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2017年08月09日

【随時更新】マツダの次なる解は超リーンバーン過給+アップスピーディング!

【随時更新】マツダの次なる解は超リーンバーン過給+アップスピーディング! 昨日のマツダ技術開発長期ビジョン説明会にて「SKYACTIV-Xの技術概要」が発表されました。
 既に知られているように、絶えず要求馬力が変動する自動車においてHCCI燃焼を安定して継続する事は難しく、日産などは既にHCCIはやらないと明言しています。

もげ. 07/23 14:14
日経AT8月号 可変圧縮比の全貌「HCCIの運転領域は狭い。広げるには適切な量まで排気量を増やす『アップサイジング』が必要で、摩擦損失が大きくなる。日産は過給器と組み合わせて排気量を減らすダウンサイジングで、摩擦損失を究極まで減らす」

 マツダは点火プラグ近傍に空気過剰率λ≒1な濃いミクスチャを導入し(3D-CAD図を見るとヘッドの上から細いインマニが刺さっているのが見える)、si燃焼で火種を作る事で周囲のリーンなチャージの圧力をコントロールし任意のタイミングでci燃焼させるようです。
 マツダが過給器という文言を敢えて避け「エア供給機」と表現している装置も気になります。どの位高負荷までci燃焼するのか解りませんが、ci領域はλ>2(日経ATのweb記事による)という事ですから相応の過給圧になる筈。マツダのプレゼン資料ではターボ過給ダウンサイジング(1.5TSi evo?)を大きく凌ぐ加速レスポンスを達成しているので、ターボチャージャではなさそうですが。。。
***** 8/11追記 *****
 某掲示板の情報をもとに3D-CADの絵をよ~く眺めると、黄色い部品の先端にVリブドベルトがかかるプーリが見えました。「エア供給機」とは機械式スーパーチャージャで間違いないでしょう。また資料31頁ではまったく形の異なる二つのトルクカーブが並んでおり、例えば容積式と遠心式とか異なる方式を並行してトライ中なのかもしれません。
 なお、これでSKYACTIV-Xがスーパーリーンブースト機関であることは明らかですので、併せて表題に「過給」の文言を追加しました。
***** 追記おわり *****

 さて、この辺りの技術推論は多くの方がブログでやって下さるでしょうから、私は「じゃあ、それで走りがどう変わるの?」に着目したいと思います。
 マツダは以前から過給ダウンサイジングの(高速・)高負荷燃費は悪い!と指摘していましたが、過給ダウンサイジングのメリットはなにも低中速時の燃費だけではありません。NAに対し低中速トルクを底上げする事で巡航からアクセルを踏み足した際のトルクリザーブを厚くし、シフトダウンせずとも十分な中間加速が得られます。このドライバビリティ上のアドバンテージが過給ディーゼル+MTに慣れた欧州で過給ダウンサイジングsi機関が受け容れられた理由の一つです。いくらマツダが「燃費が悪い!」と騒いだところで、ディーゼルに慣れたアチラのユーザが今更フラットトルクで中間加速に劣るNAガソリンに戻ってくるとは思えない。。。と書かせて頂きました。

2017年05月21日 結局「誰も見ていない真実」の真意とは。。。

 しかし「SKYACTIV-Xの技術概要」37頁以降にその疑問への答えも書いてありました。本日記TOP画のBSFC(Brake Specific Fuel Consumption=正味燃料消費率、略して「燃費率」)マップがそれで、解り易くする為に少し追記してます。これを見るとマツダは6速をオーバードライブにするのをやめ、シフトダウンせずに最高速まで加速出来る様にするらしい。ダウンスピーディングならぬ「アップスピーディング」!
 今時100km/h巡航時に3,000rpmも回るのは一部の小排気量車やスポーツカーを除けばもはや珍しい。カタログ燃費を意識した過度のダウンスピーディングで最近の車が押並べて糞なドラビリに陥っている事を思えば、これがどれだけドラビリ向上に寄与するかは容易に想像できましょう!スバルがCVTとの一蓮托生を決め、トヨタが8AT・10ATでオペレーティングポイントをCVTに近づけようとしているのとは対照的。

もげ. 06/28 23:20
そう言えばMFi最新刊の「博士のエンジン手帖」もスバルFB20だった。かなり厳しい評価。100km/h巡航時は1600rpmらしい。そりゃあシフトダウン無しには加速しないだろう!でもNA+CVTで巡航燃費を良くするにはこうするしか無いのよね。。。(涙

 それにしても。。。アップスピーディングによる燃費悪化を帳消しするだけの低負荷BSFC改善を、ダウンサイジング+レスシリンダー化無しで達成したマツダには恐れ入ります。思えば昨年の日経AT誌7月号「ダウンサイジング終焉」にてマツダの人見氏は「A/F=30でHCCIして排気量を倍にして同じトルクを出す」と仰ってましたが、例えば2リッター直4を4リッターV8にアップサイジングしたら摩擦損失は倍になるのでA/F=30(λ≒2)化による図示熱効率の向上代は消し飛んでしまいます。人見氏もこの点については口をつぐんでいたので「『アップサイジング』はブラフで実際には難しいだろう」と予想はしていたのですが、2リッター直4のままで「燃費の目玉」をこれほど低負荷側まで広げてくるとは。。。!
 なおプレゼン資料の41頁では、SKYACTIV-Xに先立って投入される気筒休止化された"SKYACTIV-G upgrade"が紹介されていますが、相変わらず自社だけ高負荷域がカットされたBSFCカーブを並べているのはまぁご愛嬌か。。。(^^;

2016年03月03日 【'17/5/16追記】「誰も見ていない真実」をExcelで描き直してみた。

もげ. 06/27 07:14
スバルFB20DIのBSFCカーブ。他社の「誰も見ていない真実」に倣ってか、自社の高負荷域データは隠すのが慣例化している模様(涙。全負荷トルクカーブによれば1600rpm時でもBMEP10barは超えそうだが。。。

もげ. 09/19 19:57
「落書き帳」さんによるSKYACTIV-Xの燃費率(BSFC)に関する予想を含んだ考察。いつも勉強になります。。。http://blog.goo.ne.jp/dqnjunkie/e/59ac12d160db04cc7cb7a5e1124d393e

もげ. 11/02 20:05
CG誌のSKYACTIV-X試乗記で「変速機はMT、ATともにクロースレシオ化された」とあったけど、6速100km/h時のエンジン回転数はどれ位だったのだろうか。。。http://cvw.jp/b/325353/40215410/

 CG誌12月号でSKYACTIV-Xのギヤ比に触れられていたのですが、「AT/MTを問わずクロース・レシオに変更されたギヤボックスのステップアップも適切…」という以上の記述は残念ながら見つかりませんでした。

もげ. 11/02 21:34
@vertin 「燃費率の目玉」が広がれば理屈上はドラビリと巡航燃費は両立が可能な訳ですが、「変速機の段数は多いぼどエライ」「巡航時のエンジン回転は低いぼどイイ」的な価値観にも挑戦しなくちゃいけないんですねマツダは。いっそ初代オデッセイみたくタコメータを廃止したらどうだろう。(汗

 シフトダウンなんかしなくてもアクセルさえ踏めば即座に馬力が出るリーフやノートe-POWERにタコメータはありません。とは言えマツダのプレゼンによると古典的な「高回転の伸びの良さ」も訴求する様ですのでタコ廃止は流石に無理か。。。(汗
 かつてのSKYACTIV-D 2.2のエンジン性能曲線みたく、タコメータの目盛を不等ピッチ(例えば3,000rpm未満はピッチを縮小、3000rpm以上は拡大)に細工してはどうでしょう?

もげ. 12/14 12:23
マツダがアップサイジングを諦めてルーツ送風機を採用したのは税制(排気量に依存)+商品性(リッター当り出力が半減)の問題らしいが、そもそもアクセラのエンコパにNAとは言え4リッター超のエンジンが入る見込みはあったのか?いっぺんその姿を見てみたかった気はする。。。

もげ. 04/13 17:52
改良型アコードHVのBSFCマップ。「目玉」の中心は208g/kWhに達しT社式(42.1MJ/kg)で計算すれば熱効率41%を僅かに超える。ちなみに断片だけ切り取って他社をdisってた某社は「ピンポイントの最大熱効率を競う競争に巻き込まれたくない」として公表しない方針らしい。

これがその某社へのインタビュー記事。
「スカイアクティブX」エンジンとHCCIの違いを教えよう マツダ常務執行役員・広瀬一郎氏に聞く

「むしろ幅広い負荷領域で高い熱効率を持つエンジン」を誇るのであれば、VWの1.5TSi evoの如くBSFCマップをドヤ顔で公表すればいい訳で。過給ダウンサイジング勢力に自らケンカを売っておきながら、相手がリングに上がってきたら「競争に巻き込まれるのはイヤ」とばかりに降りてしまうのでは、ファンとしてはシラケてしまいますね。。。

もげ. 05/23 23:35
①スカベンジはNOxがスルーするからNG、②エンリッチもCOでダメ。λ=1領域でも③大出力時はキャタ容量が足りない。。。ディーゼルゲートのとばっちり(RDE)でガソリンエンジンも前途は多難である。NAと言えども①以外は同じ。

もげ. 05/24 23:48
driver最新刊。アップサイジングを主張してきた人見氏らしく「デミオに2.5L載せたら面白くなります」とする一方、SKY-D1.5をこの排気量で開発した理由を「サイズ的に載らなかった」と語る。氏が非難する排気量税制が仮に無かったとして、NAスーパーリーンバーンは日の目を見たか。

もげ. 06/09 21:09
ベストカー最新刊「よくわかる熱効率の話」。鈴木直也氏は「正味熱効率」と「図示熱効率」の違いを知らんのだろうな。図示熱効率は摩擦損失を含まないのでチャンポンにしたら比較にならない。

もげ. 07/23 20:09
クラリティPHEVの「正味」熱効率は最高40.5%。3気筒じゃないのは残念だが、リタードでBSFC増加に転ずる高負荷域を他社みたく隠してないのに好感。https://www.honda.co.jp/factbook/auto/CLARITY-PHEV/201807/P13.pdf

SKYACTIV-Xを搭載した市販モデルの試乗記が出回り始めましたが、とうやら動力性能確保を目的としたアップスピーディングは断念されたようですね。

もげ. 07/20 23:36
MAZDA3 SKY-Xの6速100km/h時エンジン回転数は2200rpm。パワーピークは6000rpmだから明確なオーバードライブ。2年前の資料ではSKY-Xは燃費の目玉が広いので6速をオーバードライブにする必要が無く、シフトダウン無しでDE並に強力に加速するという話だったが

もげ. 07/23 19:34
最新のBSFCマップと比べると、燃費の目玉が当初狙った程には右下方向に広がらず、アップスピーディングは断念したか。https://motor-fan.jp/images/articles/10010622/big_1557993_201907150114120000001.png

もげ. 07/29 20:34
「ドイツの幹線道路では上り勾配のたびにシフトダウンを求められる」「ダウンサイジングターボ(中略)e-POWERなどを知る人にとっては、それこそ夢のような感動をもたらすとまでは言えないだろう」https://www.webcg.net/articles/-/41258

もげ. 08/25 18:17
市販SKY-Xの省燃費性能が生きるのは50km/h巡行時。2年前から大分後退しちょる(涙。https://www.automobilrevue.cz/rubriky/clanky/technika/mazda-skyactiv-x-ochuzena-smes_47374.html

もげ. 12/06 22:41
人見氏が「λ=2で排気量を倍に」「排気量で税金を決めるのはやめて」と主張してたのでSKY-Xのルーツ送風機を外して4リッターV8にしたBSFCカーブを妄想してみた。アップサイジングによるフリクション増が災いして低~中負荷はダメダメ。V6にレスシリンダー化すれば多少マシになるが…

もげ. 05/28 21:45
SKY-X、高速メインにゆっくり走ればディーゼル並みの低燃費(https://amba.to/2TLpELK)。でも普通に走ったら燃費はライバルのターボガソリン・ユニットよりわずかに優れる程度(https://bit.ly/2zGYdf0)。この左図の特徴がまんま現れてますね。

もげ. 10/22 23:28
技報にCB18のトルクカーブとBSFCマップが載ってたので重ねてみた。うーむ、SKY-Xもそうだけど「大人しくエコランすればディーゼル並みの低燃費。でも普通に走ったら…」ていうのが、現時点におけるスーパーリーンバーン機関の現実かもしれない。。。
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Posted at 2023/02/28 14:59:29

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この記事へのコメント

2017年8月10日 7:28
エア供給機って何でしょうねぇ。スーチャーの様にも見えませんしねぇ。
コメントへの返答
2017年8月10日 21:41
コメントありがとうございます。
 散々他社をコケにして「ウチはアップサイジングでやる!」と吹聴してたので、今更「過給」とは言いたくないのかも。(笑

 某掲示板に「ベルトをかけるプーリが見える」との書き込みがあったので、3D-CADの絵をよーく見ると黄色い部品の先端にたしかにそれっぽい物が見えますね。。。
 プレゼン資料31頁には95RON/91RON両仕様のトルクカーブが並びますが、カーブの形がまるで異なっているのも面白いです。容積型vs遠心式とか、異なる方式をトライ中なのかもしれませんね。

 
2017年8月10日 10:21
こんにちわ。
かつてマツダの人見さんは某雑誌のインタビューに答えて「燃費率の良い領域が広いエンジンが出来れば、ミッションなんて3速もあれば十分!」と豪語していました(^_^;)。
そりゃ理屈はそーかもしれないが現実には、、、とその時は思っていましたが、こんな図を堂々と見せられてしまうと「恐れ入りました!」と観念するしかありませんね(苦笑)。
いやー2019年3月までにこのエンジンが次期アクセラに載って市販されるってことで、楽しみですね♪
コメントへの返答
2017年8月10日 21:57
こんばんは、コメントありがとうございます。
 e-POWERの大ヒットで多くのドライバが「踏んでもすぐに反応しない」車に潜在的な不満を抱いている事が示されたと思います。従来エンジンにCVTをポン付けして、ドラビリと引き換えにオペレーティングポイントを「燃費の目玉」に寄せることばかり考えてきた他社は是非見習って欲しいですね。。。

 現行SKYACTIV-GのBSFCマップが徐々に研究機関等により明らかになってきて、マツダは早く6ATを何とかしないと今後厳しいのでは。。。と余計な心配をしておりましたが、まさに「恐れ入りました」です!!
 アップサイジングこそしませんでしたが、排気量を現状維持で低負荷BSFCをここまで下げるにはフリクションロス対策にも何かブレークスルーがあるのではと期待しています。今後のより詳細な情報開示と、2019年の登場が今から待ち遠しいです!

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