
パトカー本としての代表格とも言える『パトカーマニアックス』シリーズが出版されなくなってはや数年、このまま大人の鑑賞にも堪えるパトカー本が観光されなくなるのかと思っていた所、突然ベストカー増刊として出版されました!
別冊ベストカー『平成~令和新時代 パトカー30年史』
編集:講談社ビーシー 発売:講談社
ISBN978-4-06-515554-7
2020年12月3日 第一刷
2009年に刊行された『パトカーMagazine』以来10年ぶりのベストカー増刊のパトカームック本ですが、今回は前回以上にボリュームもあり、濃度も濃い一冊となっています。
冒頭は現場の緊迫感があふれるグラビア(といっても良いのかどうかw)に続き、最新のパトカーは栃木県警に配備されたレクサスLC500やR35GT-R、警視庁のV70カムリWSや埼玉県警のVAG WRX S4などまで話題の警察車両が大々的に収録されています。その後は現役の車両を中心に、交通や警らの車両を写真中心に見やすくまとめながら紹介されています。本文らしい本文はチャプターごとに代表車種の説明程度であり、後は一枚の写真ごとに簡潔に紹介しています。これまでのパトカー本でも紹介される機会がなかったようなレアな車種や古い車種もまとめられており、中には警視庁の千葉県警のE34系BMW525i、静岡県警のJZX90マークⅡツアラーVのように、これまでのパトカー本ではなかなか見れなかったような鮮明に写った写真なども多々あり、思わず釘付けになってしまってなかなかページを読み進めません(笑)
それらの交通系の車両を表紙では『名車』として紹介している一方、”秘匿任務なのに存在感抜群の不人気車の数々”と銘打って『迷車』と韻を踏んで(?!)対象的に表現されているのが捜査車両。パトカーファンの方々には言うまでもないでしょうが、キザシやキャバリエ等のように大昔から”分かる人には分かる”車種が多いのですが、それは昭和の時代から続いてきたんだなぁ…と思わずしみじみ思ってしまうほど、1980年頃からの捜査車両の写真が掲載されているのですが、このコーナーだけでもお腹いっぱいになってしまうほど濃度が異様に濃いと感じてしまいます。パトカーマニアックスシリーズの懐かしパトカー画像コーナーなんて目じゃない!と感じるほどです。そして警護車両の欄も同様。昭和の警護車両なんてこれまでのパトカー本に掲載されることは少なかったですしねぇ…。言うまでもなく警護車両も最新の現役車種まで網羅していますが、それだけではなく皇室や総理大臣、更には各国VIPの専用車まで紹介されています…!というか、センチュリーロイヤルとかプリンスの御料車はともかく、紅旗まで掲載されているとは思わなんだ()
そしてパトカー本では定番の装備品解説の頁もあるのですが、これもまたこれまでのパトカー本とは比較にならないくらい丁寧かつ幅広く紹介されています。他にも過去30年分の警察車両の入札データまで…!警察車両趣味初心者でも玄人でも読み応えがあって楽しめる内容で、価格を考えると十分すぎるほどお買い得な一冊です!
あえて難点を書くとするなら、人員輸送車や指揮官車のような機動隊・警備関係の車両には一切取り扱っていないこと、クラウンのように全国的に配備されているような車種でも1車種あたりの掲載枚数は他のパトカー本ほど多くはないこと、そしてベースとなった車両のグレードに関する”車好き”的な観点で見ると今ひとつ痒い所まで手が届いていない紹介文で有ることですかね…(R31スカイラインの欄でエンジン型式をRB20ではなくRE20と記している、自動車雑誌としてはあるまじきミスも…)。と言っても、あくまでも重箱の隅まで突き回してアラを探し出さないと気にならない程度のものです。まぁ、もっとありえないとんでもない失態を晒してしまっている
更にダメダメな出来の本(こちらも自動車関係の書籍を出している出版社だったりします←)もありますしね(流石にこの著者はその後はあまりこういった本には携わらなくなった模様…?)
というわけで、全体的に見ると非常に満足度の高い素晴らしい一冊だと思います!前号のパトカーMagazineよりも2~300円ほど高めですが、ページ数だけで比較しても30ページ以上増えてますし、結果的には非常にお買い得です。
警察好きや緊急車両好き、そしてクルマ好きであるなら誰でも楽しめる本だと自信を持ってオススメできます!先ずは立ち読みを…と言いたいところですが、コロナ禍の影響でどの書店でも立ち読み対策が進められているのが現実。ビニールで梱包されて中身が見えない状態であっても迷わずレジへ持っていって買って帰って、家の中でじっくりと楽しんでもらいたいですw
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Posted at
2020/12/18 22:53:07