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2014年11月15日

ディアマンテの夜

ディアマンテの夜  今から24年前の1990年、三菱からディアマンテというセダンが発売された。当時はまだ懐メロとして「イヨマンテの夜」という歌が有名で、多くの人がそっちを連想した。時代はまさにバブルを迎えR32GT-RやホンダNSXの登場があまりに鮮烈過ぎて、このディアマンテに関しては個人的には印象が薄かった。最近、偶然に過去のベストモータリングでこれが特集されているのを見つけ、あらためてこの“豊かな”時代を興味深く振り返ることができた。




 このビデオはまるまるディアマンテを特集してあり、中谷明彦、国沢光宏そして徳大寺有恒が登場する。最初にアンジャッシュの児島に似た三菱の技術担当者が「イヨマンテじゃねぇ、ディアマンテだよ!!」と言わんばかりに、真面目にクルマの開発経緯を話す。
 中谷明彦は、サーキット走行でのクルマの特性、そして北海道での美女とのクルマデートという設定で鼻の下を伸ばす。




 しかし、ここでも特筆すべきは徳大寺有恒の発言だ。当然このような企画ではメーカーから広報車を借りだし、半ば販売促進の協力という内容で行われるはずである。中谷明彦もクルマをなるべく褒るような無難な言い方に終始している。しかし、徳大寺に場面が切り替わると美辞麗句はいわず本質をすばりと言いきっている。 の16:28あたりからの話は本当に最近まで通じることだ。日本車がメルセデスやBMWのデザインをまねるのは恥ずかしいことだと思ってもらいたいと苦言を呈している。




  では6:35より高級セダンにおけるFFや4WDの意味、12:40からトラクションコントロールでのダブルスタンダードを“おためごかし”と批判。
 そしてでも6:30あたりから、こういうクルマにとって大切なのは「自然感」でありそれはスムーズな走りや曲がり、しっかりした止まりでそれをもっと追究すべきだと言っている。つまりはディアマンテに欠けるのはそこだと。






  とても20年以上前のクルマとは思えない上質なデザイン




  ディアマンテは、上の内装の写真を見てもわかるように、とても真面目で丁寧に作られたクルマで様々な先進的な装備も考案された力作だった。名前のディアマンテはスペイン語でダイヤを意味し、社名の三菱に由来するいわばラフェラーリ的な名前だった。もしビデオの中に徳大寺が登場しなければ、理想の最新セダンとして皆が憧れたかも知れない。
 しかし、当時のメルセデスやBMWのセダンの走りというのは、メーカーの技術者がなんと言おうと国産車では再現できない差があった。それはみかけのギミックな装備やパワーにあるのではなく、徳大寺がいみじくも言った「自然感」なのである。彼はそれこそが高級セダンの本質であることを言いたかったのだ。




  このビデオを通覧すると、やはりこの時の徳大寺有恒の評論はメーカーに遠慮せず思ったことを言い、本質を突いた優れたものだったと感じる。なによりそれはクルマを買う人達のことを思いやり、そして日本車に良い方向に進化していって欲しいという願いからだったと思う。一方、レーサーである中谷明彦の論評はほとんど役に立たないことが分かる。コーナー脱出時のトラクションがどうのとか言っても、このクルマでサーキットなんか走らないし、スライドさせて公道も走ることもない。ダートを車高を変えて走る機能を同乗の女性に説明しながら走るシーンも滑稽だった。番組最後に出てくる国沢光宏の税制改革によるクルマの説明も蛇足だ。





  ディアマンテは15年後の2005年に生産を終える。この間三菱はリコール隠し問題で苦境に立たされた時代だった。三菱はかつては零戦、今は国産ステルス戦闘機や小型ジェット機をもつくる優秀な企業であり、その栄光ある名前を汚さず、これからもいいクルマをつくってもらいたいものだ。
















ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2014/11/15 17:50:58

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この記事へのコメント

2014年11月15日 18:24
その昔、当時出たばかりのまさにこの初期モデルのディアマンテに乗っていました。 色はイメージカラーのカバリアグリーン。 新税制に対応した2.5L

そのBMWっぽい?デザインに一目惚れして実車も見ずにカタログだけ見て契約しました。納車まで3ヶ月もかかりました(^^; 確か発売当初は6ヶ月待ちでした。

結局1年半しか乗りませんでしたが、普通に走る分には過不足なく良い車だったと記憶しています。
その後、国産高級車を乗り継ぎましたが、輸入車に接する機会が増え、国産車と足回りやシートなどの違いに愕然として今にいたります(笑

もう24年も前なんですね。 懐かしいなぁ~。


コメントへの返答
2014年11月15日 19:30
まあ!Q45さんはオーナーだったのですか!? 驚きです。 (・。・;
 こうしてビデオで見ると、相当な意欲作だったと思います。全体として今見ても古臭さをあまり感じさせませんよね。
 でも、本質的なところでは徳大寺氏の指摘するように、至らなさがあったのでしょうね。
 私はこの時期、BMW525iをホンダレジェンドから乗り換え、その走りに惚れてしまいました。エンジンフィール、ステアリングフィール、足回り、すべてに上質な感覚。本物は違うと思いましたね。
2014年11月15日 18:52
こんばんは。

ずいぶんと懐かしい時代のお話ですね。

このクルマは今から見てもかなり先進的な装備を備えていたんですね!
フルタイム四輪駆動始めいろいろと豪華な装置が付いていたのは何となく記憶にありましたが、
車高調はあまりなかったんではないでしょうか?

それにしても、FF V6エンジン 横置きだったんですか!
誰が思いついたんでしょうか、いかにも楽しくなさそうな設定ですね。

これが出た当時、デザインがいかにも三菱といった感じで、全く興味ありませんでした。
その頃自分はLegacyに乗っていましたが、Golf GTI目指して貯金に励んでおりました。



コメントへの返答
2014年11月15日 19:48
 こんばんは!

 ディアマンテ、びっくりですよね。こんなにいろいろな技術が満載されていたなんて。
 私もShimogamoさんと同じで、デザインを見た時点で、NGでした。というか上にも書きましたがBMW5シリーズかメルセデス260Eにするか悩んでいて、結局BMWを選んだ時だったので。


 三菱・・・、凄い技術集団だと思いますが、今は高級セダンはやめているようですね。
ディアマンテがトラウマになっちゃたのかな。難しいですね、クルマ造りって。
2014年11月15日 20:47
三菱のクルマって、昔から、何となく独自スタイルだったっけ。
僕は、初代ミラージュに乗っていましたが、普通の乗用車なのに、副減速機が付いていました(汗)

でも、このころの三菱は元気でしたね。
2代目ディアマンテは本当に陰に隠れたイメージだったけど、今と比べるとはるかに元気があった(笑)

独自デザインの国産車、今ではちらほらあるのかな?
コメントへの返答
2014年11月15日 22:28
そうですね。三菱のクルマは若者にも人気がありましたね。実は息子のクルマを購入する時、三菱フォルティスが候補にあがりました。でも、スバル・インプレッサを見たらより本物っぽいクルマだったので、こちらにしました。今の三菱車のラインアップ少し淋しいですね。
2014年11月16日 1:55
 こんにちは。
 この時期のギャランやディアマンテ景気には助けられたモノです。

 辛辣な意見が売りモノの徳大寺氏にしてみれば、確かに中身の薄い車だったかも知れないですね。
 違う形で警察のパトカーの評価で随分正価を暴かれました。
 本当はこの後のF20系がディアマンテの真骨頂だったんですが、今度は世間の評価が低くてこけました。

 つくづく、日本人ってまともに車を評価できないなぁと、この車で思い知りました。
コメントへの返答
2014年11月16日 9:35
 こんにちは。

 ギャランといえばギャランシグマが思い出されます。なんだかんだ言ってもこのころは皆元気ありましたね。友達もランサー乗ってかっ飛ばしていましたし。
 上級セダンって80点か85点かの世界だから、その5点にこだわると評価がガラッと変わりますね。
 日本人は雰囲気や流行のイメージでクルマを選ぶので、真面目につくっても売れないことがあります。売る側のメーカーは大変でしょうね。
 でも航空機もつくれる三菱は日本の誇る企業だと思います!

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「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
  2007年型カレラ4に乗っています。オールシーズン、日常の足として使用し、すでに10万キロを越えました。  カレラ4の乗り味は、ゆっくり走ればメルセデス、...
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