
・主要自動車メーカー7社の決算は昨年度よりも大幅に改善。やはりアジア、特に中国でいかに稼ぐかがカギとなるが、ホンダや富士重のように北米に依存せざるを得ないメーカーも
・2010年のグローバル需要は7200万台で前年の6400万台から13%増、主に中国市場の増加が要因
・今年度は、震災の影響でどのメーカーも今のところ収益予想を公表していなが、部品調達等状況が把握でき次第予想を公表するだろーが、ある程度の減収減益は致し方なしか
<トヨタ>
・売上高は18.9兆円(前年比0.2%増)、営業利益4700億円(前年比ほぼ3倍)、最終利益4000億円(前年比約2倍)
・ただ、単独決算だと売上8兆円、営業利益マイナス4800億円と昨年度に引き続きの赤字
・販売台数は731万台(前年比1%増)、日本(12%減)米国(3%減)欧州(7%減)で減少させているのに対し、アジアで17%増
・営業利益および最終利益と昨年度よりも大幅に改善しているが、営業利益率2.5%と日産・ホンダに見劣りするのは、やはり国内生産による原価高が要因であろう
<日産>
・売上高は8.8兆円(前年比17%増)、営業利益5400億円(前年比70%増)、最終利益3200億円(前年比約7倍)。増収要因は販売台数増加による4300億円、コストカットによる1100億円
・販売台数は389万台(前年比23%増)、日本では4%減だったが、北米21%増および欧州30%増で、中国にいたっては65万台で前年比40%増
・今後も中国での販売台数増加に対応すべく、工場を増設し2012年末までに生産能力を120万台までに
・欧州ではジュークやキャッシュカイ(日本名デュアリス)の人気が上昇中
<ホンダ>
・売上高は8.9兆円(前年比57%増)、営業利益5700億円(前年比57%増)、最終利益5300億円(前年比約2倍)。日本の売上高2兆円の2倍の4兆円(売上の4割)を北米で計上し、営業利益でも3000億円(約5割強)を稼ぎ出す
・四輪事業での売上高は7兆円、営業利益2600億円。一方、二輪事業で1兆円の売上高、営業利益で1400億円
・四輪の販売台数は351万台(前年比4%増)、日本(10%減)と欧州(21%減)で減少させているが、北米では12%増加。アジアでは前年比6%増の100万台を販売。二輪販売台数は1140万台(前年比19%増)でそのうち8割をアジアで販売
・北米依存は未だ変わらず。アジアに関しても、二輪で市場開拓しブランド・ロイヤリティーを確立、四輪へ繋げるという戦略は健在
<他4社>
・スズキの売上高2.6兆円(前年比6%増)、営業利益1100億円(35%増)、最終利益450億円(56%増)。四輪の販売台数258万台のうち163万台(全体の63%)がアジア、113万台(全体の44%)がインドでの販売。VWとの提携による効果は未だ未知数
・マツダの売上高2.3兆円(前年比8%増)、営業利益240億円(1.5倍)、最終損益は北米事業への特別損失計上でマイナス600億円の赤字。販売台数127万台のうち北米が34万台(27%)を占めるが、営業利益はマイナス320億円。技術やデザインが向上してきていると思うのだが、まだまだ数値に反映されていない
・三菱自動車の売上高1.8兆円(前年比27%増)、営業利益400億円(約3倍)、最終利益156億円(3倍強)。販売台数105万台のうちアジアが54万台(52%)を占め、営業利益の面でも日本マイナス130億円、北米マイナス30億円をでアジアの利益350億円で補填。i-MiEVに社運をかけるが、躊躇している間に日産に追い越される可能性も
・富士重工の売上高1.6兆円(前年比11%増)、営業利益840億円(3倍)、最終利益500億円(4倍)。販売台数66万台のうち北米が31万台(47%)を占める。ニッチメーカーとして生き残りをかけるが、トヨタとの小型スポーツプロジェクトは成功するか、最悪エンジン供給で良しとするのか
Posted at 2011/06/06 23:53:54 | |
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