堅雪かんこのブログ一覧

　　今日から改正薬事法が施行される。カゼ薬や胃腸薬などの一般用医療薬（大衆薬）販売の規制が緩和され、コンビニでも薬剤師ではなく登録販売員によって9割の大衆薬が買える。これは今までのドラッグストアにとっては脅威だ。（薬剤師さんにとっても脅威？）

　さらにもしかしたら開業医にとっても連鎖的に大きな影響が出るかも知れない。今回もインフルエンザ騒ぎがあったが、そもそも普通の健常人にとってはカゼやインフルエンザなどでわざわざ病院にいく必要なんかない。症状がひどければ二三日家で寝ていれば自然治癒する。それ以上に不現性感染といって明らかな症状が出る前に治っていることの方が多い。また発熱は病気を治すプロセスだ。（このことも医療界できちんと認識されだしたのはここ10年くらいである。それまでは熱→解熱剤が常識だった）
　夜間救急を強いられている勤務医にとっては軽症患者の受診の減少は朗報だが、開業医にとってはこのような患者が収入源の多くを占めるので来なくなったら痛いところだ。


　うつ病も似たようなところがある。うつ病、あるいはうつ状態なんて実は自然治癒することの方が多い。誰も言わないけど。だが、「職場のメンタルヘルス」とか「自殺予防」というお題目で、多くの「うつ病」を国をあげて発掘しているのが今の現状だ。それに新しい抗うつ薬であるSSRIを大量に売り込もうとする製薬会社のプロパガンダがある。彼らは医者に面と向かってこう言う「先生、このクスリは最大投薬量まで使ってください。そうすると効き目が出ます。うつの他アレにもコレにも効きます」

　それがどうだ。今日のNHK「クローズアップ現代」でSSRIで攻撃性が増す副作用があると今度は喧伝している。うつは早期に見つけ抗うつ薬を飲んだ方がいいと言っていたのもこの番組だ。もちろん、クスリは適切な使い方をすれば効果はある。脳そのものの不調で起きるうつ病ほど効く。だが「悩み」を「病気」にパッケージした人には抗うつ薬はなかなか効かない。

　自分の健康に関しては基本的に自己責任。あまり人の言うことを鵜呑みにしないほうがいい。体が健康かそうでないかは気分というモニターが常に知らせてくれるはずだ。

　そしていつかは衰えて死ぬということも忘れないように。


　　だから、元気なうちにいいクルマに乗ろうね！！　認知症になったら免許取り上げられるよ～。