皆さま、あけましておめでとうございます。
相変わらず仕事が忙しくなかなか更新できませんが、今年もよろしくお願いいたします。
で、首都圏が予報を上回る降雪に見舞われた翌日の1/7、ホンダ ステップワゴンが正式発表(だけど事前公開)されました!
以前から初代を踏襲したデザインになるという情報がリークされていて、スパイショットなどからシルエットはたしかに初代を想起するプロポーションであることはわかっていました。が、全貌が公開されて嬉しい誤算でした! とにかくデザイン品質が高い!ですね!
「プレーン」という言葉が真っ先に浮かぶ、シンプルなデザイン。キャラクターラインもすっきりまとめられていて好印象。それはこのクルマのコンセプト・キャラクターから、圧倒的に水平基調でまとめられているからでしょう。それでいてゆるやかにラウンドした面で構成されていて、とにかく面質が良い!と思います。
そのコンセプトもあいまって、フロントデザインもシンプルで良いですね! いまやこういったミニバン=グリルがでかく、銀ギラメッキ!が主流となってしまいましたが(最近は軽スーパーハイトワゴンにも波及、スズキのスペーシアカスタムはやり過ぎ、MCでグリルデザインを抑えてくるかと思ったらまさかのさらにエスカレート! 始めたのはトヨタの現行アルヴェルあたりかと思いますが、その扇動ぷりはスゴイですね)、その潮流に食傷気味で、「ミニバンは欲しいけどあのセンスは・・・」というユーザも確実に存在すると思います。今回のステップワゴンはまさにそういった流れへのアンチテーゼ、一石を投じつつも、同時に完成度が高く、多くのユーザーに受け入れやすいデザインと思います。そういう意味では、スパーダのフロントデザインも、キャラクターを損なうことなく派手すぎず、良いまとまりではないでしょうか。
あとリアの処理もうまいですよねぇ。
縦長のリアランプは誰もが「初代オマージュ」と感じる記号性。逆に言えば、「これさえうまく取り入れられたらデザインの制約はむしろ低くなる(振りシロが大きくなる)とも言え、伸び伸びとしたスタイリングのデザイン開発に寄与しているのではないでしょうか。
それにしてもリアからの眺めもクリーン&シンプル、気持ち良いデザインですね。
(ただ個人的には、初代がバンパー回りを跳ね上げ気味にして軽快さを印象付けていたのに対して、今作はボリューム過多で「重い」印象があるのが気になりますが、このクラスを購入するユーザーは「広さが正義」。むしろこのリアヘビー感は歓迎されるかもしれません)
インテリアもシンプルかつこれまでのシリーズの集大成的なデザインですが、こちらも無駄なラインがない「クリーン」という言葉を感じさせる良好な内容だと思います。
(開発時のイメージスケッチ)
こういった箱型ミニバンは自分は興味の範疇外ですが、2代目以降のステップワゴンに、トヨタ、日産でなく、ホンダのステップワゴンが良いのに、コレジャナイ感のフラストレーションを持たれていた、ミニバン愛好ユーザーも多かったのではないでしょうか。
そんな「待ち望んでいたユーザー」に、歓迎をもって迎えられて欲しい、と心から思います。
思えば、ステップワゴンの歴史は、殊にデザイン面でいえば「迷走の歴史」だったと思います。
偉大な初代を超える新しいモデルを、との思いがありていにいって空回りし、
①「新しいステップワゴンの提案」のはずが「初代ステップワゴンに似て非なるもの」になってしまい、
②「初代を超える」を市場に問うた筈がユーザーから否定的な反応を受けてしまう、
③それを受けて改めて別の提案をするもさらに否定的反応倍増、の悪循環。
・・・・というのが個人的な印象です。
私自身は、(サイドの斜めのキャラクターラインは不満ながら)3代目の低全高ステップワゴンはアリだと思いましたが、市場からは受け入れられず、同時にそのあたりから、デザインはいよいよ迷走度が増していったと思います。
先代も一部にわくわくゲートは好評で迎えられましたが、デザインが市場に受け入れられたとはいいがたいものがありました。全体のプロポーションのアンバランスさもさることながら、個人的には、当のわくわくゲートを強調するべくデザインされた? 左リアのウエストラインのノッチ型の左右非対称の切り欠きデザインが大きくマイナスだと思います。箱ミニバンとはいえ、いわゆるウェッジシェイプ的な、前から後ろに向かって反りあがるラインが望まれるなか、「後ろ下がり」を印象づけるこのデザイン処理は、結局本モデルでは放置され続けました。(専用ガーニッシュパーツは用意されていましたが)。
そんなことからも、最近のホンダには「ユーザのニーズを認識していないメーカーの独りよがり」的な印象をもっていました。
そこへきての、今回のステップワゴンのリリースです。ようやく、ホンダはデザインに関して混迷の時代を脱したのでは、と嬉しくなりました。まぁ、実際には、現行FIT(これも市場の反応は冷ややかですが、デザインというより価格帯が影響していると個人的には思います)や現行ヴェゼルやHONDA-eあたりからその潮流は起こっていたのかもしれませんが、今回のステップワゴンが”反撃の狼煙(のろし)”となることを願ってやみません。
それととともに、このデザイン言語の路線で今後の開発は行って欲しいですね。個人的には同じく原点回帰をコンセプトにCR-Vをリメイクして欲しいです。(いや、CR-Vは大きくなり過ぎたので、今は亡きクロスロードのリニューアルかな。
というわけで、昨年末にリリースされた
スズキ アルトのエクステリアデザインにもいたく感動したのですが(ホントはそっちのことについて書くつもりでした)、それに続くこのステップワゴン、と
「イイモノ」感漂うプロダクトデザインを見られるのはまさに眼福です。
「こいつぁ春から縁起がいいや!」と思いました。新型コロナと(忘れちゃいけない)それ以前からの消費増税による慢性的な不況の出口は見えませんが(この国の人たちは、脱出する意思すらないようだし)、最近忘れかけていたクルマの良いニュースでした。
そういやこのステップワゴン、全くのブランニューなのに既視感が・・・と思ったら、これに雰囲気似てませんか?(^^;
ホンダ That's です。
もっともこのクルマもマイクロ(2代目)ステップワゴン 的テイストでしたので、そういう意味では、今回の6代目ステップワゴンは、ようやくかつてのホンダのデザイン系譜に戻ってきた、といえるのかもしれません。
Posted at 2022/01/09 12:01:50 | |
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