国山地に端を発して岡山市内まで流れる旭川も一緒になります。

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とある駅では、大きな亀が駅舎に・・・
駅の名は「亀甲」その名の通り亀の甲羅をそのまま駅舎にしています。

野々口駅でR53とは別れますが、旭川はずっと線路に平行します。蛇行する川に合わせてか津山線もほとんどトンネルを介さず、忠実に寄り添っていきました。

備前原駅を過ぎると岡山市街地の様相、そして終着の岡山駅に到着。

この先もまだまだ鈍行列車を乗り継ぎます。今回はまだ未乗の赤穂線を経由することに。
この赤穂線経由の乗車券にしたことが、↑の通り前日に乗車券を窓口でしか購入できなかった所以です。

30分ほどの乗り換え時間がありますので、少しだけ改札を出ます。
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これまでとは様相ががらりと変わり、岡山駅前は都会そのものでした。
駅ビルには新しい雑貨店や洋服店が並び、全国チェーンのよく知っている飲食店も。
ほんの数時間前までは静かな街歩きや誰もいない駅を見てきた目には、賑やかさに慣れるのに時間がかかるくらいです。

ホームに戻り、赤穂線播州赤穂行き列車を待ちます。
既に夕刻近くで、今はちょうど学生の帰宅のラッシュ。ホームの列車を待つ列も学生が目立ちます。
やがて向かいのホームに停車していた列車が発車。動き出した車内から男子高校生のグループが盛んに手を振っています。こちらのホームに並んでいる同じ学校らしき女子高校生グループに手を振っている様子。
手を振られた女子高校生たちも気づいていますが、はしゃぐ男子たちとは対照的に極めて冷めていて、仕方なくという感じで1人がちょっと手を動かしただけでした。

そんな対比を面白く眺めているうちに、播州赤穂行き列車が到着。4両編成の座席はすぐに埋まりました。

夕方の備前路を走ります。東岡山から赤穂線に入り、大多羅、西大寺、大富、邑久と、駅に着くたびにまとまった数の乗客が降りるも、乗車する客もいてまだまだ車内は混雑。

山陽本線よりは海側を走る赤穂線ですが、このあたりはまだ点在する低い山が見えるほかは住宅地と田園がかわるがわる現れます。しかし、これまで乗ってきた沿線と比べると平地が広々としている様子。

備前市の中心駅、備前片上を過ぎても岡山から乗り込んだらしき通学客はまだまだいます。通学客が見当たらなくなったのは、日生駅を過ぎたころ、もう兵庫県との県境は目の前です。

日生の街は、かつて名物「カキおこ」を食べに訪れたことがあります。日生港あたりをあちこち回ったのですが、車内から見ていてもその時に通った個所を見ることはできました。
港がある、ということで、赤穂線もようやく海沿いに出ることになります。

日生駅の次の寒河駅を過ぎると兵庫県に入ります。
しかし、その次の駅は備前福河駅。あれ?兵庫県なのに備前国?
まさにその通りで、旧国名だと備前国に属するのですが、越県合併により今は赤穂市に編入されているとのこと。

17時44分、播州赤穂駅に到着。ここまで、なかなか見どころのある赤穂線の旅でした。

播州赤穂は、関西を縦断する新快速の始発駅。後は最短、米原で乗り換えるだけで帰宅できます。まだ4時間ほどはゆうにかかるのですが、これまでよりも気分的には少し日常が近づいてきているような感覚があります。
ということは、今回の遠征の「〆」も近い、ということで・・・長きにわたった今回の遠征記、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

このときもすぐの接続で長浜行きの新快速に乗り継ぎます。しかし、米原到着は21時前、その時間だと駅弁もなく、夕飯を食いっぱぐれる可能性大。
ということで姫路駅で一旦下車して夕飯にします。

ここではもちろん・・・
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「えきそば」。天ぷら入りを大盛りで!

温かくて、そして美味しい「えきそば」・・・今回の旅もきれいに締めることができました。
Posted at 2023/05/20 23:20:51 | コメント(2) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2023年05月01日 イイね!

【2023年春 遠征記その4】若桜鉄道と若桜散歩

【2023年春 遠征記その4】若桜鉄道と若桜散歩その3 からの続きです。

翌朝、鳥取市内の宿で気持ちよく目が覚めます。

今日はいい天気。宿の朝食を食堂オープンとともにいただき、朝7時にチェックアウト。駅へと向かいます。

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朝の鳥取駅前。清々しい青空と、新鮮な空気がたまりません。
外はほぼマスク無しで、新鮮な空気を思いきり味わうことができるようになったのはうれしいことです。

この日、まず乗り込むのは因美線、智頭行き。

2-2
ホームへ。
目指す列車はまだ入線していませんが、乗客の列はできていました。すべて、制服姿の高校生です。

今日は平日、普通に学校の授業がある日でこの時間ですから、通学客が多くなるのはうなずけます。
そうこうするうちに列車が入線。4両編成のディーゼルカーは、徐々に高校生でうまります。私も端っこにちょこん、と座らせてもらうのですが、後から後から、どんどんと高校生が乗り込んできてやがて座席はいっぱいに。
しかし、私の座る隣だけ誰も座ろうとしません。いつも見かけないおじさんが1人だけいるところには座りずらいのでしょう・・・何となく視線も感じられて、かなり肩身が狭いのですが、そのうちに勇気ある(?)男子高校生が、仲間と顔を見合わせながら、そっと私の隣に座りました。
ちょっとだけ安心。
「オッス!」「オッス!」(おはようございます)・・・部活の先輩に元気よく挨拶する声もあちこちで響きます。

こんな感じで、ほぼ99%が学生の列車は定刻に発車。
鳥取市街の住宅地を抜けると高架から地上に降りて、田園と住宅が混在する中を走り抜けます。
津ノ井、東郡家と停車し、15分ほどで郡家駅に到着。
この駅で高校生たちの波が大きく3つに分かれます。

まず3分の2ほどの高校生がホームに降ります。車内に残った3分の1ほどの高校生はそのまま智頭方面へと向かいます。おそらく通う学校が違うのでしょう。
そして、下車した高校生のうち約半分はそのまま改札を通って駅の外へ。そして残った高校生は、ここから分岐する若桜鉄道の若桜行きに乗り換えていきます。

私はというと、若桜行きへ乗り換えるのですが、その前に手持ちの乗車券だと区間外になるので郡家で若桜までの乗車券を買おうと改札の外に出ます。
しかし、若桜鉄道の乗車券は車内で購入するようで、そのまま改札を出る高校生と逆流するようにホームに引き返し、若桜行きの2両編成の列車に乗り込むことに。

2-3
発車を待つ若桜行き。車内はすでに高校生で満員で、立つスペースを見つけるにも苦労するくらいでした。
郡家駅を発車し、次の八頭高校前駅で高校生たちは全員下車していきます。

残ったのは私と乗務員さん、ほかに1人か2人くらいいたでしょうか。

普段はワンマン運転ですが、朝のあのラッシュでは確かに運転士さんだけではさばききれないでしょうから、車掌さんが乗務しています。
車内が空いたところで、その車掌さんから乗車券を買い求めます。
郡家~若桜の往復、と告げると、往復でしたら1日乗車券の方がお得です、とのことで1日乗車券を購入。これだと、後で記念にもなりますし、私としても非常にありがたいです。

私が乗り込んだ若桜鉄道は、旧JR若桜線が第三セクターとなって存続したもので、終点の若桜駅までを結びます。さきほどの因美線やこの若桜鉄道からしたら、このように利用してくれる高校生は大事なお客さんなのでしょう。

郡家駅から若桜駅まで8つの駅がありますが、簡易的な造りの八頭高校前駅以外はどの駅も趣があります。

2-3-1
八東駅。石積みホームの向こうに、貨物室と車掌室が合体した貨車が保存されています。
駅舎は撮れなかったのですが、石積みのホームとともに、国の登録文化財指定を受けているそうです。

2-6-6
丹比駅(帰路に撮影)。
こちらも文化財登録されているそう。

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徳丸駅(同じく帰路に撮影)。若桜鉄道の中では比較的最近設立された駅ですが、木の壁や照明等、趣向を凝らしたものになっています。

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安部駅(同じく帰路に撮影)。
映画「男はつらいよ」のロケ地にもなった駅舎。駅名標は、ほかの駅もそうですが往時の国鉄のままです。

このように、停まる駅停まる駅、下車したい駅がたくさんあって、乗っていても全く退屈はしません。駅と駅の間はのどかな田園風景。小さい川が流れ、春の花が咲いていて、まさに童謡「春の小川」の世界です。

体感時間は非常に早く、あっという間に終着駅の若桜駅に到着します。
もちろんこちらの駅舎も立派な駅舎です(トップ写真)。

若桜駅を訪れたのは、この駅舎を見ることと、市内の街歩き。まずは、観光案内所でマップをいただいて街歩き開始。
若桜駅のある若桜町は、戦国時代までは若桜鬼ヶ城の城下町として、江戸時代からは鳥取と姫路を結ぶ若桜宿の宿場町として栄えた街で、今でも旧街道沿いに伝統的建造物保存地区が広がっています。

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まずは駅前通りから「かりや通り」を散策。

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「かりや」とは、1階の庇部分を伸ばして雨や雪を避けて通行できるようにした造りのことです。
そんな、「かりや」のある家屋が、一般の民家やお店として並んでいます。

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水路が通っていて、街を歩いているとずっと水の流れる音が聞こえてくるのも、若桜の街の特徴でしょう。

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若桜橋までやってきました。
国の登録有形文化財で、昭和9年に作られた鉄筋コンクリート製のアーチ橋です。

ここから引き返して駅方面に戻ります。帰りは「かりや通り」に平行する「蔵通り」を歩きます。

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さきほどはクルマの通りも頻繁にあったのですが、こちらはうって変わって静かそのもの。
蔵が連なって並ぶさまは壮観です。

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休憩交流処「かりや」。「かりや」のある代表的な造りです。

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駅前通りに戻ります。

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折り返しの列車の出発までの間は、駅舎を見ながら過ごすことに。

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駅舎内の待合室、そして改札口。

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カフェも併設されています。

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静かな駅前に佇んでいると、時が止まったかのよう・・・そのうちに、遠くからディーゼル音が近づいてきました。折り返し列車の到着です。

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折り返しの鳥取行きに乗車します。先ほどはラッシュ時対応で2両だったのですが、今は1両のみとなっていました。

車内は他に乗客が数人。
再び趣のある途中駅に見入っているうちに、郡家駅に到着。ここで乗り換えます。
ここからはまた一区間だけ特急に乗車するので、まずは駅で特急券を購入してホームに戻ります。

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郡家駅ホームにて、左側が今乗ってきた列車、右が若桜行き。

こちらの若桜行き、車体に大きく「隼」の字体がデザインされています。
若桜鉄道の途中駅で「隼」駅があり、そこにちなんでいますが、よく見ると、
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車体には、スズキの1300㏄バイク「隼」が・・・!
スズキと協賛しての車体デザインなのですね。

まもなく、その若桜行き「隼」が発車していきます。
そして、発車した後のホームに、次に乗る岡山行き特急「スーパーはくと」が到着しました。

その5 に続きます。

Posted at 2023/05/07 20:07:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2023年04月30日 イイね!

【2023年春 遠征記その2】山陰海岸鉄旅

【2023年春 遠征記その2】山陰海岸鉄旅その1 からの続きです。

豊岡駅に到着したのは15時30分過ぎ。
この日は朝の敦賀駅でうどんを食べて以来、何も食べていません。ここでの乗り換え時間は30分あまり。何か少しでも食べることができたら、ということで駅前に出ます。

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駅前には商業施設もあり、なにがしかありそうな雰囲気ではありますが、30分となると、お店によっては微妙な時間。

散策も兼ねて駅前通りを歩きます。
もう少し時間があったら入ってみたいお店があるにはあったのですが、結局そのまま駅に戻ることに。

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これから乗る列車は、16時07分発の鳥取行き各駅停車。
私にとってJRの各駅停車ディーゼルカーといえば、のタラコ色キハ40系(キハ47)。
車内も4人掛けボックス席、やはり、鉄道の旅といえばこれですね。

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昼食代わりに買ったペットボトルの飲み物を手にボックス席へ。やはりここでも、海が見える進行方向右側に陣取ります。
定刻、ディーゼル音を響かせながら豊岡駅を出発。
車内は5~6割の乗車率。地元の人らしきお年寄りから、中高生くらいの若い子のグループ、そして外国人観光客まで、幅広い客層です。

2駅先の城崎温泉駅、言わずと知れた城崎温泉の最寄り駅ですが、乗ってきた乗客は品の良さそうな老婦人が1人…観光客はやはり、車か直通の特急列車でやってくるのでしょうか。
浴衣姿でそぞろ歩きする人や、温泉街の中心である南柳通りあたりを少しだけ目にすることができて、少しだけ城崎温泉を感じます。

合間に日本海が見えるようになり、やがて山陰本線屈指の絶景、鎧駅~餘部駅に差し掛かります。

鎧駅はホームのある高台から海を見下ろすことができる駅。

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鎧駅停車中に1枚。

そして、トンネルを抜けると、
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餘部橋梁付近から。

餘部橋梁は、車では数回訪れたことがあるのですが、鉄道で渡るのは初めて。
いつ渡るいつ渡る? と窓から目をこらしていたのですが、2代目のコンクリート橋は鉄橋のような走行音もなく、気づかないうちに渡っていました。できれば初代の鉄橋を一度渡ってみたかったところです・・・

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餘部駅に到着。線路と並行して旧橋梁の橋脚を使った遊歩道「空の駅」が設けられています。私もかつてドライブで訪れた時に、ここを歩いたことがあります。

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駅に佇んでいる遊歩道散策の人と微妙に目が合い、ちょっと気恥ずかしい餘部駅を発車。

高い所から下って、浜坂駅に到着します。
主に、鳥取からの各駅停車列車が折り返す駅で、駅舎側に1面と反対側に島式ホームもある比較的大きな駅。
ここで25分の停車。

山陰本線のような、長大幹線を走る列車の長時間停車は、結構好きだったりします。しかも今回はキハ40系のボックス席…否が応でも、古き良き鉄道旅行の趣きを感じることができて、時が舞い戻った感覚です。

まずはホームに降りてストレッチ体操。ここまで乗りっぱなしで硬くなった身体をほぐします。(トップ写真はその時に撮った一枚)
こう言う時に駅弁売りの人とかいたら最高ですが…ただしこれは、昔の風情を味わうというより、今が最高に空腹、と言うことで(笑)

時間はまだまだありますので駅前まで出ます。
無人駅ですから窓口は閉ざされていますが、私は岐阜からの通しの乗車券があるので、そのまま途中下車として駅前に。

ここ、浜坂駅は「湯村温泉」の玄関駅ということで、駅から真っ直ぐ伸びる道の入り口には歓迎アーチもあります。

一人客の多い車内ですが、他の乗客も、三々五々、ホームや駅構内で佇んでいて、車内は至って静かでした。

発車少し前にアナウンスが流れ、あちこちにいた乗客もまた自分の座席に戻ってきます。16時45分、定刻に出発進行。
次の諸寄駅から先は、少し高台から眺める海とトンネルが連続。
今が旬なのでしょうか、山あいになるとあちこちでヤマフジの花が咲いていて、文字通りの藤色が車窓に彩りを添えてくれます。

次の居組駅は、そんな山あいの中にある駅。
ホームと簡素な待合室がありますが、周りに人家が見当たりません。駅への連絡路はというと、草の茂った細い道が一本あり、それが谷あいに消えていきます。

このあたりの山陰線に、これだけ何もない駅があったんだ、と深く印象に残り、帰ってから調べたところ、やはり「秘境駅」として知られているとのことでした。

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駅に停まり、トンネルを抜け、ヤマフジを眺めつつ、そして山陰の海・・・変化に富んだ車窓を静かな車内から眺め続ける、これが鉄旅の醍醐味です。

とある小さな駅で老齢の男性が列車の到着を待っていました。
乗客かと思いきや、さきほど城崎温泉駅から乗り込んできた老婦人が降りると、夕暮れ時のホームを連れ立って、出口へと歩いていきます。
そんな姿に、お2人の仲を感じられてこちらもほのぼのとした気持ちになります。

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素敵なイラストが描かれている駅舎も。

やがて、鳥取市街地が近づいてきたようで、あたりは住宅やお店が増え始め、線路も高架になります。

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こうして、長かった1日が暮れようとしています。

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18時35分、終着駅の鳥取駅に到着。豊岡を出て2時間半、自宅からですと10時間余りの行程でした(^^♪

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本日の宿泊地は、こちら鳥取市になります。
駅構内は賑わっていました。連休中ということでしょうか、大きな荷物を持ったファミリーや、私のような1人旅風情の人も多く見かけます。

お土産屋さんや、夕食処をチェックしつつ、まずは宿へと向かうのでした。

その3 に続きます。




Posted at 2023/05/07 13:31:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記

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