本日は6月20日にフルモデルチェンジが発表され、9月14日に発売が開始されたフォレスターのハイブリッドモデルであるAdvance(3,099,600円)に試乗しました。先に結論から言ってしまえば、2,500CCガソリンモデルとは別次元の完成度の高さを感じる試乗となりました。
【エクステリア】
フロント ボディカラーはジャスパーグリーンメタリック
後述する内装の上質さ、パワートレーンの気持ち良さ、そして重厚かつキレのある旋回性能を思うと、このクルマの最大の泣き所は最も売れるアメリカ市場に照準を合わせたこのスタイリングかなと感じます。もともと十分な広さを持っていたにもかかわらず、ボディサイズが先代と比較して20㎜幅広く(全長4,625㎜×全幅1,815㎜×全高1,730㎜)なり、最小回転半径が0.1m大きく(旧5.3m→新5.4m)なってしまったことはこの日本市場では百害あって一利しかないと思えてなりません。
そしてスタイルも明確なコンセプトを持つマツダ CX-5やトヨタ ハリアーと比べると中途半端な印象で、私個人の意見としてはボディをデカくしたんだからもう少しスタイリッシュにならないかなと思ってしまいますね。今後の改良では全体的な印象を買えるのは難しいと思われるので、フロントグリルやランプのデザインがもう少し洗練されるといいかなと思います。
【インテリア】
ダッシュボード
今回の試乗車がオプションのブラウン本革シート仕様だったのですが、これは本当にイイですね。シートとドアトリム及びダッシュボードの一部などがブラウンカラーでコーディネートされるのですが、これによって上質感が一気にアップし華やかな印象になりますね。
欲を言えばステアリングのレザーが少しざらついたレザーが使用されていたので、ここは車両価格からしてもレヴォーグ1.6GT-S Eyesightと同様の高触感レザーを是非使用してほしいと思いました。
【シート】
フロントシート
リヤシート
今回の試乗の撮影では、このブラウン本革シートの良さをこのブログを読んでいただける方により伝えていけるよう、カメラをより高画質なLUMIX G9とLEICAレンズで撮影しました。
このブラウン本革シートですが、少し張りが強いかなと思うところもありますが、ファブリックシートと比較してやや硬めの掛け心地はなかなかのものかなと感じます。このブラウンカラーが座っていて不思議と気分が落ち着いて運転できるように感じましたね。
正直、ファブリックシートにもこのブラウンカラーが追加されないかなと思ってしまいます。
【エンジン・トランスミッション】
トランスミッションはCVTのみの設定
2,000CC水平対向4気筒DOHC直噴エンジン(最大出力145PS・最大トルク19.2kgf・m)+モーターのハイブリッドシステムとCVTの組み合わせになります。ハイブリッドシステムとしてはスズキのマイルドハイブリッドよりもストロングでホンダのハイブリッドよりもマイルドかなという印象です。
車両重量が2,500CCガソリンモデルと比較して110㎏重い1,640㎏となること、そしてエンジンの排気量が500CC少なくなることで2,500CCガソリンモデルのPremiumと比較してモッサリした印象になるのかなと想定していましたが、良い方向でその想定は完全に外れました。
発進から数秒はモーターのみで走行し、そこからすぐエンジンが掛かるのですが、組み合わされるCVTがなかなか賢く、エンジンが掛かり始めてからしばらくは2,500回転をキープしてくれるので、加速にモッサリした印象はなく、加速力はPremiumより少し劣るかなという程度で全く不満はありませんでした。
そしてエンジンが掛かってからの加速がアクセルペダルの踏み具合と見事にリンクしていて自分の思っているような走りをすることができ、その気持ち良さは2,500CCガソリンエンジンを上回るほどでした。おそらく、普通に走っていれば街乗りでリッター10㎞/ℓの燃費をキープしたうえで最大限走りに振ったチューニングをしたのかなと感じましたね。
正直言ってここまでの完成度は想定外であり、より車重の軽いXVにもこのハイブリッドシステムが搭載されるので、そちらにも是非乗ってみたいと思いましたね。
【サスペンション・乗り心地】
装着されていたタイヤは225/55R18 ブリヂストン デューラーH/P
フロント ストラット式・リヤ ダブルウィッシュボーン式で構成されるサスペンションはPremiumと同じサイズのタイヤを履いていながら、全く別物の印象でした。床下後部にバッテリーを配し重量配分が変わることと、車両重量が110㎏重くなることである程度ドッシリ感が増すことは想定していましたが、気持ち良さが全然違う。何故だろうと思っていたら、ハイブリッド車はリヤサスペンションにサポートサブフレームが追加されていました。
サスペンションのセッティングはPremiumと同様の硬めなセッティングであり、先代のターボモデルやCX-5に近い印象となるのですが、バッテリーを配置する後部を中心に110㎏の重量増加が良い方向に作用して、路面状態の悪い道路を通過した時のバタつきが半減しています。
また、この重量増加により乗り心地に重厚感が出てクルマの挙動に落ち着きが増し、かといってカーブを曲がる時にはサポートサブフレーム追加でより強固となったフロアによってタイヤの接地感が増したことでステアリングを切った時の反応も良くなっています。
直進時は高級車のような落ち着きがあり、カーブを走行する時はインプレッサのような小気味良さを味わえるこのハンドリングは運転していて本当に気持ちのいいものでした。
【総括】
ハイブリッドシステムと足回りの完成度の高さからして、Advanceは新型フォレスターのイチオシですね。運転していて本当に気持ち良かったです。どうせならもっとこの良さをわかってもらうために、18インチタイヤを装着したまま装備がTouringと同等の車両価格300万円を切ったグレードを登場させても良いのではと思ってしまいました。
正直言って「メチャメチャ良かった」です。セダンではないのですが、次期愛車候補にリストアップしたいと思わせるほどでした。
このブログの撮影機材
カメラ Panasonic LUMIX G9
レンズ Panasonic LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60㎜/F2.8-4.0 ASPH. /POWER O.I.S.
Posted at 2018/09/24 18:18:51 | |
トラックバック(0) |
試乗 | クルマ