フェイ・イ「......君はヴァージニティというものを軽んじているな、フレデリカ」
フレデリカ「全てのものは何かの前か後でしかないのよ」
おがきちか「エビアンワンダー」
遡ること半月、S.B.Tの“ドン・シヴァッタ”から馬の頭...じゃなくお誘いのメールが届きました。
「5/9(水)にサーキットに行かないk「行きます。」
即座に応諾。
は? 平日? 仕事?
いや、ちょっと何言ってるかわかんないっすね。
何度かお会いした
ひきにくさんとお友達のサーキット走行に便乗させて頂きました。ありがとうございます!
場所はHSR九州。
熊本県にあるHONDA技研のテストコースが一般の走行にも解放されているところです。
コースは1周 2350m。オートポリスの半分くらい。
左曲がりが多い。
深いカーブが多くて忙しいコースでした。
前にも書いた気がしますが、私の目的はMEG3RSのことをもっと深く知ることです。
レヴィ・ストロースの文章に恋してしまえば、その本当の魅力を理解するため、ずぶずぶの文系脳にも関わらず高等数学を理解する必要がある様に、MEG3RSを溺愛する私には運転技術なるものが要るのです。
HSRでは小一時間の講習を受けるとあっさり年間ライセンスが貰え、その後25分の走行枠毎に料金を払ってエントリーします。
平日で人も少ない。
大きな走行会イベントなどで玉石混交の混雑なか初サーキットするよりも、こういう少し小ぶりな場所の方が費用もリスクも抑えられて良かったかもしれません。
社長のClio2RS は新たなワンオフのステンマフラーにカーボンのサイレンサー。
なにがなにやらな初走行ですが、途方にくれる私に私の中のゴースト(アン・ハサウェイ似)が囁きます。
「焦ることはありません、雨男よ。一度になんでもやろうとしても、加齢でシナプス結合がポルポト政権下のカンボジアのごとくジェノサイドされ倒している貧弱脳では無理というものです。
・しっかりブレーキングして抜きながらステア
・ステアリングは一定
・どうせ遅いから、なるべく上手に譲る
・あとは野となれ山となれ
まずはそれだけを気をつけて走りなさい」
「ありがとうございます、私のゴースト。あとサインください」
とはいえどこをどう走ったものか、どのセクションでどのくらいの速度で走るのか、さっぱり。
「最初は後ろついておいで」と社長。
流石はドン。ファミリーへの愛に溢れています。
タイヤの空気圧は取説に書いてあるサーキット時の推奨圧
F/R 2.0/2.1
Mode Extreme
ESC on
で慌ただしく出発。
いざコースに出てみると.....とんでもなく情報が多いです。
速度と回転数見て、ギア選んで、油温見て、フラッグ気をつけて、周囲の車に気を配って、コースの先を確認して....etc
うん、ムリ。何事も立て込んでいる時ほどプライオリティを考えて順に処理していくのが常道ですが、何から手をつけたらいいのかお手上げです。
それでは初走行のダイジェスト
・皆さん速えぇぇ!
・レコードラインってどこ?
・ブレーキどっから踏もう?
・あ、旗見てねえ
・そうだ、しゃ社長について行こう...って既に居ねえ!
・あ、H&Tは公道より楽だ
・ハミ出る!ハミ出る!
・アクセルどっから開けるのよ!?
・レーシンググローブでスウェードのステアリングは気持ちいいな〜
・タイヤ圧? わかるわけねえ。
・ABSとかみる暇ねえ
・ハミ出る!ハミ出る!
・あ、ひきにくさんクーリングラップっすか。油温もタイヤも大丈夫そうだけど、なんかツウっぽいので私もクーリングラップしよ
凄まじい情報量に頭がきりきり回る。テンパりながら爆笑して走る私にゴースト(アン・ハサウェイ)が囁きます。
「焦ってはいけません、雨男よ。まずは走る前に決めたことだけをしっかr
「いま忙しいから」
「!!!!?」
25分の走行があっという間に終了です。
それでは鮮烈なデビューを飾った私のラップタイムをご紹介します。心臓弱い人は見ない方がいいっすよ。
因みに皆さんがまず目標にするタイムは1:20切りだそうです。社長は初コースで1:21台
2350mのコースで20sec離れています。それ以上に、特に緩急つけたわけでもないのにこのタイムのバラつきが素敵です。
うーん、なにが違うんだろう。
自分で省みて思うに、公道の延長で走ってるのかな。
ここは何km/hとかじゃないんだ、きっと。
踏める時はレブまで踏み倒して、コーナーが来たらガツンとブレーキなんだ。
そんなわけで2本目は親の仇のごとくアクセルペダルを踏んでみることに。
レブまで回ったアラームを聞きながらシフトアップ。
....怖え。
ブレーキの制動力が私の予測できる速度域を超えています。タイヤが鳴いてる。これは使えているってこと?それとも限界が近いってこと?しっかりグリップしていますが、キャパの限界を予測する引き出しがない。
私の技量と経験値ではここから先はカミカゼ・アタックだわ。
長くなりすぎるので雑感を
・120km/hより150m/h出ている時の方が安定性を感じる(空力?
・ステアフィールが良い。スポーツ走行でこそ気持ちいいと感じられる重さとフィールにセッティングされているんでしょうね
・鼻先は純正のホイールとサスでも軽い。
・コーナー手前でのどのペダルも踏んでない時間が長い
・私の今の技量ではMEG3RSの底が見えない
・走行後の空気圧はF/R 2.4(左)/2.4
タイヤはこんな感じ
余裕です。
「タイヤが食ってるなら鳴っても大丈夫よ。ESCも切ってないし、車を信じてもう一歩踏み込みな」
とはドン・シヴァッタのアドバイス
2本目のラップタイムはこちら
こわっぱですねw
本当にサーキットは私の知らない世界でした。
怖くて、リスキーで、MEG3RSはようやく解き放たれたと言わんばかりに活き活きと走っていて。
こうやって走るために生まれたのだものね。
革製品を使い込んでいくようにここで駆け回るのが、やはり私とMEG3RSの付き合い方なんだろうなと改めて感じたりしました。
ああ、沼にハマっていく。
社長、ひきにくさん、お友達の皆さん、下手くそにお付き合い頂き本当にありがとうございましたm(__)m