試乗記ではなく、妻の車をN-WGNからN-BOXに買い替えました。
未だ500km未満で試していない機能もありますが、初期インプレッションを書いてみたいと思います。(長文です)
・購入グレード G・L Honda SENSING 4WD
車両重量950kg
タイヤサイズ 155/65R14(現在はスタッドレス、サマータイヤはBS エコピアEP150)
指定空気圧 F・240kpa R・230kpa
N-WGNの時は自分も妻もダイハツ(MOVE)、スズキ(スペーシアカスタムとワゴンR)を試乗してN-WGNに決めました。
ただ、今回は急遽買い替えとなったのと点検・車検で代車となった先代(初代)N-BOXに妻自身が違和感が無いという事、先代の中古も有ったのですが新車を乗り継いだ妻はあまり気乗りしてないようなので新車を推しました。
自分は試乗せず妻に試乗してもらってOKが出たので決めました。
グレード選定にあたっては一番安い「G」で良かったのですが、小柄な妻にはシートリフターが無いとポジションが決まらなかったのでシートリフターが装備される「G・L Honda SENSING 」に決めました。
下から2番目のグレードですが装備は結構充実しています。
スライドドアは片側電動、イージークローザー、サンシェードが標準、ベースのGであっても4WD車にはシートヒーター、ヒーテッドドアミラーが標準で、ナビ装着パッケージにはリアカメラとビルトインETC車載器が標準(価格アップはしないがセットアップ料金は別途)。
付属はマット・バイザー・ウインターブレードに純正エンジンスターターを加えました。
このエンジンスターターは工賃込で4万数千円なのですがなかなかの優れもので、社外品のような明確な音でのアンサーバックは無いのが惜しい(緑LEDが点灯してスタート確認出来る)のですが、外気温に応じて空調コントロールがオート作動する(4WD車はヒーテッドドアミラーが外気温が低いとヒーターと共にONになる)事が冬季には非常に便利と思います。(夏場はエアコンON)
さて、納車されたところから初インプレッションとなったのですが、改めて座ってみるとダッシュボードの位置が結構高めにあると感じます。
自分のポジションだとステアリングチルト機構を最上位にして、シートリフターを最上段から7ノッチほほど下げた辺りが丁度良い位(但し、シートにはMu-lenメディックダンパーを装着してあるので、座面は標準よりも高い)ですが、小柄な妻にはシートリフターは最上位でないとポジションが取れません。
どの骨格・・・この車種は女性がターゲットと思われますが、設計時のドライバーの標準骨格はどういう設定なのでしょうか?シートリフターが無いグレードの座面位置はリフター付の最下段辺りだそうで、これだとシート位置を低い設定とした位置でなにもかもが決められている感じがします。
そうなると、小柄な方はダッシュボードが高くて前が見づらいという事になります・・・これでグレードを決めるという事であるのは本来間違いと感じます。
余談ですが、私の母もこの点だけで現行ミライースの一番高いグレードを買わざるを得ませんでした・・・それでもシートクッションが必要な位にシート座面後部が低いのです。
少なくともシートリフターは全グレードで標準装備として頂きたいと思います。
まず、納車されてエンジンを掛けて走り出した最初の印象は「加速が鈍いなあ・・・」でした。
エンジン型式は違えど出力・トルク値は同じなN-WGNよりも70kg重いのでまあ仕方ないかと思いましたが、意に反してスピードメーターが指す速度は体感予想よりも最低5km/h以上速いので速度感が薄い車と気づきました。
エンジンはそれ単体ではなく、変速機と組み合わせて車の走りが決まると思います。
今回は新エンジンでCVTは加速や一定速ではN-WGNとさほど変わらない印象ですが、タコメーターが指す回転を見ているとアクセル加減で結構回転数が上下しているので、そこは・・・例えばミライースのように変速重視でエンジン回転を抑え込むのとは違いレスポンスや扱い易さも考えているのかな?と感じます。
減速は若干のエンジンブレーキを従来よりも効かせる方向に変わっていまして、アクセルオフ時に1500~1800回転をキープしながら変速をして行っている感じです・・・当然、減速感は体感出来ます。
それに伴うブレーキですが、これもN-WGNと大きくは変わりません。
左足ブレーキでコントロール出来るものではありますが、踏み始めの初期が曖昧なので探って行きながら制動Gを掛けて行かなければならないのは残念な部分です。
そしてCVTやアイドリングストップ機構との協調制御ですが、これは改善されています。
未だアイドリングストップが2・3度しか働いていない(外気温が低い、ヒーターを効かせている)のですが、N-WGNの制御はブレーキを踏み減速を続ける→時速10km/hを切る辺りでエンジンがストップ、それと同時に駆動がカットされる→意に反してブレーキが効く(制動Gが強くなる)のでブレーキ踏力を抜く→スムーズに止まりたいので踏力を抜いていくと、停止寸前でブレーキの液圧を読み取るのか?(多分そうです、完全停止時に停止している最小限のブレーキ踏力をキープすると、時折ブレーキを踏んで下さいとメーターに表示されてましたし)発進するとECUが判断して突然エンジンが掛って駆動が掛り前に進もうとするので、再度ブレーキを踏み込む・・・というギクシャクした減速・停止となっていたのですが、このN-BOXは減速・停止時のギクシャク感が半減しています。
ただ、半減なのでこれがちゃんと制御出来るようになって欲しいものです。
停止寸前でスムーズに止まるにはブレーキは抜く操作が要るんです。
ボディはどうでしょう?・・実は、外観はあまり大きな変化が無いので2代目でプラットフォームは刷新されないだろうと思っていました。
ですが走ってみると足回りの落ち着きや、ボディも少しシッカリした感じもある・・・フロアからボコボコと不快な音も随分と抑えられたかな?と感じたので調べたところ、ほぼ9割の部分でプラットフォームが刷新されているという事が分かりました。
特にリアサスペンションのバタつきが代車で借りた先代よりもかなり抑えられていて乗り心地が良くなっています。
これはN-WGNよりも良いと思います・・・ただ、個人的にはもっとしっかりと路面に立ってるという張り感が欲しいのですが・・・。
全体で言えばダルい車・・・ですが、おっとりとして大きな不満は無いのがボディと足回りでしょうか。
フロントスタビライザーが標準なので、コーナーリング初期の安定性はあります。
タイヤを外してみたところ、結構太いスタビライザーを採用してあり、簡易計測で24mmほどありました。
単に太さではなく、支点からの距離やスタビリンクの長さ等でスタビライザーの効かせ方は変わると思いますが、トレッドが狭くて背が高い車にあってはこういう太さが必要なのかなと感じました。
ちなみに、現行オデッセイも太めのスタビライザーが採用されているので、現在のホンダのトレンドなのかもしれません。
電動パワステはどうでしょうか?
速度によってアシストが可変する(可変し過ぎるきらいも)のは従来と変わりませんが、N-WGNに比べて路面をちゃんとトレースしている感じはあります。
ステアリングギア比はクイックな感じですが、意外と綺麗に走れる気がします・・・これは?と取説を見ますと、「アジャイルハンドリングアシスト」とあります・・・「ステアリング操作に対し、必要に応じてブレーキを制御してスムーズなコーナリングを支援」との説明。
これでコーナーリングがスムーズに・・・確かにどう効いているか?は全く分りませんが、曖昧さはなくて以外にもスキッとしたコーナーリングが出来るように感じます。
ただ、こういう機構はブレーキメンテナンスがちゃんとしていないと、後々違和感が起こりそうな気がするのです。
ブレーキフルードとグリスアップという車検のメンテナンスだけでは不十分ではないか?そう考えます。
そして電動パワステは車線逸脱システムやLKAS(車線維持支援システム)にも関与しています。
車線逸脱システムはセンターラインを越えると警報と共にステアリングを戻そうとモーターが働きます・・・当然ながらセンターラインが無い状況では作動はしません。
まあ、これは良いんですが・・・問題はLKASの方です。
65km/hから効くこのシステムは、セットした途端にステアリングが重くなります・・・つまり、主導権を電動パワステが握るのです。
手を離したり、ステアリングの握りが甘いと「ステアリングを握って下さい」というアナウンスがメーターパネルに出るのですが、カメラで捉えた車線の幅の真ん中をとにかく狙って行こうとするので、轍、横風で左右の偏りが出るとそれを戻そうと働くのです。
そこにタイムラグが出る、戻し過ぎる・・・自分の狙ったラインがあるとして、それを否定する動きをする事もありました。
これは・・・ハッキリ言って要らない機能で、まだまだ試作レベルじゃないかなあ・・・と思います。
後で高速道路で本格的に使ってみようかと思いますが・・・おそらくかなり違和感があるだろうと想像します。
あと、個人的に気になった・・・というか嫌いなのがLEDヘッドライト。
あまりにカットラインがハッキリし過ぎて遠方が見にくい&ハイビームはあまり明るさを感じない。
これはお袋のミライースでも感じます(ミライースは暗いです・・下から上に反射させるってのはどうなのか?と)。
実際に対抗車ですれ違うと明るいというかウザい時もあるんですが、自分が乗ってみると省電力以外のメリットが無い気がします。
個人的には従来の電球タイプが好みですね。
あとはドアミラーの見え方です。
側面の湾曲が強い?のか、側面(隣の車との)距離感が取りづらい、駐車ラインの間隔が分りにくい・・・このガタイの小ささで、なんでこんなにスーパーの駐車場で悩まなきゃならないのか?と思う程。(12mのバスの方がよっぽど楽)
これは要改善を求めます。
まとめてみますと、先代やN-WGNと比べても乗り易いのは良いけども、余計な装備が多い。
そして上記のミラー・・「目で見て判断する部分」がイマイチだなあ・・・と思います。
刷新・・・非常に惜しいですね。
あとはサマータイヤでどういう感触になるか?
これは後々に。