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2015年09月26日

大型車のはなし -スカニアに乗ってみた-

大型車のはなし -スカニアに乗ってみた- シルバーウィークの最中に、スカニアに乗る機会を得たので、乗ってみました。その様子をレポートいたします。

まず、そのスカニアって何?という方も多いと思うので、若干解説しましょう。これはスウェーデンのフォルクスワーゲン系商用車メーカーで、ボルボ・トラックと並ぶ世界有数の商用車メーカーでもあります。一時期日本の日野自動車と業務提携を結び、日野を通じてトラクタを販売していた時期もありますよ。現在は提携を解消し、日本国内で独自に「スカニアジャパン」を設立し、主にトラクタを販売(余談ですが、最近12m単車も追加発売されました)しているのです。このエンブレム(=タイトル画像)はサーブじゃないの?と気付いた方もいらっしゃるでしょうが、その通り。実は一時期、サーブとも同じ会社だった時期もあるのです。

さて、話を戻します。場所は新潟市…ここで初のスカニアに乗りました。駅前で待っていると…来ました来ました、問題のスカニア!




あれっトラックじゃないの!?と思った方もいらっしゃることでしょう(笑) 実は初めて乗るスカニアとは、この「連節バス」なのです! 今までスカニアといえば、主に海上コンテナを牽引するトラクタとして見られますが、今回、新潟市に初めてのスカニア製のバスがお目見えしたのです。新潟市においてバスをメインとした新バスシステム「BRT」を導入するに当たり、この車両が導入されることになったとか。その情報を知った途端、乗り物好きの血が騒いで…こうしちゃいられない、早速乗りに行かねばァ!と狙っていました(笑)

まず、この車両の概要です。これはスカニア製のバスではありますが、実はスカニア製なのはシャシのみ。車体そのものは、オーストラリアのボルグレン社で架装されたものです。シャシは、9リッター級の直6ターボディーゼル(国内の排ガス規制適合)+ZF製6速ATを搭載したシティバス向けシャシ(Kシリーズ?)に、ボルグレン社のシティバス向け「オプティマス」の連節仕様ボデーを組み合わせたものだとか。凄いですねえ…スウェーデンの工場で生産されたシャシを、わざわざオーストラリアまで輸送してボデー架装ときたもんだ。何しろヨーロッパ~オーストラリアの距離だけで地球半周分あるのですから、日本にやって来るまでに地球1周分の移動距離じゃないですか? 
何故オーストラリアで架装?という疑問もあるでしょうが、オーストラリアの交通法規は日本と同じ左側走行&右ハンドルというだけでなく、他の面でも日本の交通法規に近いらしく、日本仕様への対応が比較的容易にできたから。そしてボルグレン社のボデーはアルミ製で、電装系統にはマルチプレックス(多重通信)式ワイヤーハーネスを採用して配線を単純化する等、日本のメーカーには(今のところ)真似できない軽量ボデーのお蔭で、車幅や軸重など、全長以外は特認無しでナンバー取得ができたそうです。
かつてはボルボ(ボデーは富士重)やメルセデスベンツの連節バスもありましたが、いずれも販売をやめてしまいました。それもあって、スカニアに白羽の矢が立ったのでしょうね。


さて、色々チェックしてみましょう。まずは、外観です。


ヘッドライトにはLEDデイライトが仕込まれていて、端の部分がターンシグナルでもあるので、その時に色が変わります。うーん洒落たデザインですね! フルLEDかはわかりませんが。


前扉は、フロントオーバーハングを活かして日本車よりも広そうです


このバックミラー、左右お揃いのデザインでやっぱりかっこいいですね。日本車もヨーロッパ風になりましたが、まだまだです


そのバックミラーの裏側はこんな感じです。後ろだけでなく真下とか、ミラーがびっしり並んでいます


後姿です。テールランプも、ちゃんとLEDのやつでした

エクステリア全体としては、規格品の灯火類などを使わないうえ、日本車よりもずっと基本設計が新しそう。実に洗練されていますね!


さて、さっそく乗り込んでみましょう。


乗り場には、モニターを使った発着案内がありました。空港に設置されたやつみたいな、洗練されたデザイン…はいいのですが、貼り紙がちと惜しい…


乗り場には、大行列が…でもこれだけの人達が乗り込んでも、まだ車内は余裕たっぷり。さすが!


私も乗り込んで、内装をチェックしました。


内装全体の印象としては、若干プラスチッキィかもしれませんが、角ばっていたり金属むき出しな印象は少ないです。タイヤハウス(室内のタイヤの出っ張り)以外はデッドスペースが殆ど見られないうえに連結部分もちゃんとフラットなフロアですね。これで降車ボタンやICカードリーダー等が無ければ、もっと洗練された空間に見えたでしょう。明らかに設計レベルが高いです。凄い!


天井には、横転したとき等に使うと思われる脱出ハッチがあります。それゆえ、車体右側には非常口がありません


運転席横に設置された運賃箱で、さすがにこれは日本製。これを設置しても、日本車よりも通路が広そうです。尚、この運賃箱や放送用スピーカー等のワンマン機器類は、ほぼ全てオーストラリアに送り込んでボルグレン社にて取り付けしたとのこと。ボルグレン社の仕様対応力がわかりますね


座席は、本当に薄い…座面は少し平板な印象ですが、背当てのクッションがいい感じで、座り心地は意外といいです。分厚いクッションでごまかしたような日本製とは違いますね。これなら、多少長く乗っていても問題なさそう。でも最前列は、足元が強烈に狭いけど(笑)


運転席は、こんな感じです。



色ガラス越しですみませんが、運転席です。平板な日本車のインパネと違い、比べ物にならないほど洗練されたデザインですね。いかにもスウェーデン製の商用車らしいラウンド型であるうえに、デジタルタコグラフ(運行記録計)やワンマン機器類がとてもきれいに収まっていますから!


ブレブレ写真のせいでわかりにくくて恐縮ですが…これは驚いた! インパネ中央にあるディスプレイに「ドア開」という日本語が表示されているじゃありませんか。メジャーな輸入乗用車にもかかわらず、ディスプレイの日本語未対応なブランドもあるのに、今のところ日本に4台しかないバス用シャシにもかかわらず、ちゃんと日本語に対応するとは大したもの。ここにスカニアの本気を感じました!


乗ってみての印象は、運転席直後の最前列でしたが、真下の前輪からは不快な振動は特に感じられませんでした。エンジンから遠いこともあって騒々しくなく、路線バスとしてはなかなか快適です。最前列は意外にも二人がけの座席ですが、二人並んで座るとさすがに狭いです。まあ、短時間の乗車であれば問題ないとは思いますが。


日本初登場のスカニア製バスでしたが、写真で見るよりももっと洗練されていて、好印象でした。やはり相当注目されているらしく、新潟駅やイオンのターミナルではもちろんのこと、経路のカーブ区間には撮影をしている人たちが一杯いました!


カーブを曲がる姿は迫力満点!

今、新潟で一番注目を集めているモノかもしれませんね。以上、報告でした。

参考文献;バスラマインターナショナル No.150(ぽると出版
ブログ一覧 | 大型車の話 | 日記
Posted at 2015/09/26 04:45:10

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この記事へのコメント

2015年9月28日 20:05
流石、北欧デザインというところでしょうか。
ウチの市内では、メルセデスの連接バスが走っています。(笑)
当市のものと若干、色合いは異なりますが、日本では赤い色を指定されているんでしょうか?

私の連接バス体験は、海外の空港でのターミナルビルと駐機場の飛行機の間が、最初だったかと。
その後は、タイ・バンコクの市内でしたね。
連接部分の床がどうなっているのか、興味津々でした。
コメントへの返答
2015年9月29日 12:06
あ~、それはメルセデスベンツの「シターロ」ですね。首都圏以外でも兵庫県や岐阜県で走っていますが、とくに色は指定されていない様子。現に、幕張で走っているやつは青ですから。

私の場合、ちょうど30年前に開催されたつくば博のシャトルバスで、ボルボ+富士重工の車両でした。連結部分の乗り心地が悪かったことを、何故か覚えています(笑)

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「この構造、やっぱり凄い。アパートの下に電車がいます」
何シテル?   06/11 09:21
宝塚過激団と申します。何とぞよろしくお願いします。 プロフィール画像は、宇部興産専用道路で運行されているアメリカのケンワース(ただしオーストラリア製)のボ...

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