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人生において転換期は、誰しも訪れるものだけど、時として一生の途中で性別を変更する人たちは、決して少なくはない・・・。
かつて、強い男を演じるために、または純粋に少年のハートでFRスポーツカーを愛し、スカイラインを愛し、ツインカムターボを愛し、マニュアルで手足のように操ることを愛してきた少年も、社会的に男として生きることに行き詰まりを感じ、一転してレディとして残りの人生を生きることを決心したとき・・・。
次第にアクセルを床まで踏みこむことへの情熱は薄れ、黒い2ドアボディにフェミニンなファッションで乗り込むことに違和感を感じ、経年変化と共に故障箇所が増えて修理代が嵩むようになってきたことをきっかけに、一転して燃費が良くて可愛らしいデザインをした現行キューブに乗り換えた・・・。
そんなMTFと呼ばれる、元少年の女性の物語を知ったとき、当方としては複雑な心境だった・・・。
’91 日産 スカイライン 直6縦2.6T 2ドア GT-R 5速MT AWD (58.0) 5.29(1480kg/280馬力)
改めて32GT-Rの外観デザインを見て、スポーツクーペと言えどこれ程にレディースファッションが似合わず、どこか男の一人部屋みたいな雰囲気を持っている・・・そんな気がしたものです。
思えば、911だってフェラーリだってM6だってR8だってガヤルド・アヴェンタドールだって、ドレッシーなレディースファッションが、それなりに似合うじゃないですか?
新車当時、あれ程に走りの良さが絶賛され、日本のスポーツカーの基準にすらなった32GT-R。
あれから20年以上の年月が過ぎ、当時は最強だった2.6Lツインカム・ツインターボのRB26DETTに、電子制御トルクスプリット型4WDを組み合わせ、当時のグループAではワンメイク状態にまでなる程の最強マシンだったけれど、今乗ってみると、何ともトルク感が薄いエンジンでターボらしい加速感はあるけれど、M5の560馬力を知った身体には、普通にパワー感あるスポーツクーペの一つ、に過ぎなかった・・・。
それでも、32GT-Rは、今も偉大なクルマだと断言できる。
何故ならば、32スカイラインの全ラインナップ中、最もエンジンマウントがしっかりしてて3ペダルMTと組み合わせて、最もクラッチミートがやりやすくて、結果最も乗りやすい32スカイラインだったことは間違いないから。
これが、2LターボのタイプMになると、低速トルクの薄いエンジンでAT前提の弱いエンジンマウントで、余程上手く発進でクラッチミートしないと、エンジン本体がガクガクブルブル震えて、クラッチミートのタイミングを外すとエンストしかねないから・・・。
今回の物件は、社外ラジエーターでサーキット等の連続走行にも耐えうるようになっており、サスペンションもテイン製の車高調で交換後あまり走行していないもの。
エンジン本体・タービンはノーマルながら、触媒から後方を交換した砲弾型社外マフラーと組み合わされる。
車高調が新しかったことで、経たった車高調独特の底付き感はなく、GT-R用に補強されたボディとの組み合わせで、路面の凹凸を拾っても硬さはあるけれど、衝撃の収束性に優れたもので、クルマの動きが非常に心地良いものでした。
更に、インテリアに行くと、ステアリングが社外のナルディに交換されてて、シフトノブが社外になっていた以外はノーマル。
純正のモノフォルムバケットシートは、ドライバーによっては相性が合わないこともあるようですが、シートのホールド性面で言って、当方にとっては非常にマッチングが良いものと思った・・・。少なくとも、タイプM純正は×。脇腹付近の圧迫感が強い割に、ショルダー部分のホールド性が著しく低かったから。
そんな純正シートも、本物件ではへたり気味でシート座面は抜け気味でした。
ステアリングも、出来れば純正に戻したいと思った。と言うのも、路面の凹凸に対する収束性を含めると、ある程度のステアリング重さのある純正の方が、遥かに操作性に優れていると思うから。
また、ステアリングボスが長めになってて、ステアリング位置が手前になってたのもNG。これだと、ステアリング操作する腕のスペースを確保するために、どうしてもシートバックを寝かせた姿勢を取らざるを得ず、純正シートとの組み合わせでショルダー部分のホールド性の弱さを感じたから・・・。ということは、ステアリング位置が手前になった34スカイラインのGT-Rって、それでショルダー部分の張り出しが大きい形状になってるんだね。^^;
加速性の話をすると、加速が持続する感はあったけれど、ギア比が高くてレッドゾーンを使い切るには、ある程度のスピードレンジが必要な感じはした・・・。これも、6速になったら、ある程度解決するのかな?ファイナルギアをローギア化したのでは、高速巡航が辛いクルマになっちゃうから。
レディースファッションが似合わないGT-Rだけど、元32タイプM乗りだった当方としては、話が尽きない・・・。
日産 キューブ 直4横1.5 15X・ロルブーセレクション CVT FF (156.5) 10.81(1200kg/111馬力)
その意味で言えば、キューブだと、また新たに特別仕様車が出てお洒落なインテリアをした仕様が出たんだね、で大概の話は済んでしまう・・・。
と言うのも、それ以外は基本的に普通のキューブだから。
CVTでエンジン回転を高回転に・・・というのが難しくなり、というかエンジン自体が実用エンジンだから、そもそも高回転まで回そうという気にならない、というのはあるのですが。
それは良いとして、ドライビングポジションに違和感あるのが相変わらず、というのは如何なものか?
背高の割にステアリングコラム低く、シート形状がどうにも身体にしっくりこない・・・のも今まで通り。
それでも、「この瞬間が日産車だけ」なのは、ステアリングインフォメーションが高くて、フィーリングが心地良いこと。この感覚は、格安中古でもマークⅡよりはローレルだね、とかクラウンよりはセドリックだね、に近い。
MTF当事者の当方はどうか?
32タイプMは、車検切れ前に手放して、いきなりキュート系ミニバンに移行・・・はしなかった。
燃費求めて、でも走りは譲らず13シルビアQ’sを経て、2ストジムニー・ロードスターを経て、クルマで商売を・・・と軽自動車を何台も買っては売っての日々・・・。
そして今、低燃費を徹底的に求めるために、再びMT乗りに復帰して、HA23Vアルトバンに乗っている・・・。
キューブに乗り換えた方は、アクセルを踏み込むことへの情熱は失ったけれど、当方は未だに失ってはいない、どころか復帰すら目指している雰囲気なのだ。
そんな当方が、キューブで満足するわけないでしょ?
ならば、どうにかしてレディースファッションが似合うようにモディファイしてでも、
32GT-R支持です。
提案として、モコ・ドルチェのセンスを拝借して、ボディカラーをモコピンク(それか、シックにダークグリーン)にして、インテリアをドルチェ風にベージュを基本としながらも、革張りシートにして中央にブラウンを入れて・・・って、これが32GT-Rに果たして似合うか・・・?