
アクティブトレッド技術のタイヤ来秋発売予定だそうです。
アクティブトレッド技術【発表会見記事引用】
天候によって路面環境は変化します。
その変化に1つのタイヤで安全に走行するには限界があります。
このような路面環境変化は安全、安心な運転に不安をもたらすものですが、アクティブトレッドではそのような常識を覆すことに挑みました。
従来は路面環境や使用用途に応じてそれぞれに合ったタイヤを用意し、そしてそれらのタイヤの性能を引き上げるための技術開発を進めて参りました。
すなわち従来は複数のタイヤのカテゴリを設け、その性能バランスを変えることによって安全を担保してきたのです。
これらのタイヤの性能を分析していくと着眼したポイントがありました。
それはそれぞれの性能項目において路面環境が異なるという点です。
具体的には温度の違いと水の有無です。
そしてアクティブトレッドでは『路面環境の違いを性能向上に利用できないか』という点にです。
アクティブトレッドを搭載したタイヤは晴れの日はドライグリップや燃費に優れた性能を発揮します。
そして雨が降ると水に応答してウェットグリップに特化した性能が発生。
また、雪が降るとその低温に応答してアイスグリップに特化した性能バランスへとゴムが性能スイッチします。
すなわち1つのタイヤであるにもかかわらず、路面環境変化に応答して複数のタイヤ性能を持つのがアクティブトレッドであり、今までのタイヤにない全く新しい発想の技術であります。
アクティブトレッドにはゴムが水で柔らかくなるタイプウエットの技術と、ゴムが低温で柔らかくなるタイプアイスの技術があります。
タイプウエットの開発コンセプトは『ドライ=ウエット』で、これは晴れの日と雨の日のブレーキ距離を同じにするというものです。従来のタイヤでは雨の日のブレーキ距離は長くなりドライバーは不安を感じますが、アクティブトレッド技術にて雨の日のブレーキ距離を晴れの日と同じものとすることでドライバーの不安を解消することを目指しました」と特徴を解説した。
ポイントは3つあります。
スイッチの繰り返し、スイッチの時間、スイッチの厚みです。
スイッチの繰り返しは晴れと雨のスイッチを繰り返し発現させることに対する技術で、イオン結合の導入により実現しました。
スイッチの時間および厚みはゴムに水を素早く浸透させる技術とトレッドの最表面だけをスイッチさせる技術で、それらは材料内の水浸透ネットワーク構造の導入により実現できました。
ドライとウェットのスイッチの切り替えに対する技術については、繰り返しを持たせるためにイオン結合を選択しました。このイオン結合水がない状態ではプラスとマイナスが結合しています。
一方、水が加わるとその結合は解離します。
そして乾燥させると再び結合が戻ります。
このような可逆性のあるイオン結合の適用を進めて参りました。
もちろん従来のゴムの結合である共有結合ではこの現象は起こりません。
記事ではこの後も説明が続きます。
オールシーズンタイヤのイメージは、ドライブ、ウェット、スノー、アイスの路面にそこそこ対応した器用貧乏なタイヤです。
しかし、アクティブトレッド技術で作られたタイヤだと『そこそこ対応』から『それぞれに対応』するものに性能がアップする可能性を感じました。
直ぐに思い付く懸念は2つ。
1.新技術の商品はお高い=メーカー採用に時間がかかる。
新車購入時に『アクティブトレッドタイヤ』が選択できないと夏タイヤでしょうから冬シーズン到来したとき山がタップリ残っているタイヤから冬タイヤと『アクティブトレッドタイヤ』のどちらをを選択するでしょうか。
私ならお安い方を選びます。
2.説明されている『スイッチ』にかかる時間です。
冬、雪が溶けても陽当りの悪いところって雪が残っていたりしますよね。
そんな道路を40km/hで走っていて、ドライから残雪の状況にさしかかったとします。(1秒の空走距離は11.1mです)
陽当りの悪いところって大抵は道路が曲がっていたり、残雪て道路がデコボコしているんですよね。
タイヤ一本の接地面積は、ハガキ1枚分の幅(約10cm)ですので0.09秒以内に『スイッチ』してくれないとタイヤが一周しないと性能が発揮されません。
発揮されないとズリっといきそうです。
というわけて一瞬で『スイッチ』してくれないと安全に走れる気がしません。
まさか「ドライからウエットやスノーにさしかかったら安全のために徐行してくだしい」なんて注意事項が付いたりして。
まあ、発売されても暫くは交換予定がないので注視はしておきましょう。
Posted at 2023/11/22 20:52:14 | |
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