本日は3月28日に約6年ぶりのフルモデルチェンジが発表され、発売が開始された三菱ek X(クロス)に試乗しました。試乗グレードはターボエンジンを搭載した最上級グレード、T(FF・1,636,200円)になります。
【エクステリア】
フロント ボディカラーはサンシャインオレンジメタリック
リヤ
このクルマの最大の特徴は何と言ってもこのフロントフェイスでしょう。このダイナミックシールドと呼ばれるフロントフェイスを軽ハイトワゴンのボディにドッキングさせたことは大きな英断だと思いました。実際、日産ブランドで販売されるデイズ/デイズ ハイウェイスターやekワゴンは個性の薄いフロントフェイスになるので、「差別化」という点では非常にイイのではないかと思いました。
また、三菱工場製ということで、塗装のクオリティを始めとした「外観品質」も高いところも評価したいポイントですね。
【インテリア】
ダッシュボード
インテリアについては、先代モデルと比較すると、少々「コストダウン」を感じる部分になりますね。特にダッシュボードの表面に使用されているプラスチックについては、クオリティがダウンしているなぁと感じます。
しかし、オプション装着されていた電動パーキングブレーキのスイッチのクリック感は普通乗用車である同社のエクリプス クロスと遜色はなく、高い質感となっているところから、総合的には圧倒的ではないけれど、ライバル車であるワゴンRやムーヴ、N-ONEよりもクオリティの高いインテリアかなぁと思います。
【シート】
フロントシート
リヤシート
ここもインテリア同様、コストダウンの影響を感じる部分になりますね。
フロントシートはムーヴのシートと比べると少しソフトな掛け心地になりますが、シートそのもののフィット感は高く、個人的にはなかなかいいシートであると思いますが、生地のクオリティが先代と比べるとダウンしていると感じますね。
リヤシートは、先代と比べると室内を広くしたにもかかわらず、シートは小型化され、分割スライド→一体スライドとグレードダウンし、かつフロアの位置に対してヒップポイントが低いこともあって、成人男性では「体育座り」を余儀なくされます。後述する乗り心地を考えると、自分では長時間座りたくないシートですね。本当に他の部分で優れたところが多いクルマなので、本当にこのリヤシートの出来が惜しいところです。
【エンジン・トランスミッション】
トランスミッションはCVTのみの設定
660CC直列3気筒DOHCターボエンジン(64PS/10.2kgf・m)とCVTの組み合わせになります。
先代モデルは三菱製でしたが、日産・ルノー製3気筒エンジンになりました。ターボエンジンということもありますが、このエンジンは静粛性が高くスムーズに走りますね。エンジン音が全くしないということではないのですが、加速中も音量・振動ともに高まることはなく、上記スペックの想像通りに加速していく印象です。本当、この静粛性の高さは80㎞/h以下ならば他の軽自動車よりも静かで、コンパクトカーのデミオに匹敵するような静かさに感じましたね。
【サスペンション・乗り心地】
装着されていたタイヤは165/55R15 ブリヂストン エコピアEP150
フロント・ストラット/リヤ・トーションビームで構成されるサスペンションは、マツダ デミオに似た硬さを持つ、回頭性よりも直進安定性を重視したセッティングになります。
正直、乗り心地については「硬い」と感じる人もいると思いますが、このフラット感を重視した乗り心地は個人的にはコンパクト・ハイブリッドカーのアクアよりも心地良く感じ、カーブを曲がる時のロールも背の高さの割に少ないことから、先述の静粛性の高さや室内の広さもあって、試乗中は軽自動車を運転していることを忘れてしまうほどでした。
惜しいなと思うのは、電動パワーステアリングがサスペンションセッティングに対してアシスト量過大で軽すぎることですね。もう少しアシスト量を絞って重くしたほうがこのサスペンションセッティングに合うような気がします。今後の改良に期待したいですね。
【総括】
今回のモデルチェンジでは、日産側の意見が先代モデルよりも反映された形となり、同一車線運転支援技術のMI-PIROTまでもオプションながら装着できるなど、先述のリヤシートも含めかなり「ユーザーの声」を反映したクルマになったのかなと感じました。
後席や電動パワーステアリングに改良の余地があるので、今後のブラッシュアップに期待したいところですね。
このブログの撮影機材
カメラ Panasonic LUMIX G8
レンズ Panasonic LUMIX G X VARIO 12-35/F2.8 ASPH. POWER O.I.S.
Posted at 2019/04/02 22:32:44 | |
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