【トヨタ スズキ 業務提携】検討を開始…環境や安全、情報技術の連携強化
トヨタ自動車とスズキは10月12日、両社の協力関係の構築に向けた検討を開始することを決定したと発表した。
自動車業界は、自動車開発技術にとどまらず、環境や安全、情報等の分野において先進・将来技術の開発が求められるなど、取り巻く環境がこれまでにない速さで大きく変化している。また、個別の技術開発に加えて、インフラとの協調や新たなルールづくりを含め、他社との連携の重要性が増してきている。
トヨタは、環境や安全、情報等に関する技術開発に取り組んでいるが、欧米各社よりも仲間づくり、標準づくりの面で遅れている。一方、スズキは軽自動車を中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきたが、先進・将来技術の開発に課題を抱えている。
今回、両社が抱える課題を解決するためには、業務提携が有効であると考え、検討を開始することを決定。今回の検討は、両社間で公正かつ自由な競争が行われることを前提として、進めることになる。なお、提携の構想は両社以外にもオープンなスタンスで、将来的には標準化にもつながるものと考えている。
トヨタの豊田章男社長は、「自動車業界を取り巻く環境が大きく変わる今、生き抜くために必要なのは『変化に対応する力』。個別の技術開発に加えて、同じ志をもった仲間づくりが重要となってきている。『もっといいクルマ』づくりと自動車産業の発展に役立つ取り組みであれば、我々は常にオープンな姿勢で検討したいと考えている」と語った。
スズキの鈴木修会長は、「トヨタは業界トップの企業であり、また、あらゆる先進技術、将来技術を手がける最も信頼できる会社。今回トヨタとの協業に向けて協議を進められることになり、大変ありがたい。豊田章一郎名誉会長にまず相談させていただき、豊田章男社長にも協業に関心を示してもらい、大変感謝している。スズキの将来のためにもしっかりと協議に臨んでいく」と語った。
スズキとトヨタが業務提携を検討する狙いとは?
スズキとトヨタの両社が「協力関係の構築に向けた検討を開始すること決めた」と発表しました。
2016年2月にスズキはフォルクスワーゲンとの間で和解が成立。その後、燃費計測に必要な走行抵抗値を実際の走行(惰行法)ではなく、風洞施設で計測した空気抵抗値などのデータを使用した法令違反を起こし、カタログ燃費では下回る車種はなかったものの販売面への影響は大きいものがありました。
今回の発表の背景には、フォルクスワーゲンとの提携が上手く運ばなかったというのも大きな要因といえるでしょう。著しい進化を遂げている自動運転技術や年々厳しくなる一方の環境規制、安全基準を考えると頼れるパートナー探しは命題だったはずです。
実際にスズキとトヨタによると、下記のように今回の提携開始の検討について、「自動車業界は、従来の自動車そのものの開発技術にとどまらず、環境や安全、情報等の分野において先進・将来技術の開発が求められるなど、取り巻く環境がこれまでにない速さで、大きく変化している。また、こうした分野では、個別の技術開発に加えて、インフラとの協調や新たなルールづくりを含め、他社との連携の重要性が増してきている」としています。
ご存じのとおりスズキは日本では軽自動車が中心で、インドでもシェアトップを握るなど、価格競争力の高いクルマをつくる技術、つまりコスト削減策のノウハウを積み重ねてきましたが、PHVやEVやFCVなどのエコカー、自動運転などを含む先進、将来技術の開発に課題を抱え、危機感を持ってきたそうです。
一方のトヨタは、「環境や安全、情報等に関する技術開発に取り組んでいるが、欧米各社よりも仲間づくり、標準づくりの面で遅れている」としています。今回、両社が抱える課題を解決するためには、業務提携が有効であると考え、冒頭で紹介したように、検討を開始することにしたとしています。
今回の検討は、両社間で公正かつ自由な競争が行われることを前提として、進めることになる。なお、この提携の構想は両社以外にもオープンなスタンスであり、将来的には標準化にもつながるものと見据えているそうです。
スズキの鈴木修会長は、「トヨタは業界トップの企業であり、また、あらゆる先進技術、将来技術を手がける最も信頼できる会社。今回こうしてトヨタとの協業に向けて協議を進められることになり、大変ありがたい。豊田章一郎名誉会長にまず相談させていただき、豊田章男社長にも協業に関心を示してもらい、大変感謝している。スズキの将来のためにもしっかりと協議に臨んでいく」と述べています。
一方のトヨタの豊田章男社長は、「自動車業界を取り巻く環境が大きく変わる今、生き抜くために必要なのは『変化に対応する力』。個別の技術開発に加えて、同じ志をもった仲間づくりが重要となってきている。『もっといいクルマ』づくりと自動車産業の発展に役立つ取り組みであれば、我々は常にオープンな姿勢で検討したいと考えている」と語っています。
これからスズキとトヨタの提携がどんなカタチになるか分かりませんが、トヨタの完全子会社となったダイハツとの関係も気になります。しかし、企業規模ではトヨタが圧倒していてもダイハツとの関係を見れば分かるように、トヨタ流に慎重に事を進めるでしょうし、スズキもフォルクスワーゲンとの提携のようなトラブルは起こしたくないはず。さらにトヨタもその経緯を見てきただけに、今後の交渉がどうなるか注目です。
(塚田勝弘)
【速報!】トヨタとスズキの業務提携はホントだった
もっといいクルマ作りをするための取り組み
以前からトヨタとスズキが業務提携するのではないかと事情通にささやかれていたが、やはりその噂は本当だった。本日10月12日の18時30分からの共同記者会見で、その内容が明らかになる。
記者会見に臨むのはトヨタ自動車・豊田章男社長とスズキは鈴木修会長である。 環境や安全、IT部門での提携と思われるが、実際のクルマ作りにどこまでの関わり合いを持つのだろうか。先日、バイク部門でホンダがヤマハと提携して50ccバイクの共同開発を発表したばかり。以前からヤマハはトヨタと深い関係にあることは周知の通りで、トヨタ~ダイハツ~ヤマハ~スズキ~ホンダが一本の線で結ばれ、さてトヨタとホンダの関係は? と勘繰りたくなる。
スズキはフォルクスワーゲンとの提携を完全に解消し、大きな代償を払ったが、トヨタとの交渉が水面下で進んでいたわけだ。世界一のトヨタと、軽量化技術やインドとの関係、2輪メーカーとして高い実績を持つスズキの関係が今後どうなるのか。
トヨタとダイハツ、そしてスズキの関係はどうなっていくのか? 極めて大きな業界再編成の波が起きているのだろうか。
(文:城市邦夫)
【トヨタ スズキ 業務提携】豊田社長、「もっといいクルマづくりに向けた、やらまいか提携」
トヨタ自動車の豊田章男社長とスズキの鈴木修会長は10月12日、両社が業務提携の検討で合意したのを受け、トヨタの東京本社で記者会見した。
このなかで豊田社長は今回の提携について「社長になってから、もっといいクルマづくりとモビリティ社会づくりでは、どの会社ともオープンだと言ってきた。そこからぶれていない」と語った。
また、自動車業界の環境が激変するなかでは「変化の予測の精度を上げるのでなく、変化に対応する力を磨くことが重要」としたうえで、「スズキさんはその点が非常に長けている」と指摘した。
さらに、両社が静岡県の遠州地域を創業の地とし、自動織機で起業した共通点を挙げ、「この地では“やらまいか精神”がある。厳しい競争を生き抜くうえで、今この精神が重要だ。私はもっといいクルマづくりに向けた”やらまいか提携“だと思っている」と述べた。
一方で、提携の具体的な分野については、今後の協議によるため、両首脳とも「まったくの白紙」と繰り返した。
【緊急会見】スズキとトヨタの業務提携で何が起こるのか?
突如開かれた会見では具体的な話は一切なし
夕方、突然トヨタから「スズキとトヨタの共同記者会見を行う」という連絡が入った。「寝耳に水」のニュースである。さまざまな可能性を探るも、これといった動きなし。トヨタとスズキで出来るような協業も思い当たらない。そもそもトヨタの100%子会社となったダイハツにとって、スズキは唯一無二といってよいライバルだ。
「記者会見を待つしか無いですね」という業界通としちゃ悔しい状況。果たして18時30分から始まった記者会見を聞き「さもありなん」。具体的な内容は出てこない。動きが出ていなければ業界通だってわからなくて当然か。豊田章男社長もメディアからの質問を受け「スズキさんとどういった関係になるのかを含め何も決まっておりません」。
一体どうしたのか? 全体の動きを見ると、どうやら鈴木修会長の独り相撲なんだと思う。詳しく紹介しよう。
修会長としては、スズキを何とか存続させていきたい。しかしスズキの状況を見ると、技術的な投資をしてこなかったため、内容カラッポ。ハイブリッドに代表される環境技術から、自動ブレーキなど電子技術に至るまで独自技術をもってない。
今後、一段と高い技術が必要になってくると、完全にお手上げ状態になってしまうだろう。本来なら意地でも突破すべく全力で技術を磨くべきなのだろうけれど、修会長は「出来ない」と見限ったんだと思う。年齢的にも耐えられなくなったのかもしれない。寂しくなって豊田章一郎名誉会長に泣きつき、章男社長を紹介してもらったという流れ。
つまり「何かあったら助けてください」とトヨタに泣きつき、章男社長は「同じ自動車業界だし遠州という土地柄も近い仲間、いいですよ!」と快諾したということである。
実際、トヨタにとってスズキの技術力は”ほぼ”不要。スズキと同等のノウハウを持つダイハツがあるからだ。実際、ダイハツからすれば激しい戸惑いもあることだろう。
日本の自動車産業という大ワクで考えたなら、トヨタの姿勢は美談である。ただスズキの動きを技術屋や経営者として考えれば超カッコ悪いことである。スズキがこんな状況になるとは予想もしていなかった。
本来ならココロの弱くなった年寄りを支え、励ます役割を果たせる人がスズキに居ないということですから。まったく出てこなかった鈴木俊宏社長は何を考えているのだろうか。
(文:国沢光宏)
トヨタとダイハツ、新興国小型車カンパニー設置に着手
トヨタ自動車とダイハツ工業は、今後の新興国小型車事業の強化に向け、両社の役割分担を決定した。これに合わせて、2017年1月を目処に、新興国小型車担当のカンパニーの設置を進める。
成長が見込まれる一方で、競争が激化する新興国市場において、ダイハツの良品廉価なモノづくりをベースとした競争力のある商品を展開するのが狙い。
2社の役割分担は、新興国向けの小型車の開発・調達・生産準備を、基本的にダイハツに一本化し、ダイハツが進める新アーキテクチャー「DNGA」を展開。トヨタはこの推進を知見・リソーセスの面からサポートする。商品企画、事業企画は、トヨタとダイハツが一体となって策定・共有し、生産については、両社の既存拠点を相互に有効活用していく。
また、新興国小型車を担当するトヨタ、ダイハツ両社からなるカンパニーを2017年1月目処に設置する計画で、新興国小型車の企画から生産準備までを担う。トヨタでは2016年4月から、仕事の進め方変革を狙いとした、製品軸での「カンパニー制」を導入しているが、今回は、トヨタとダイハツの両社にまたがる形態とし、ダイハツがけん引するカンパニーとなることを想定しており、トヨタの従来のカンパニーと位置づけが異なるものとなる予定。
トヨタの寺師副社長は、「このカンパニーの設置を機に、トヨタはダイハツの競争力について根底から学び、自らの仕事のやり方を変えていく」と語った。ダイハツの三井社長は、「軽で培ってきたノウハウをさらに発展させ、トヨタグループの軽自動車から新興国小型車までをダイハツが牽引する。このカンパニーをダイハツとしても大きな成長の機会と捉えている。なお、本件とは別に、ダイハツが主体となりダイハツブランドの発展にも引き続き取り組むことを、両社で確認した」と語った。
トヨタとBMW、米ベンチャーと提携…自動運転車の開発促進
米国のベンチャー企業、ナウト(NAUTO)は10月7日、トヨタ自動車やBMWなど3社と提携すると発表した。
ナウトは、米国カリフォルニア州に本拠を置くベンチャー企業。ドライブレコーダーで撮影された映像を、AI(人工知能)で解析するシステムなどを手がけている。
今回ナウトは、トヨタ自動車の子会社のトヨタ・リサーチ・インスティテュート、BMWの子会社のBMW iベンチャー、ドイツの保険大手のアリアンツの3社と提携。3社がナウトに出資することで、合意に達した。
3社はナウトと協力して、ナウトが持つクラウドベースのデータ学習プラットフォームを用いながら、自動運転車の開発を促進していく。
ナウトのステファン・ヘックCEOは、「自動車および保険の大手企業の参画は、我々が安全かつスマートで渋滞のない移動手段を構築するのに、欠かせない」と述べている。
いろんなものを取り込めば取り込むほど末端への意思の疎通は悪くなる気がするんだけど…大丈夫なのかよ?
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2016/10/12 20:38:02