本日は6月10日に発売が開始されたダイハツの新型軽SUV、タフトに試乗しました。試乗グレードはターボエンジンを搭載する最上級グレード、Gターボ(1,606,000円/CVT/FF)になります。
【エクステリア】
フロント ボディカラーはレイクブルーメタリック
サイド
このクルマの前身であるキャスト アクティバが販売の点でスズキ ハスラーに大きく水をあけられた結果もあり、スタイルからしてこのクルマははっきり言って「ダイハツ版 ハスラー」として登場しています。
個人的にハスラーと異なる点を挙げるとするならば、スタイルはハスラーよりもクロスカントリー寄りのデザインで、パッケージングもハスラーよりも空間効率を優先していないというところでしょうか。
私はこのクルマはサイドからリヤにかけてのデザインが好きです、しかしフロントマスクは中途半端な印象ですね。40年前に販売していた「タフト」のネーミングを使うのであれば、トヨタのFJクルーザーのような懐古調のジープスタイルのフロントマスクでも良かったのではと感じています。
【インテリア】
ダッシュボード
かつてのダイハツはスズキのライバル車に対して、「ちょっと高級感がある」インテリアで対抗していたように思いましたが、現行タントからは華美な装飾を廃したシンプルなインテリアとなっています。
オレンジ色のアクセントでSUVらしい遊び心を演出していますが、クオリティは軽自動車の平均レベルかなという感じで、特に不満はありません。
で、ハスラーに対するアドバンテージはというと、1点目は電動式パーキングブレーキの採用が挙げられます。この機構はスイッチ式で簡便に操作できるだけでなく、信号停止中の停止保持機能やレーダークルーズコントロールの停止保持機能付くなど、大変便利なものでダイハツ車としては初の装着になります。
2点目は静粛性の高さです。ターボエンジンによる消音効果もあるのかなと思いますが、コンパクトカーのトヨタ ヤリスやダイハツ ロッキーの1,000CC車と比較しても明らかに振動が少なくて静かに走ります。後述するしっかりとした足回りも相まってこの静粛性の高さにより試乗中は軽自動車を運転していることを忘れてしまうほどでした。
【シート】
フロントシート
リヤシート
このフロントシートですが、生地は異なりますが、どうもロッキーと同じシートが使われているようです。なので、軽自動車としてはサイズもたっぷりとしていてホールド性も良く、長距離ドライブも快適にできるシートになっているように感じました。
リヤシートはフロントシートにはかなわないですが、ムーブよりも掛け心地が良く、広すぎないちょうどいい空間もあってリヤシートもそこそこ快適に座っていることができそうです。
【エンジン・トランスミッション】
トランスミッションはCVTのみの設定
660CC直列3気筒DOHCターボエンジン(64PS/10.2kgf.m)とCVTの組み合わせになります。
率直な感想を言うと、久しぶりにラバーバンドフィールを感じました。「ウニョーン」と走り出したあとで「グォーン」と加速していく感じで、どうもダイハツはまだこの新エンジンと新型CVTのマッチングが上手くできていない印象を受けました。
ターボエンジンなので加速力は全く問題ありませんが、今後の改良でより最適なマッチングになって欲しいと感じます。
【サスペンション・乗り心地】
装着されていたタイヤは165/65R15 ヨコハマブルーアースFE AE30
フロント・ストラット式/リヤ・トーションビーム式で構成されるサスペンションはDNGAに基づき骨格が強化されていることもあってタイヤがしっかりと路面をつかむ感覚が感じられ、直進時には軽自動車のレベルを超える重厚感とカーブを曲がるときには最低地上高のが高めになるハンデを感じない軽快なハンドリングが両立されていました。
ハスラーとの違いを感じるのは重心の高さとフラットな乗り心地の部分で、タフトのほうが重心が低く、路面が荒れた道路を走行していても車体の揺れが少ないように感じました。
走りの部分で気になったのは電動パワーステアリングのフィーリングで、20㎞/h以下の走行域ではアシスト過剰のグニャグニャなフィーリングになってしまうところで、ここがもう少ししっかりとしていれば全く文句のない仕上がりとなっているので、今後の改良に期待したいところです。
【総括】
昭和の「アルトVS ミラ」、平成の「ワゴンR VS ムーブ」、そして令和の「ハスラー VS タフト」と時代を超えてスズキ VS ダイハツのライバル関係は続いているようです。
率直にタフトはいいクルマと思いました。今回はWRX S4でディーラーへ行き試乗したのですが、試乗していてもWRX S4に対して大きな落差を感じることはなく、このクルマ、本当に「欲しい」と自分で思ってしまうほどで、試乗中も「ヤバいな」とつぶやいてしまうほどでした。
奥様の次期愛車となるよう工作を進めようかな(笑)。
Posted at 2020/06/28 10:44:24 | |
トラックバック(0) |
試乗 | クルマ