
商品レビューです。
今日の商品は写真のこちら。ネットワーク対応、録画機能付きの監視カメラです。
planexのスマカメ2 スタンダードになります。
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planexでの商品説明はこちら「CS-QS10」 (planex社へのリンクです)
車だけでなく、防犯対策にこれら監視カメラの需要は高いと思います。
自分も車庫への侵入者対策に何かよいものはないかと、各社の製品を物色していました。
そんななか、こちらの品は実売\9,000弱で、有線LANと無線LANの両インタフェースに対応していて、カメラの画素数も200万画素でFull HDでの動画撮影が可能です。
周囲が暗くなると自動的に切り替わる赤外線暗視(ナイトビジョン)機能を搭載しているので、夜間の撮影も期待できます。
ということで、入手して動作確認をしてみました。
以下に設置を含め、機能に関してまとめました。
●撮影画像について

こちらが車庫に設置して蛍光灯を付けた状態の動画切り出し画像。
仕様書から画角は130°(対角)、76°(垂直)、103°(水平)とのことです。
みんカラの私のヘッダ画像にあるリーフとS2000の間に設置された6kW普通充電器がありますが、その上に置いて得られた画像になります。

夜間はこんな感じ。
さすがに左右の壁までは赤外線が届かないようで、写ってはいませんが、正面はシャッター面までけっこう遠い所にも届いています。

怪しげな人物がリーフのボンネットにいたずらをしている所。w
ブログに掲載するため800×450にリサイズしていますが、元の1920×1080の画像ではこの状態で人相までは識別できません。
カメラ手前まで近づくと、赤外線が強いのか顔に当ってハレーションを起こしてしまい人相がわかりません。
カメラから1m程離れれば識別可能でした。
防犯記録として使えるかと言えば、まぁ使えると思います。
少なくとも誰かが侵入して車にいたずらをしていたということは記録できます。
とはいえ、犯人逮捕の決め手になるか?と言えば、その点は微妙です。
●動画機能について
肝心の動画機能ですが、連続録画のほか動体検知(感度を最高/高/中/低の4段階から選択)での記録も可能です。
録画はmicroSDに記録可能で、連続録画する場合には1GBで1時間記録が目安です。
動体検知に関しては4段階の感度で設定できますが、精度が一定ではないです。
「低」で検出されないので「中」にしてもまだされない時があり、「高」にしたら誤検出だらけなど。
昼間と夜間で同じ「中」なのに検知精度が異なるなど。
夜間など窓から外の明かりが画面の一部に差し込むだけで動体検知されてしまいます。画面を区画で区切って、検出無視エリアを設定できればよいのですが、それができません。
このような状況なので、動体検知にてAndroidやiOS端末に通知を行う機能があるのですが、これははっきり言って使い物になりません。
誤検出を含め通知が来まくるので、自分は早々に端末側で通知を切りました。
肝心な時に録画されていないことも稀にあります。ということを考えると、連続録画にするのが一番安心なのかもしれません。が、これでは確認が大変です。
アプリにてスマートプレイバック機能が有料にて提供されていますが、これもどれだけ使い物になるかは甚だ疑問です。
同シリーズの製品に「
スマカメ対応クラウドレコーダー」という製品があり
Amazon Kinesisに処理を投げられるものがあります。
常にAmazon Kinesisにストリーミングで渡し、リアルタイムで分析処理した方がよいかもしれませんが、Amazon Kinesisでどれだけのことが可能なのか、どのように自分で分析処理のプログラムを組むのかが不明なので、何とも判断できません。
●設置に関して
設置に関しては仕様に由来するのですが、気をつけなければいけない点として、簡単に人の手の届く範囲に設置することはNGです。
・LANケーブルが抜かれる
・本体電源ケーブルが抜かれる
・記録メディアであるmicroSDが抜かれる
これらをされたら、アウトです。
近頃は犯罪者といえど、このような製品の知識は頭に入れていると思うので、カメラがあると判断したらmicroSDは抜いていくでしょうね。
●設定に関して
以前
XIT-AIR100Wを購入した際にも指摘したのですが、昨今のネットワークに接続する機器は、誰でも簡単に設置できるように配慮がされた製品になっています。
本製品も基本的にはLANケーブルに接続をするだけで、IPアドレスなど基本的なネットワークの知識を知らなくても使える製品になっています。
というか、説明書のどこを見てもIPアドレスやサブネットマスクの設定をする箇所や説明すらありません。(DHCPサーバで払い出しされるIPアドレスで動くので、DHCPサーバが必要なことくらいは書いてもいい気がするけどなぁ…)
なので設定などというものはそれほど意識せずに、有線LANの場合はLANケーブルを繋ぐだけで、無線LANの場合はWPSボタンを押すだけで使うことができます。
んが、これってセキュリティの観点からはやめて欲しい仕様です。
この製品ですが、電源ONになりネットワークに接続がされると、planexで用意されているサーバに「製品番号○○番の私、電源ONになってインターネット上のここで動いてますよ」という通知を定期的に投げています。
基本的には
XIT-AIR100Wの解析編で紹介した仕組みと同じです。
この通知ですが、基本的にルータで抑止できないポート番号で行っています。
許可を得ることなく、勝手にこの製品はEtherNetパケットを知らないサーバに対して投げ続けているのです。
これってAndroidやiOSでインストールしたアプリが知らないサーバに勝手に通信をしているのと同じことです。
せめて製品の説明書に、こういった動作の説明はしっかりしておくべきだと思います。
サーバ側で入手したデータはきちんと管理されていて、planexぐらいの会社だから問題を起こすことはないだろうと思いたいですよね。
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PLANEX 会社案内(リンク先はPLANEX社の会社案内です)
あとはIPアドレスはサブネットマスクを含め手動で設定できるようにして欲しい、本品はDHCPクライアントでのIPアドレス取得しか対応していません。
簡単設定と詳細設定の2パターンを選択で選べるようにして欲しいです。
こんなもの会社のどこかにこっそり設置されたらたまりません。そろそろこのような製品の対策にDHCPを受けたい全ネットワーク機器のMACアドレス管理やルータでのMACアドレスフィルタリングを検討しなければいけない時期になってきました。
なお、簡単に設置できる反面、これが仇になっている設定に関する部分があります。
・任意のIPアドレスに設定できない
これは先ほどから指摘しているとおり、DHCPクライアント機能でIPアドレスが決定しており、任意のIPアドレスを設定することができません。
これが災いして「
スマカメ対応クラウドレコーダー」を使用した際にちょっとした問題が発生することがあります。(
これについては後日詳しく)
・任意の無線LANのSSIDに設定できない
WPSを使用しない場合、SSIDを指定する必要がありますが、SSIDの入力ミスで接続できないことを回避するためか、通知されているSSIDの中から選択するようになっています。

このためセキュリティ対策で非公開にしているSSIDに接続することができません。
・無線LAN機能を無効にできない
設定の中を見渡しても無線LAN機能を無効にする設定がありません。
このため、一度無線LANで公開SSIDを選択して接続をしてしまうと、この設定を無効にできません。
調べてみたところ有線LANと無線LANの同時使用の際には有線LANが優先的に使用されるようです。このためループ構成が発生することはないですが、無線LANアクセスポイントへの接続動作は行っているようで、無線LAN側のアクセスログにやり取りが残ってしまいます。
メーカにこの点問い合わせをしたところ、工場出荷時に戻してSSIDをデフォルトのTEST-WIFIにすることでログには残らなくなるとの回答を得ました。
無効にさせてくれ~
あと、出荷時設定ではSSIDがTEST-WIFIに設定されています。
試しにTEST-WIFIのアクセスポイントを立てて、セキュリティ設定をなしにしたところカメラと接続ができました。有線LANケーブルを繋いで有線LANで通信をすると無線LAN側の通信は無効になりますが、無効にならなければ設定もmicroSDに記録されたデータも撮影画像もアクセス可能です。(最初にカメラとのパスワード認証がありますが)
これもなんだか怖い仕様ですよね。
やはり使わない機能は無効にしたいです。
●要望事項
設定に関する要望は前項で挙げていますが、それ以外の点です。
本製品はマイクとスピーカが設置されています。記録された動画は音声入りです。
スピーカに関してはアプリ側から任意のタイミングでこちらの音声をスピーカから出力することが可能です。
折角スピーカが設置されているので、動体検出で録画をする際に開始音を出せるようにして欲しいです。
この音が犯罪抑止に繋がることもあります。またこっそり録画したいという要望もあると思うので、現在の無音と両方選択できるのが好ましいですね。
●総評
素人でも簡単に設置できて便利に使える本製品ですが、それと引き換えにセキュリティ面から見ると厄介な製品でもあります。
本内容が皆さんの製品選択の一助になれば幸いです。