ホームからは、姫路城の姿も。
岡山から先は「のぞみ」指定席を購入していたので、ここから岡山までは自由席で移動し、岡山でその「のぞみ」に乗り換える予定。
しかし、この日は帰省客の混雑で乗降に時間がかかっているということもあってか、新幹線は若干遅れ気味。
先に来た岡山行の「ひかり」は数分遅れで到着。通常ならこれに乗っても間に合い、車内も空いていましたが、途中の相生で2本抜かれることになるので、乗り継ぎ時間がちょっと気になります。結局その「ひかり」はやり過ごし…次に来た鹿児島中央行「さくら」も、こちらの自由席はデッキまで一杯だったのでやり過ごし、結局その後の広島行「のぞみ」に乗り込みます。こちらも自由席は満席でしたが、デッキは余裕があったので岡山までをここで過ごしました。
岡山駅ホームも大混雑、ラッシュ時並みのように次から次へと到着する新幹線から降り立った乗客が、波のように出口に向けて移動しています。
そんな波を避けるようにベンチで座って佇んでいると、さきほどやり過ごし、途中で追い抜いた「ひかり」がやってきました。他の新幹線とは雰囲気が違い、乗客の少ない車内でのんびりゆったりとしています。
その後すぐのタイミングで、私の乗る博多行「のぞみ」が、やはり少し遅れてやってきました。
そのまま一気に博多まで駆け抜けます。乗り込んだときはほぼ満席だった車内も途中駅で少しずつ少なくなり、到着するころには半分くらいになっていました。
16時過ぎ、博多駅に到着。博多の駅前に降り立つのは10数年ぶりです。改装されて綺麗になった構内は、やはりこちらも人でごった返していました。
駅前を少し散策したかったのですが、目的地に着くのが遅くなりそうなので、少し構内を巡った後、鹿児島線下り列車に乗り換えます。
やって来た鳥栖行快速は、博多駅が始発。ホームで少し待ち、到着した列車に乗り込みます。
知らない駅で始発の列車に乗り込むと、たまにどちらに進むのかわからなくなる時がありますね。
ここでも、前に乗り込んだ乗客がクロスシートの向きを換えて座ったので、私もそれに倣って向きを換えようとしたところ、後に来た乗客が怪訝そうな表情。どうやら進行方向は向きを換えなくていいようです。
しかし、その後から乗り込んでくる乗客もシートの向きを換えたり換えなかったり様々…発車するころには、乗客の向きがバラバラで、少し珍妙な光景でした。
そんな、向きがバラバラの客を乗せた列車は、博多の街を抜け、郊外を快走します。
少し日の傾いた中、ボーッと流れる風景を眺めていると、やがて終点の鳥栖駅に到着。
ここでのおめあては、駅のホームにある「中央軒」さんの「かしわうどん」。10数年ぶりにいただくことを楽しみにしていました。
知る人ぞ知る有名な駅ホームの立ち食い店ですが、到着したホームのお店は真っ暗。
もしかしてすでに営業終了時間? と一瞬がっかりしたのですが、張り紙を見ると別のホームで営業中、とのこと。
地下道を渡って移動、ホームに上がると、明々と灯りがともっているお店が目にはいりました。
九州で最初に立ち食いうどんを提供した、と言われる鳥栖駅のお店。そば、うどんのほかにも、お弁当やお土産が軒先にいろいろと積まれていて、こちらもおいしそうです。
お店は明るいのですがお客はほかにおらず、奥にいたおじさんに声をかけて注文。
「かしわうどん」
ここでは、いわゆる「かけそば」「かけうどん」というメニューはなく、この「かしわそば、うどん」が基本になり、そこにてんぷらなどの具を別で載せることができます。
(特別に言えばかしわ無しにもできるようです)
そぼろ状態のかしわは味が沁みていて、薄口のつゆも風味豊か。そして、少し柔らかめのうどんののど越しがまた良い! 少し冷えてきた空気の中すする熱いうどんは、また格別。
おつゆも全部、飲み干します。
乗り換え列車がやってくるまでホームで佇みます。九州の鉄道の要衝となった鳥栖駅。SLも静態保存されています。
その右手にはJリーグ サガン鳥栖のホームスタジアム「駅前不動産スタジアム」。
10数年前に鳥栖を訪れたのは、ここまでJリーグのアウェイ観戦に来たためでした。
長崎線、江北行の普通列車に乗ります。
さきほどうどんを食べていた時にはまだ明るかった周辺も、ここにきて急速に暗くなっていきました。真っ暗な中を出発。
車内は、少し立ち客もいるくらいの混雑。暗くなった途中駅に到着するたびに、少しずつ乗客が降り立っていきます。
車内はいたって静か…列車の走行音だけが響いている中、真っ暗な車窓を眺めていると、突然おじさんの大きな声が。びっくりしてまわりの乗客が振り向きます。
「今は電車の中じゃけん、後からかけなおす!」
言葉、イントネーション、そして口調からも、九州に来たな、と実感します。
その一言の後は、また車内には静寂が…どことなく夜汽車の雰囲気の中、遺跡で有名な吉野ケ里公園駅を発車。
佐賀駅には、午後6時過ぎに到着しました。ここで乗客の大半が降ります。私もその中の1人に。
佐賀駅(トップ写真 人が多くて加工が大変なのでトリミングしています)。
本日の宿泊地です。
佐賀駅前。10年以上ぶりの訪問になります。
まずは宿にチェックイン後、夕食と夜の街歩きへ。
さきほどうどんをいただいたのですが、まだお腹は余裕。さて、何をいただこうか…佐賀といえば呼子のイカが有名で、謳ったお店も何軒かあって魅力的なのですが、私は腸の病の関係で、イカは食べられません。
佐賀城方面への大通りを歩いていると、カレー専門店がありました。「おすすめ 佐賀牛カレー」に惹かれて店内へ。
カウンターに腰を落ち着けて、佐賀牛カレーとビールを注文します。
先に出された瓶ビールを味わいながら、カレーを待ちます。
注文の電話が時折鳴っては店主が注文を聞き、そしてデリバリーサービスの若者がやってきては出来た注文品を受け取り、また街の中へと消えていきます。
コロナ禍を経て大きく変化したものとしては、冒頭のテレワークもですが、このような料理のデリバリーもごく普通になりつつあるのでしょうね。
やってきた佐賀牛カレーとライス。中辛にしたのですが、辛さが絶妙で、スパイスも複雑に絡み合い、美味しいルーです。そして佐賀牛はどこまでも柔らかく・・・とても調和のとれたビーフカレーで、大変おいしくいただけました。
佐賀に来たらビーフカレーですね!(笑)
お客は、他には後からやってきた若いカップル一組のみ。デリバリーの注文で忙しそうな店主を横目に、ビールで佐賀牛とカレーをゆっくりと味わったのでした。
お店を後にして、夜の散策。
通りはイルミネーションが華やかです。
唐人町方向へ。道沿いには地元出身の偉人の銅像をあちこちに目にします。
ここからは、街路樹のイルミネーションもさらに華やかに。
市内を流れる松原川沿いに歩みを進めます。
松原川沿いに生息している「カッパ」。こちらは長女の「みどり」さん
一本入った路地を、駅方向に戻ります。 忘年会でしょうか、何組かのグループが賑やかに行き交います。
お店が立ち並ぶ、というよりは、隠れ家的ないい感じの飲食店や雑貨店などが点在する、という街並みでしょうか。こういう通りを「どんなお店があるのか」探検しながら歩くのは大好きです。