![三都県公開セミナー「発掘された中世の姿」 三都県公開セミナー「発掘された中世の姿」](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/039/146/476/39146476/p1m.jpg?ct=4fff29637df3)
はぁ~
さすがに疲れました。
平成20年より
東京・神奈川・埼玉の持ち回りで開催している、
「考古学の成果を速報的にレクチャーしてくれる」
公開セミナー。
9回めを迎えた今回、
大宮ソニックシティ・小ホールにて
10:00~16:30まで、
どっぷりと中世考古学の成果を堪能!
(初参加です!!)
【 趣旨 】
東京・神奈川・埼玉埋蔵文化財関係財団による普及連携事業です。
鎌倉時代から戦国時代の道・墓・村をテーマに
発掘された遺跡から歴史像を探ります。
立正大学の坂誥名誉教授の記念公演もあります。
【 プログラム 】
10:00~10:05 開会挨拶 塩野谷孝志(埼玉県埋蔵文化財調査事業団理事長)
10:05~10:30 趣旨説明
「発掘された中世」
村山 卓(埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
10:30~11:15 基調報告1
「武蔵国 中世の道 ―「鎌倉街道」と枝道―」
斉藤 進(東京都埋蔵文化財センター)
11:15~12:00 基調報告2
「大山山麓に広がる中世遺跡」
松葉 崇(かながわ考古学財団)
12:00~13:00 昼食休憩
13:00~14:00 記念講演
「中世考古学を考える」 坂誥秀一(立正大学名誉教授)
14:00~14:10 休憩
14:10~14:40 基調報告3
「利根川堤防の下に眠る中世の村と墓」
渡邊理伊知(埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
14:40~15:10 基調報告4
「地中に埋もれた板碑」
砂生智江(埼玉県埋蔵文化財調査事業団)
15:10~15:20 休憩
15:20~16:25
ミニシンポジウム 「発掘された中世の姿」
16:25~16:30 閉会挨拶 金子直行(埼玉県埋蔵文化財調査事業団調査部長)
◆今回のセミナーで大収穫!!
それは
「歴史的農業環境閲覧システム」というもので
明治13年の地図が閲覧できることがわかったこと。
これが、わたし的には大きな成果でした。
<スライドの隅っこに出てた“出典”を見逃さず
素早くメモメモ!>
過去と現在の地図を比較できる「比較地図」もあります。
いままでいろいろな歴史セミナーで見てきた、
この、明治13(1880)年の「迅速測図」は
軍事的な目的により
陸軍主導で
実測された初の正確な地図らしく
江戸時代以前の地形etc. が古絵図ではなく
数値でもわかる“優れモノです”。
とくに高低差を見るには最適!!
江戸時代以前の
古い堀や川の跡なども
微妙な高低差ではっきりと知ることができます。
いつか関心のある地域の地図を
買いたいと思っていましたし(売っているのならば)、
「国立国会図書館デジタルコレクション」でも
うまく探せなくて難儀していたものなのですー。
さっそく休憩時間に自分の家や実家の地図を
チェックしちゃいましたよ!!
(今の家=畑、実家=田んぼ、でした)
<MEMO>
・大河ドラマ「真田丸」は結構、最新の考古学の成果が反映されている。
・かつて、中世の研究は「文献史」主導だった。
・考古学は「遺構」主義。
・中世の研究は、イギリス・ドイツでは盛ん。
(都市・交通・信仰・定住・経済・技術・墓地・城・教会)
墓地は社会構造を反映している。
・これからは「戦国考古学」の時代か?
・古代の道は政治(律令国家)主導で
とにかく真っすぐ、幅広く作る。
(谷は埋める! 地形などお構いなし)
・中世の道は村と村を結ぶもの、
ヒトの移動が重視されており、
地形に沿ってグネグネしている。
道幅は狭くなる。
・古代も中世も、道路の基礎(土台)の作り方は
あまり変わらない。
・江戸時代、都市部などはとくに削平されてしまっているので
中世の道を発掘するのは難しい。
・「大山山麓」は、246号バイパス、新東名高速などの建設事業が
集中的に進められているので、中世の寺院や屋敷、湯屋など
多くの貴重な遺跡が出てきています。
・江戸時代に作られた旧利根川堤防の下に、
中世の村(の一部)が良好な状態で埋まっていた!
首都圏氾濫区域堤防強化対策に伴う調査で発見。
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Posted at
2017/01/08 19:46:02