
ZESP3が始まることで何かと騒然としているEV界隈ですが、急速充電器を使っている人を見ていて「画面を見ていない人が多いかな?」という印象を受けています。
特に日産車オーナー。
見ているとしてもバッテリ残量のバーグラフ程度ではないでしょうか。
とはいえ街中にある急速充電器って画面が曇ってたり、太陽光下では全然見えなかったりと、充電器側でも「見て見て~」というアピールが少ないのも事実です。
さて、契約満了まで余裕のあるZESP2オーナーにはあまり関係のない話かもしれませんがZESP3が始まると、この充電器の画面は重要なインフォメーションが提供される場所になります。
先日「
第6回EVメインのゆるいオフ」に参加するべく、i-MiEVで出かけてきました。その往復時の急速充電時の画面を撮影してみましたので、ご覧ください。
●往路1回目、三菱自動車岡崎製作所

3台並んだ急速充電器の一番左端の1台で充電しました。
ここには3台とも HASETEC の製品ですが、
1台は50kW(最大電流値:125A)、2台が44kW(最大電流値:110A)となっています。
筐体を見ると左側の充電器は真ん中と右側の物と異なるので、おそらく左側のが50kW(最大電流値:125A)です。
時間当たり同じ単価なので、より多く電気が流せる(出力の大きい)機器で充電した方がお得なので、左端で充電しました。

む?
充電電圧が274V、充電電流が100Aとな。最大で125A流れるんじゃないの?
寒い中その後の経緯を見ていましたが、充電電流は100Aを越えることなく満充電に近くなり、電流制限が始まり減っていきました。
この左端の50kWとされる充電器については、前回「第5回EVメインのゆるいオフ」の際にも50kWの割には遅いと話題にしています。
・
急速充電器グランプリ
そして、たきりんさんもこれを受け調査してくれています。
・
HASETECの50kWの出力
この時も100Aが上限だったことが判ります。
50kWと言われていますが、信じてはいけないようです。
「50kWだ!わ~い」と充電をすると、44kWより損をすると...orz
●往路2回目、三重日産鈴鹿中央通り店
ありがたや、ありがたや(意味不明w)
ここは日産ディーラーでよく見かける
日産自動車製 44kW(最大電流値:125 A)の充電器が設置されています。
充電電圧262V 充電電流125Aです。最大電流が流れていますね。
●往路3回目、三重日産上野城北店
ありがたや、ありがたや(意味不明w)
ここも鈴鹿中央通り店と同じ
日産自動車製 44kW(最大電流値:125 A)の充電器が設置れています。
充電電圧269V 充電電流125Aです。ここでも最大電流が流れていますね。
<楽しい第6回EVメインのゆるいオフでのひと時>
イオンモール大和郡山店で普通充電にて満充電にしました。
●複路1回目、HONDAカーズ伊賀北 印代店

こちらには
JFEのRAPIDAS-Xが設置されています。
JFEのwebにて
RAPIDAS-Xは50kWの急速充電器と紹介されているように、
50kW(最大電流値:125A)との情報があります。
さて、その実力はいかに。

こちらは充電電圧は出なくて、充電電流だけの表示です。
充電電流100Aとな?え!125A流れないの?
ちなみに、こんなこともあろうかと、この手前にある 南山城村 道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村で
RAPIDAS-Rで充電テストを行っています。
情報では
50kW(最大電流値:125A)ですね。

こちらでは
125A流れていますね。
RAPIDAS-RとXで製品が違うので、何とも言えないですが、なんとなくHONDAカーズ伊賀北 印代店は制限がかかっていそうですね。
HONDAカーズは営業時間内だけの運用が多い中、伊賀北 印代店は24h使えるうえに「50kWだ、わ~い」と充電に行くと時間辺りの単価で損をします。
同じ地域にある
三重日産上野城北店か
日産プリンス三重販売上野中瀬インター店に行った方が確実に上限の125Aで充電できます。
ちなみに営業時間内に充電に立ち寄ったのですが、お客様の車が停まっており「充電したいのですけど」とセールスの方に話したのですが、最初理解して貰えませんでしたw
●複路2回目、東名阪自動車道 御在所SA(上り)
こちらには
東光高岳の50kW(最大電流値:125A)の機器が設置されています。
愛知県や静岡県の高速道路SAでよく見るタイプですね。
充電電圧270V 充電電流125Aです。
きちんと最大電流で充電できています。
SAに入る前にすでに充電中であることは確認してSAに突入しました。
日曜の夕方でしたので、しかたないですね。待ちが発生しているかと思ったら、2台のスペースには充電中のリーフとガソリン車が停まっていました...orz
リーフオーナーの方に確認したら、1回充電で終わるとのことで、待つことに。
いやがらせのごとくガソリン車の後ろを塞ぐように停めて待っていたのですが、こちらの充電終了まで戻ってはきませんでした。
当初3回目は伊勢湾岸自動車道 刈谷PA (上り)での充電を予定していましたが、路肩規制工事の影響で豊田JCTまで通過に100分かかる見込みとの情報を得たので、みえ川越ICで降り、国道23号も混んでいたので、国道1号に逃げて岡崎製作所で充電する方針に変更しました。
(こんなことなら御在所SAで充電せず、三重日産桑名江場店で充電すればよかったかも)
●複路3回目、三菱自動車岡崎製作所
情報については往路1回目を参照ください。そして往路1回目の結果を踏まえ、今回は3台あるうちの真ん中の1台で充電してみました。
充電電圧265V 充電電流110A
3台のうち2台は、44kW(最大電流値:110A)なので、外形が同じ真ん中と右端は情報どおり44kWタイプで間違いなさそうです。

ちなみに7分経過した辺りで充電電圧は290Vまで上がりました。
さて、ここでようやく今回の本題!
サンプル数は多くはないですが、高速タイプの急速充電器とはいえ、充電電流に違いがあることを知ってもらえたと思います。
ZESP2の場合は、使いホーダイプランの方は月額\2,000を払うだけなので単位時間当たりの充電量で金銭的に損をすることはありません、時間で損するだけです。
ZESP3では?10分毎の管理になります。10分間でいかに多く充電されるかが肝となり、単位時間当りの充電量が少ないのは金銭的も時間的にも損になります。
例として、270V125Aで10分と270V100Aで10分では
270V×125A×0.166=5,625Wh
270V×100A×0.166=4,500Wh
その差にして1,125Wh分損をしています。
きちんと充電器情報の掲載されているサイトの情報を元に充電スポットを選ぶことが必要になります。
・
GoGoEV
・
EVsamrt
掲載されている情報でも、今回の結果のように内容に疑問が発生することもありますので、さらなる詳しい報告が必要かもしれませんね。
次に重要なのは、車両側で充電電流が制限されているということです。
リチウムイオン電池は満充電に近くなると充電電流値を絞って充電する制御がされています。
私のZE1 40kWリーフではバッテリ容量60%までは、フルに充電がされますが、60%を越えると電流制限が始まります。
詳しくは過去のブログ記事を参照ください
・
急速充電中のLeafSpyログ取得
ZE1 40kWリーフの場合、バッテリ容量90%を越えたら急速充電はやってるだけ無駄です。折角の44kW充電器でも半分以下の出力でしか充電されていません。
すでにEVに乗っている人には耳にタコな話ですが、
急速充電する時のポイント
・急速充電器の出力を把握する
・自車の充電制限を把握する
これに尽きます。
ZESP3ではこれらが顕著になりますので、ご注意を~。
充電器の画面には充電電圧や電流の貴重な情報が表示されています。
※一番の問題はこういった情報を日産ディーラーのセールスが知らないこと