12月30日、朝。
ここの所、西部戦線(注1)の任務についていた我が第13戦闘航空機隊は久々にベース基地に帰還していた。束の間の休息。しかしすぐ次の任務が迫っている。
俺はハンガーでこの時を静かに待っていた愛機に乗り込み・・・
注1・・・関東西部~中部、甲斐地方の事
イグニッションをオンにする。
カタカタカタ・・と電磁ポンプのリズムを聞きながらタイミングを計る。
2度程クランキングの後、火が入った。
いつもの儀式。
だが、現代の安楽な機体に慣れた若いパイロットには始動すらコツを要するなんて信じられないかも知れない。
Esprit S3戦闘機。
少々古い機体だが俺のお気に入りだ。
関越ラインを北へ1時間弱のフライト。
今日は旅客機、貨物輸送機がやけに多い・・・
最も運行スピードが速いとされるライトレーンに舵を取り・・・
さすが戦闘機、後ろを視認したパイロットは次々とレーンを譲ってくれる。
だが中にはそうではないパイロットも多くライトよりセンター、レフトレーンのほうが流れが速い時もある。それは今日も変わらない。
教官の訓練が足りないのだろうか?
「ちっ」仕方ない。
こういう時は最も速そうなレーンを使うだけだ。。。
第一中継地点、上里カンターレ基地が見えてきた。
戦闘機専用グリッドを探す。
512TR制圧戦闘機ですぐに分かった。
さすがに迫力がある。。。
可変吸気口システム搭載のムルシェラゴ戦闘攻撃機の横で翼を休める事としよう。
こうやって並べてみると・・・
まるで零式艦上戦闘機とP51Dマスタングのような差がある。
いや、F86セイバーとF15イーグルか?
こんなのにロックオンされたらどんなパイロットも退避行動をとるに違いない。
512TR制圧戦闘機。
今回の作戦の指揮をとるハリー・ガヤ指令と「榛名の赤い彗星」の異名を持つキム総督の愛機だ。
自分も乗ったことはあるがハイウェイでは無敵であった。
こちらにも翼を休める戦闘機群。
抜群の信頼性を誇るM3戦闘機。
形は大人しめだがその戦闘力はすこぶる高そうだ。
夜の繁華街迷彩を施したこの機体は第55戦闘機隊長、マーチャ大佐機に違いない。
360モデナ戦闘機。
識別プレートが無いのは極秘任務直後なのだろう。
各エースパイロット達がお互いの近況を報告しあう。
今回の目的地から迎えに来てくれたコバ♪大佐機。
冬季迷彩のホワイトが眩しい。。。
そして中継基地内ビュッフェでランチを。
疲れた戦士達にはパラダイス♪だっただろう。
この後、再フライト。目的地を目指す。
が!ここで安易にハリー指令にくっ付いて行けば良いと考えてたオレは・・・
丁度ライン分岐点でレフトレーンを飛行する本隊とライトレーンで自基地に先に帰還するキム総督の512TR戦闘機に挟まれ、512をハリー指令機と見間違え、挟まれた格好でセンターを飛行し本隊とはぐれてしまったのだ。
暫くするとキム総督から無線が。
「どうした13、作戦から外れてるぞ!」
・・・はい。ゴメンナサイ。赤い彗星が3機もいて分かりませんでした。。。
ハリー指令とは無線が繋がらない。
無理もない。スペシャルエグゾーストで武装したあの機はとてつもなく爆音なのだ。
しかしオレも「西部のあずき色の悪魔」と呼ばれた男だ。
作戦に支障を引き起こす訳にはいかない。
仕方ない。今日は作戦に参加していないマタ・ターヴィ空軍基地に連絡を試みる。
「こちら13、koba♪基地までの誘導を頼む」
「はい、●●観光です。えっ?お世話になります。ありがとうございます。」
「!?・・・」混線してるのか?
どうやら年末の激務ですぐに状況が把握出来なかったみたいだ。
そんなこんなでようやく合流。
一際目立つ戦闘機ですぐに分かった。
これが北部戦線(注2)にひっそりと建造されたkoba♪空軍基地か!!
注2・・・関東北部、群馬・栃木地域
カイエン爆撃機も余裕で停められる。
こちらのパイロットも実はそれぞれポルシェ997戦闘機、最新鋭のマクラーレン戦闘機乗りなのだ。すげ~~。
素晴らしい。
各戦闘機が余裕で停められる。
中にはkoba大佐機のF355戦闘機が保管されている。
程度バツグンのXR。もちろんボディーにクラックなど無い。
ハリー司令が密かに狙ってるという噂も・・・
刀や隼などの軽戦闘機も!
こ、これは・・・
ひっそりと暮らすガレージ基地なのか??
リフト完備でメンテナンス面も抜かり無し。
基地の訓示でしょうか?
仏像も並べられています。(司令官、無断で画像借りましたm(__)m)
ご本尊はもちろんF40阿修羅天です。(撮り忘れました)
休憩スペースから愛機が眺められます。
低い位置から見えてF355の美しいボディーラインが堪能出来ます。
ここでkoba♪大佐自らパイロット達にお茶が振舞われます。
おもてなしです。
最新鋭のマクラーレン戦闘機にお乗りのヨツバ大佐でさえ「今後の参考にします」と言う程の素晴らしい基地。。。
いや~。。。
きっと犠牲にするモノもあったであろう、
理想の基地を実現させたkoba♪さん。
素晴らしいです。
そうしてkoba♪基地視察のミッションを無事終えたオレは帰還フライト中、空調の壊れたS3戦闘機内で震えながら我が基地の改善点を検証していた。。。