
今年の夏休みも我が家は特にイベント無しでした。
暑いし、高いし、混雑するし。うちの奥さん全く出掛ける気無しなので・・・・
唯一、映画「国宝」を2人で観に行ったくらい。子供抜きのふたりきりで映画を見るなんて「タイタニック」以来?何年前だ(笑)
7月のヒルクライム以降、この暑さでジュリアも半休眠状態ではありますが、折角の長期休暇となれば色々やりたかったところに手を入れることに。
今回のメニューは計8項目。以下長文で(笑)
<フロントタイヤ新品交換>
前戦7月のヒルクライム後のチェックで右フロントタイヤの剥がれを発見。インナー側の一部でカーカスが顔を出していました。左タイヤもアウト側の摩耗が激しかったので止む無くフロント2本を新品交換です。
夏休み前の週末にいつものタイヤ交換屋さんに持ち込んで組み換えしてもらいました。
以前と同じA050 Mコンパウンドです。
折角の新品なのでもっと涼しい時期ならTC2000にタイム出しに行きたかったですが真夏の交換とは勿体ない・・・・
<フロントスタビ取り付け修理>
こちらも前戦後のチェックで発覚したスタビマウントの脱落
紛失したブッシュと曲がってしまったブラケットの部品はいつもの海外通販で購入済。再組付けして簡単に完了!
のはずだったのですが・・・・
組付けしてみるとやはりマウントブラケット取り付けネジ穴が舐めていたことが判明。
今回の脱落の原因が正にこれだった訳です。
当初の確認時は、ボルトを手でねじ込んでみたところスルスル入っていったので、ネジ舐めの問題ではなく、自分の作業の締め込み不足が原因かと判断したのですが、実際部品を組んでトルクが掛かった状態で締め込むとボルトがいつまでも回り続ける・・・
やはりネジが舐めていました。
悪いことにこのネジ部は袋構造のフレーム内部に有り交換できる構造ではない。
なので策としては、ドリルで拡大穴を明けてから新たにネジを切るしかない。
今回の不具合はL/H側のマウント部なのですが、実はR/H側のマウント部は既に過去にネジ穴拡大されおり本来のM8が1か所だけM10となっています。元々ネジが舐めやすい場所なのでしょう。
更に調べるとこのネジは細目でした。構造的にネジ長が短い部分なので細目にしてトルクを稼いでいるようです。よって今回もR/Hと同様の細目のネジを切ることに。ネジサイズはM10 P1.0です。このP1.0が結構レアなサイズで街のホームセンターでは置いておらず。結局、タップと共に通販でオーダー。納期は夏休み明けなので入荷次第、今月中に施工の予定です。それまで取り敢えずはフロントスタビ無しのままで。
<フロントショックアブソーバー交換>
ここ最近、ジムカーナイベントへの参加も増え普段は見られない自分の車の走行シーンの外からの写真を撮っていただいたり。また会場で自分の走行を見た方から直接話を伺う機会も増えました。
兎に角、気になるのは異常にロールが大きいこと。
確かに当時のジュリアのレース車輛の写真をみると太いスリックタイヤを履きながら大きくロールして走っている様子が伺え、それ故「ジュリアで3輪走行を目指す!」がこのブログのタイトルでもある訳ですが・・・
しかし、そうは言っても実際タイムを競うイベントで気持ち良く走る為にはネガが大きいのは確か。
まずスタビは当初装着のものより太くてレートの高そうなφ29のものに既に交換済。
そしてスプリングですが、そもそも今のスプリングレートがいくつなのかが不明でした。しかしみん友のgrungeさんより「概算は計算で求まりますよ」と計算サイトを教えていただき線径、内径、巻き数などから算出してみたところスプリングレートは32kgと算出されました。これはサーキット走行用としても決して柔らか過ぎることはないレートです。(ジュリアのフロントサスはアームの中央付近にスプリングが有るのでレバー比の関係から一般の車のレートよりもかなり高いレートとなります)
因みにもう一つ持っているAlfaholicsのFast Road kitのスプリングレートは13.4kgと算出されました。
そうなればあとはショックアブを換えてみるか!
現在は吊るしのビルシュタインを装着していますがこれはどちらかと言うとロードユースを想定したスポーツショックのようです。
そこでアルファ乗りの皆さんから教えてもらったAE86リヤ用ショックの流用を試してみることに。AE86のリヤ用がそのままボルトオンでジュリアのフロントに流用できます。
TRDの8段調整式とクスコの14段調整式があることを教わりましたが今回自分は後者のクスコを選択。まずは最固からやや落とした12段でセットしてみました。これは車載状態でも簡単に調整可能。
<フロント車高ダウン>
自分がこの車を最初に観に行ったとき、車高は最低地上高(オイルパンドレン部)9cmと車検ギリギリの高さでした。元々ヒルクライムに出るつもりだったのでこれではぶつけそうで心配。そこで納車前にフロントスプリングの下に10mmのスペーサーを入れ車高を3cmほど上げてもらいました。
しかしアンダーが強い自分のジュリアの現在の特性からすると走りを考えればやはりフロントはもっと下げてみたい。
ヒルクライム次戦のコースは、確か酷いギャップはなかったはず。その後にタイムトンネルトライアル(ジムカーナ)もあるので試しにここで車高を下げてみることに。
そこで今回はじめてスペーサーを抜いてみました。これで3cm車高ダウンのはず。
今回同時にショックアブもビルシュタイン→クスコに変えたのでその影響も有り最終的に最低地上高は138mm→95mmとなりました。(ビルシュタインは結構車高上がります)
これだけ下がると見た目の違いも明らか。クルマの横に立ってみても高さの違いを感じます。
Before
After
ただし11月のヒルクライム最終戦のコースでこの車高はオイルパンヒットのリスクが高いのでその前にはまたスペーサーを元に戻すようですかね。
<フロントキャンバー調整>
自分のタイヤの状態を見ると、左フロントの外側の摩耗が圧倒的に激しい。本来であればもっとキャンバーを付けたいところ。
自分の車には既に調整式のアッパーアームが装着されていたので調整は可能です。
ではなぜこれまで手付かずだったかというと、自分でキャンバーを測ってみると既に結構なキャンバーがついていたから。-3.7度くらい。
一方右は-2.4度。しかし見た目では右の方がキャンバーついているように見えるという状態。
しかし、よくよく考えてみるとキャンバーを測っていた自宅ガレージは左右で傾斜があることに気づく。およそ1.5度!(自宅前は坂道になっており)極めて初歩的なミス・・・
と言うことは、実際はL/H -2.2度 R/H -3.9度 だったということになる。
やはり見た目は正しかったのか・・・
という訳で今回、躊躇なくL/Hのキャンバーを増すことに。
リンクの調整代の残り分を命一杯使ってリンク長を2mm短縮。
今回、同時に車高ダウンも行っているのでそちらの影響でもキャンバーの値が変化。
最終的に現状以下のキャンバー角となりました。(傾斜補正後)
L/H -4.5度
R/H -5.8度
R/Hは特に弄っていないのですが車高ダウンの影響でさらに大きくなってしまった?
調整して戻そうかとも思いましたがまずはこれで様子見てみます。
<リヤショックアブソーバー交換>
フロント交換となれば合わせてリヤも交換です。実はリヤにもAE86リヤ用がリ流用できます!もちろんこれも教えてもらいました!
ただしこちらはボルトオンとは行かずブラケットの追加が必要。ただしこれも社外パーツとして市販しているブラケットを流用可能です。
ブラケットを装着してこんな感じ。
作業として少々手間を要したのはこちら。
ブッシュの内径に入れるカラーの径が大き目なので、カラーの端面を面取り削りしたあとにハンマーで叩き込みました。
またリンクへの取り付け部のネジ径がM16にアップ。リンク側の穴径はもともと大きくそのまま貫通可能なのですがなにせM16となれば工具の2面幅は24mmサイズかつリンクの深い位置なのでモンキーやスパナも入らない。よって24mmのボックスレンチを買いに近所のホームセンターに駆け込むはめに。
装着にあたっては、通常はショックアブ本体を室内側から下に落とすのですが、クスコのショックは調整用のノブが大きく(ブラケット未装着の状態でも)上の穴を通らないことが判明。よってスプリングを完全に外し、事前にブラケットを組付けたショックアブをスプリングの中に通した状態で一緒にセットする方法を取りました。むしろこちらのやり方の方が簡単かも。
ブラケット込みのショックの全長が長くなるので上側のマウント取り付けに手こずるかと思われましたが特に問題無くそのまま固定できました。
<リヤブレーキパッド交換>
昨年フロントのパッドは寿命を迎えエンドレスのMX72plusに交換済でした。
実は同時にリヤパッドも同じエンドレスのMX72を購入済だったのですが中々交換のタイミングがなくようやく今回交換。
フロントはキャリパーがRX7用に変えてあるのでパッドの在庫もあり即納でしたが、リヤはアルファロメオ純正なので受注生産となり納期は2カ月ほど掛かりました。それでもカタログ上にちゃんと設定が有ったのはよかった。
で、交換作業を進めるとここでも問題が発生。
左右とも外側のパッドが厚過ぎて入らない・・・
どうも内側と外側でローターに対するキャリパのクリアランスが違っている。
外したパッドの厚みも外側の方が厚みが薄かった。
これはキャリパーの変形が原因なのでしょうか?
仕方が無いので、外側に使うパッドの方のみ厚みを15mmから14mmへ1mmほど薄くすることに。均一な厚みで削るとなると我が家のツールでは上手い手が無く、地道にシコシコと60番のサンドペーパーで削り込むことに。僅か1mmとは言え2個を加工するのに2時間は要したでしょうか。
左:未加工 右:1mm削り後
<リヤホイールハウス内フェンダーエッジカット>
実は、昨年11月のヒルクライム走行の際、右リヤタイヤに何かでカットしたような傷跡を発見。この時は、現地でSタイヤに交換したのでコース走行中にカットしたのは間違い無し。コースの路側には側溝などもあったので金属蓋など何か鋭利なものを踏んでしまったのか?とその際は考えていました。
しかしその後、grungeさんがこのタイヤを見てフェンダーに当たっているのでは?とのご指摘。なるほどそうか!ここではじめて本当の原因に気付きました。
自分のジュリアはご覧の通りFRP製のオーバーフェンダーを装着済。しかしその内側には大きくカットされてはいるものの元の鉄フェンダーが残っています。
11月のヒルクライムの際は、スプリングはソフトなFast Road仕様でかつリヤスタビレスそしてタイヤは225/50R15のA050と太いサイズでした。さらに自分のクルマは右リヤの車高が下がり気味。そして内側のフェンダーの状態を確認したところ右側の方が長めに残っている状態でした。
大きくロールしてこのインナーフェンダーにタイヤが干渉。状況からしてドンピシャです。
それにしてもまさかこんなにもロールしていたとは。しかもヒルクライムコースで。どのコーナーでそんなにロールしていたのだろう?
恐らく今のサス仕様であればあそこまでロールすることは無いとは思いますが、やはり心配なのでフェンダーを更にカットしておくことに。
Before
フェンダーをディスクグラインダーでカットした後、錆防止も兼ねてボンドを盛り、さらにゴムカバーを接着しておきました。
After
<マフラーサイレンサー外しトライ>
最後は、長らくやってみたかったこれです。
自分のジュリアのエンジンスペックはロードユースとしてはかなりのハイチューンな仕様です。調子も良好で2速であれば7500rpm(あるいはそれ以上)までストレスなく回ります。しかし、その加速感については“それ程速くはない”と感じるのも事実。
現実に筑波のバックストレッチでの最高速が143kn/hというデータがあります。エンジン絶好調の状態での数字です。
比較として参考になる数字がJCCAのHPにアップされているヒストリックレースのResult表にあります。
この表にはLapタイムに加え筑波バックストレッチでの最高速が表示されているのです。(もともとTC2000コースにはsec1~sec3の区間タイムに加えバックストレッチに最高速の測定ポイントが有ります)
これがクルマの動力性能を表す良い指標になります。
例えば、直近でドライ走行だった2025年4月のレースの予選Resultがこちら。
アルファロメが多く走るSクラスのものです。
ポルシェ911の178km/hはもう別クラス!
510ブルで171km/hも出ちゃうの?
など注目点は色々ありますが、同じジュリアに注目すると
自分のジュリアのエンジンを組んだ柳原メンテナンスからエントリーの3台の最高速は、
23号車 158km/h
27号車 157km/h
26号車 151km/h
の結果です。
バリバリのレース車輛と同等とはいかないのは当然ですがそれにしても自分の143km/hとは差が有り過ぎる気が・・・。しかもこの3台のエンジンは決してレースにしか使えなピーキーな仕様ではなくロードユースも可能なくらいのエンジン仕様と思われます。
教えてもらったキャブセットも自分のクルマとほぼ同じ。ただクロスミッションは入っていると思いますが。
そこで自分が疑っているのは排気系の違い。タコ足は限界サイズと思われるものが装着されているのでその先。まずマフラー径そのものが外径51mmとエンジンスペックからするとやや細目か?の疑い。
そして一番怪しいのがタイコ。ジュリアのタイコはノーマルではリヤアクスル前に1個と後ろに1個の計2個装着されています。自分のクルマも同様に2個あり。実は前の前のオーナーさんの時代に(ロードユースオンリー。現在とは別のチューン度の低いエンジン)もっと排気音を静かにしたいとのオーダーで後方のタイコを装着したという経歴があることが分かっています。このタイコが悪さをしているのでは?
この後部のタイコですが観察すると、どうも取り外してしまっても前方のタイコのマウントポイントは残るのでそのまま走行が可能な様子。
そこで今回、後方タイコを外してみました。暫くこの状態で走ってみます。
もしこれが犯人なら後方タイコ無しのマフラーを製作ですね。
外した後方タイコ
残っている前方タイコ
という訳で夏休み中の丸3日間を使ってスタビ装着以外の上記作業を完了。
天気が悪く比較的気温低目だった日に作業ができたのが幸いでした。
そして早速弄ったところの確認の為、箱根まで早朝ドライブへ。
AM5:20に自宅発。AM8:30に下山開始。そしてAM10:00に帰宅。
この時間なら渋滞無し。暑さもなんとか凌げて旧車でもOKです。
走ってみた感触は・・・
まず足回りは、フロントスタビが未装着なせいかなんとなくステアリングがシャキッとせず安定感が無い感じ。ショックやキャンバーの効果はまだなんとも分かりません。
今回、車高を落とした影響の確認もあり(R/H側がホールハウスに干渉する)敢えてSタイヤを履いて行ったのでタイヤグリップの安心感はこれまでになく高かったですが。
一方タイコレスの効果ですが、こちらはかなりイイかも。上の方での吹け上りが軽くなった気がします。体感上のことなので毎度のプラシーボである可能性も捨てきれませんが・・・
TC2000を走れれば数字で効果が確認できるのですが。
次戦のヒルクライムはこのままで走ってみようかな?
タイコはまだ1個あるので爆音では無いし。唯一の問題は、水が入ると抜けないことですが、ただ位置的によほどの土砂降りでなければ問題無さそうだし。
天気も良く、富士山もくっきり見えて気持ちの良い真夏のドライブとなりました!!
本日で夏休みも終わり。明日からまた仕事です。
そして次戦、御岳高原ヒルクライムまであと3週間!