秋の東北大遠征紅葉ドライブ&登山、早くも3日目です。
名古屋から約1000キロ移動するだけで終わった1日目、
天候不順で温泉と紅葉観光に徹した2日目、
そしてようやく本来の目的の1つでもある山登りが出来そうな3日目…
翌朝登頂予定の早池峰山の登山口から約40キロ離れた道の駅で車中泊でした。
翌朝、起きたら天気は回復していましたが、雲海の下にいるせいか少しガスってました。
日の出よりも早く起きて登山ウェアに着替えてまずは登山口へと出発します。
この道の駅もフツーに熊が出没しているらしく…ってか、今年の熊の行動力には感心します(汗
早池峰湖を過ぎるとお約束の離合困難な林道になりましたが、道路は綺麗に舗装されてます。
こういう道を当たり前のように長い距離走るのだから軽じゃないとストレスになるんですよね。
あと、落石とか枯れ枝がバンバンひっかかったりするので、小キズを気にする人もダメですね(笑
薄暗くてあまり周囲を見てませんでしたが、帰り道にここらの紅葉が凄かったのに気づきました。
登山口の駐車場には1台だけ先客がいました…まさかの岡崎ナンバーでビックリしました(汗
駐車場からはしばらく林道歩きです。本当は車で走れるちゃんとした道路なんですが…
登山口付近に駐車場スペースがないので通行禁止となってます。仕方がないですね。
そして、雨上がりでスカっと晴れてはいましたが…早池峰山の中腹より山頂は見事に雲の中(汗
昨日訪れた宮沢賢治記念館にもありましたが…この早池峰山は宮沢賢治縁の日本百名山。
登山口から少し歩いたところにこんな歌碑も設けられてました。ここは彼の故郷ですもんね。
少しずつ山道を歩いて行きます。正直、車で通れるところを歩くのって、ダルい(爆
使えるものは使えばいいんじゃね?精神の登山者なので、ラク出来るならしたいのです(爆
そして、2キロくらい歩いた先に河原の坊登山口らしきものが見えてきました。
歩いてきた林道、向かって右手は薬師岳の登山口のようです、こちらは山頂も見えてます。
向かって左手に今から登る早池峰山の登山口となってます。本来なら山頂も見えてるハズが
この時点では分厚い雲に全体的に覆われていて山頂付近はプチ嵐になってるのがわかります(汗
周辺には駐車禁止のパイロンだらけでした。ぶっちゃけ数台くらいなら停めれそうですが
1本道の林道で切り返しも難しいし、この先も林道は続いてますが完全に通行止めになってるので
素直に麓の駐車場に停めてテクテク歩いて登山口まで向かって正解ですね。
天気予報では晴れる見込みなのでそれに期待して登り始めます。初っ端は木道なんですね。
そこらじゅうで冬眠前の熊が出没してるので周囲に気をつけながら登っていきます。
この山の成分は蛇紋岩が多く占めているらしいんですが…足元には蛇紋岩がゴロゴロと。
これ、尾瀬の至仏山と同じで、蛇紋岩って…まるで海岸に転がってる石ころのように丸くて
乾いていてもやたら滑るんですよね、ツルツルと。実はこういうのが地味に怖かったりします。
さすが百名山だけあってこんな東北の山奥ですがしっかり整備されていて歩きやすいです。
時折こうしたナンバーがふられた看板を見かけましたが…遭難時の所在確認用ですかね?
しばらく樹林帯を進むとすぐに森林限界に出ます。早池峰山が岩山だってのがわかりますね。
目前に山頂と思しき巨岩の稜線が見えてますが…山頂はさらに上のガスってる部分でした(汗
そして登ってきたところを振り返ると…思わず「ワォ~!」と声が出るほどの絶景でした。
正面に見えてるのが薬師岳ですね。登山口にある山小屋もよく見るとハッキリ見えてました。
方角はちょうど真南になります。なので左手が東側で、雲間にわずかに太平洋が見えてます。
そしてやや右手奥の方に雲海が見えてました。多分、早朝からガスってた早池峰湖~花巻かと。
強引にスマホでズーム。さらに右奥の方は…以前夫婦で登った宮城県の栗駒山が薄っすらと。
東側にもう少しパンすると朝陽が何とも言えず…天使の梯子が見事でした。
こうして雲が多くても山に登るといろいろドラマチックで良いですね。しかも展開も早い。
そんな光景に見取られながら先へ進みます。山頂に近づくほど傾斜も大きくなっていきます。
山頂付近は分厚い雲には覆われなくなったものの…目まぐるしくガスが出たり消えたり…。
太陽が昇ってくるとより一層雲の動きが早くなりますね、日差しの移り変わりが面白い。
実は気づいてなかったですが…こちらの細い岩は人工物で、どうやら「四合目」とあります(汗
そして、数分登っただけでもう5合目に到着したっぽい…まぁ登山口から山頂まで3キロだし(笑
ここはなかなか休憩するのに最高かも!?下山時に寄り道決定だなー。
で、再び歩きだしたら…あれ?山頂がガスで消えてる(爆
ほんと、山ってものの30秒で周囲の景色がガラっと変わるから怖いよね。景色違いすぎるもの。
んで、テクテク登っていくとガスが少し薄くなって突然巨岩が出現してちょいビビる(笑
あれ?さっきまで見てたのってこんなだったっけ??しかし、岩稜カッコイイな。
どうやらこの岩稜帯は山頂でも何でもなかったみたい。ここを軽く巻いて山頂へ向かいます。
すると…出たー!みんな大好き、スリリングな梯子ゾーン!これが教えてもらったやつなのね。
ウキウキしながら梯子を昇っていきます。ビルの3階建てくらいの高さかなー?
って、昇ってたら…最初に見えてたのは半分だけで、さらに倍の高さがありました…(爆
昇ってきた梯子から下を覗くともうガスってしまって若干見えなくなってました。
町中にある5~6階建てのマンションの壁にある非常用梯子をよじ登る感じですかね?
梯子ゾーンはここ1箇所だけかな、残念。この後もゴツゴツしたところを登っていきます。
そろそろ山頂への分岐点だと思うけど…さっきからずっとガスったまんま。これ、晴れるのか?
風も随分強くなってきました。太平洋から来る湿った風と日本海から来る冷たい風が衝突。
足元のハイマツは凍てついてました。氷も伸びて育ってるので氷点下なのがわかりますね。
んで、八合目を示す岩柱を発見。7とか6とかあったっけ…すっかり探すの忘れてたな(笑
視界は30mくらいは確保できてるので良いんだけど…もう稜線に出るのかな??
ガスっててプチ嵐だったのでわかんなかったですが…どうやら山頂の稜線に出ました。
稜線に出たら一気に風も強まりました、当然ですが。右手に行くとバリエーションルートで
早池峰剣ヶ峰のピークへ行けるらしいけど藪と樹氷の中を進むのはイヤなのでパス(汗
自分は素直にこのまま山頂へ向かいます。山頂はガスって見えませんがきっと目前。
気温はマイナス1~2℃程度、風速は強い時でも10m程度なのでTシャツ1枚でも十分です(笑
一般の人はダウンジャケットを着てないと低体温で死んじゃうからダメですよ。
分岐点からは西に向かって歩きます。一部木道が設けられてます。
向かう先に何となく山頂っぽいシルエットがガスの中に見えてるのでもうすぐですね。
登ってると汗ダクになるのですが、自分が一番快適と思える気温マイナス1℃前後な上に
風速5~6mくらいなので、天然クーラー様々であります。無風だったら汗ばんでたかも。
そして山頂付近は一帯が樹氷になっててこれはこれでまた美しくて良いですね~。
さらに氷点下の強風時に出来るいわゆる海老の尻尾!やっぱ樹氷と言えばコレよね。
涼しげでステキな光景です。でもこの後晴れたら解けちゃうんだろうなぁ…
こちらの巨岩も完全に凍てついてますね…よじ登ったら滑ってコケて死ぬだろうな(汗
そして巨岩の先に…なんと立派な避難小屋!東北の避難小屋は立派なものが多いそうだけど
本当に立派なんですね。フツーに有人の頂上山荘だと言われても不思議でない感じです。
ってか、周囲がガスってるし、標識っぽいのも無いから山頂がどこか迷いました(爆
この奥にあるのかな?と、回ってみたら…冬期入口が。そりゃそうか、豪雪地帯だもんね。
んで、避難小屋の奥へ岩場をコケないように慎重に歩いていったら山頂が見つかりました(笑
うーん…これだけガスっててプチ嵐になってると、見た目が地味だし感動が薄いなぁ(汗
とりあえず三角点を発見したので、いつものように登頂記念タッチ!
日本百名山の早池峰山、無事登頂です。気がつけば…記念すべき60座目ですよ~。
うーん…これだけガスってたら何も出来ないしなぁ…とりあえず時間あるから山頂探検するか。
ってことで、結構ゴツゴツとした岩場で広い山頂を天候回復を願ってウロウロしてみます(笑
山岳信仰があるからでしょうか、至る所に剣が刺さってました。
厳密に…山頂の中でも一番高い岩を探します、その理由は後ほど(笑
しばらく強風とガスの動きが激しかったので避難小屋に戻ってカップ麺食べて待つとします。
この山頂付近にある避難小屋は外から見ての通り、屋内も非常に立派。商売出来そうなほど。
これくらいあると30人くらいはフツーに寝泊まり出来そう。熊の心配がなければ夜中に登って
この小屋で仮眠してご来光を拝むのもアリかもしれませんね。
百名山とは言え、周囲に誰もいないので…いつもの山頂ぼっち飯。今回は特上カレーヌードル。
チラチラと小屋の外の様子を見ながらカップ麺を食べ終わった頃に他の登山者も登ってきました。
そして、あんなに風も強く真っ白にガスってた山頂も青空が見えてきました…変化が激しいね。
そしてガスってる時に下見(笑)しておいた岩場の場所へと急行します。
岩によじ登ってガスが晴れていく瞬間を待ちます。足元には山標と三角点が見えてます。
そして、物凄い速さで雲が流れていく中…今回も出現してくれました、ブロッケン現象です!
もう何十回と出現させてるので自分からしたら珍しくも何ともないですが…嬉しいんですよね(笑
そして、様々な条件が重ならないと御目にかけられない白い虹も出現してくれました!
白い虹現象は3年前に四国の石鎚山で出現して以来でした。
ガスが抜ける速度がかなり速かったので、山頂に登ってきた見知らぬ登山者にも声掛けして
せっかくなので写メっておきましょう!って何だか盛り上がってしまいました(笑
ほんの30分前までは風も強く真っ白なガスで覆われて氷点下だった山頂がまるで嘘のよう。
勿論、全くこれの反対の事もあり得るからこそ、山の天気って面白いけどとても怖いものです。
こちらの方角は…盛岡市方面。まだ雲海の中だと思いますが、この後クリアになっていきます。
山頂のガスが消えたことで早池峰山の山頂が結構広大なことに気が付きます。
山頂から今度は真東の方角。見えてる先は三陸沖、宮古市ですね。素晴らしい雲海絶景。
山頂目前にあった分岐点の樹氷も陽が差したことによりみるみる解けていってる気がします。
凍てついてた山頂小屋もみるみるうちに氷が解けてさらにカラっと乾いていきました。
で、最高点となる岩を下りて、山頂です。真っ青です。さっきまでは何だったの?ってくらい(笑
早池峰山域の雲はほぼなくなったところで登ってきた登山道も全貌が見渡せるように…。
そして、マイナス1℃で風速10m近くなってた1時間前とはまるで違う気候へ化けてます。
この時点で既に突っ立ってるだけで「暑い」という。標高の高い場所での炎天下ですからね。
南の方も登ってる時に見えてた雲海は消えましたね。奥羽山脈から北上盆地もよく見えます。
西や北側がもっと雲が消えて臨めたら最高だったんですけどね…ちょっと残念でした。
ずっといたら見られたかもですが…今日はここを下山したら100キロ北上した先にある八幡平に
登頂リトライしないといけないですからね、ええ(爆
山頂には平日にも関わらずちょいちょい登ってくる人もいて、山頂でしばし皆さんと山談義。
地元の人もいて、岩手県や秋田県では毎日のように熊出没の話題だそうで…うーん、怖っ。
そして、結局1時間以上ワイワイやって、東京から新幹線とレンタカーで遠征に来てた方と
談笑しながらしばらく一緒に下山しました。山頂を振り返るとさらに真っ青…快晴です!
そして5合目まで下りてきました。ガスっててイマイチわかんなかったんですが…絶景!
この岩でこうして休憩って、最高としか言いようがないですね~。天気も最高ですしね。
そして、アッちゅー間に登山口まで戻ってきました。登り始めとはまるで違う景色ですね(爆
天気良ければこの登山口からも山頂はしっかり見えるんだな、ってことがわかりました。
そして、舗装された林道を約2キロ、ダラダラと再び歩いて駐車場まで戻っていきます。
お昼が近づくに連れてかなり気温も上昇してますね、登りは涼しかったけど下山は汗ダクです。
もう11月になろうか、って時期にこんな岩手の山奥なのに…今年の気候はデタラメですな。
というワケで、長くなりすぎたので次の記事へ…つづく!!