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堅雪かんこのブログ一覧

2007年11月08日 イイね!

あり得ない出来事

あり得ない出来事  カンボジアのアンコールワットに旅したとき、みやげ物売りの少年や少女に囲まれた。ここはあと100年経ってもこのような生活が続くんだろうなと思った。ある地域に文化が発達する要因は複合的である。すべては偶然なのだけど、あたかも申し合わせたように様々なことが、まさにその時起きなければならない。

 19世紀の終わり頃、オーストリア・ハンガリー帝国のベーメン王国の小さな村マフェルスドルフで、ブリキ職人の第三子として生まれた子が、911の歴史の始まりである。
 そう、フェルディナント・ポルシェの物語だ。彼も彼の兄弟のように普通に生れていたら、父親の後を継いで平凡なブリキ職人としてこの田舎で無名のまま人生を終わっていたであろう。だが彼は子供の頃から抜きん出た才能を発揮していた。彼は55歳で独立するまで5つの会社を渡り歩いたが、その仕事ぶりは超人的であった。一言で言えば、採算度外視でひたすら未来を見据えた技術の進歩に没頭した。そのため会社の上層部とも何度も衝突したという。今注目されているハイブリッドなんて1900年頃には作っていたから驚きである。

 しかしながら、この天才技術者は911そのものの開発には直接かかわってはいない。すでに亡くなっている。だのに、なぜ直接関わった息子のフェリーや孫のブッツィでなくフェルディナント・ポルシェなのか!?
 それは、話せばどっさりとその歴史的背景が出てくるが、これも要約すると、ヒットラーとのコラボでのフォルクス・ヴァーゲン(国民車)計画であのビートルを作ったことが大きい。国家事業として開発や走行試験(アウト・バーンも並行して建設された)で徹底的に作りこまれた。その流れがポルシェ356、そして911へと続く。

 フェルディナント・ポルシェの生きた時代は、ドイツが二つの世界大戦に破れるという波乱万丈の時代であった。しかしヨーロッパの貴族階級や資産家が車を買ったりレースを開催したりした。そして超個性同士の邂逅、あるいは競合により今のドイツのメーカーの発展の基礎が出来た。もちろん戦争とも無縁ではない。ドイツ車が根暗なのは、そういった負の遺産も抱え込んで発展してきたからである。女をひっかけるかっこよさとは逆のどこか兵器っぽいところがある。

 上の写真は、フランスでの抑留生活から解放され、疎開先のグミュントで撮られたものである。356の横に立っているフェルディナント・ポルシェの顔と356の顔を見比べてみると笑ってしまう。瓜二つだ。

 911のオーラとはまさに、人類史上あり得ない歴史的偶然により作られた。0-100km/hや最高速でこの車を抜く車が出ても、この歴史性は唯一無二のものである。

 こういうものもしょって911乗りは走っている。本人にはっきり自覚がなくても意識下ではひしひしと感じているはずだ。この車の魅力に惹かれるとは、すでにそういうものも含まれているからだ。

 でもまさかプリウスの原理もポルシェだったなんて、知っていましたか?
Posted at 2007/11/09 00:22:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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「@terry997 人のクルマにのせられる時それを少し意識します。自分の運転の時はしないけど。(^_^;)」
何シテル?   05/02 14:49
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