3月3日までの会期で「新収蔵品展」が開かれていたので行ってきた。三枝雲岱「山堂会琴図」、近藤浩一路「東山初夏」、菊島明「雨の海」の三点が素晴らしかった。残念ながらネットではその三点を見つけ出せなかった。
この「新収蔵品展」だけは無料、入場券を買わなくともチケット売り場の左側、ミュージアムショップに向かい、階段を登ると入れる。
同じ敷地にある山梨県立文学館、ここでも新収蔵品展(こちらの会期は3月24日まで)が開催され辻邦夫の書簡が展示されているとの事で見てきた。辻邦夫、「背教者ユリアヌス」、一晩では読む切れず、読了まで二日かかった。
往きは八王子から勝沼まで中央道、早めにと思って8時に出発。いつもの事ながら勝沼で降りると目の前に広がるスケールの大きい風景にホッとする。目視では白峰三山や鳳凰三山、甲斐駒ケ岳が見えていたけど写真に撮るとダメでした。
途中、国道20号の勝沼バイパスから国道411号に入り昔の風景の中。中央道が大月までの頃、当り前だけどバイパスなぞ無かった、昔の旧道は全く記憶に無くなってしまったけど、ここらを通って諏訪や伊那の業者まで良く通ってた。
美術館、コレクション展を回り全展示を見、足が棒になったので「アート・アーカイブス」でお茶、
今日のケーキは苺のムース でした。少し休んでから文学館、結局美術館に2時間、文学館に1時間、計3時間の滞在。
帰路はずっと下道、ナビはしきりに国道20号に出ろとガイドしてくるけど、こちらは頑なに国道411号を笹子トンネルの登りの手前で国道20号と合流するまで走る。大垂水あたりでは真っ暗、結局帰還は出発から12時間後でした。
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笹子トンネルを抜けて。
勝沼で降り国道20号からの白鳳三山(雪を被っている山)、左から農鳥岳、間ノ岳、北岳。
甲府市内から見えた鳳凰三山の内の地蔵ヶ岳。岡島百貨店手前から。
山梨県立美術館。
今日のお茶、苺のムース、お皿が冷えているのでおいしい。
文学館からの美術館と鳳凰三山、地蔵ヶ岳のオベリスク(頂上にピョコンと飛び出ている尖塔のような形状の岩峰)が見えていた。此処を発登頂したのは上高地に碑があるあのウォルター・ウェストン。
帰路。道の駅「甲斐大和」で一休み。緑のラブレターは丁度信号が赤だったので撮れた。大垂水峠、暗かったのでブレた。結局いつものように帰路は暗い中。
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2018年冬季テーマ展示から2点、他にも印象に残った絵は有ったけどこれしか見つからなかった。
佐藤正明「サブウェイ No.8」
小磯良平「あさのひととき」
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コレクション展は行く都度に見ているけど、何回も観ていると見る度に違う部分が見えて来て面白いですよね。その中でコレクション展A(ミレー館)の「凍えたキューピッド」、遊びまわった末に凍え、館の主人とその召使が手を差し伸べるという絵画。
ミレーは古代ギリシャの抒情詩人アナクレオンの詩から着想を得たと言われていますよね。この絵に描かれている館の主人はアナクレオン、招き入れたいたずら好きのキューピッドに金の矢を射られこの絵に描かれている召使に恋をしたと・・・
ジャン・フランソワ・ミレー「凍えたキューピッド」。キューピッドの足元に矢筒から落ちた矢が二本、何等かに意味があるんだろうか?
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いたずら好きなキューピッド、諌める絵画もありますよね。この美術館に収蔵されているものじゃないけど2点ばかり。
フランソワ・ブーシュ「
矢を取り上げられたキューピッド 」
ポンペオ・バトーニ「ディアナとキューピッド」
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アメリカ国歌の「星条旗」、上の古代ギリシャの詩人アナクレオンが基になっているという事ですよね。18世紀のロンドンの社交界、酒と女性そして享楽を賛美したアナクレオンに肖って彼らのクラブの名前をアナクレオンティック・ソサエティとした。
そして彼らは酒のみで享楽を愛する事を歌にした、それが「天国のアナクレオン」。
The Anacreon Song
To Anacreon in Heaven
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そしてアメリカ国歌、米英戦争で砲火を浴びたマクヘンリー砦、25時間・1500発以上の砲弾にも関わらず砦に掲げられていたアメリカ国旗は夜明けの中でひらめいていた。この星条旗を目にした詩人のフランシス・スコット・キー、国旗を称える詩を書いた。
フランシスが書いた詩「マクヘンリー砦の守り」、イギリス人作曲家のジョン・スタフォード・スミスによって作曲された「天国のアナクレオンへ」の歌詞となった。それが「星条旗」、1931年にそれがアメリカ国歌となったんですね。でも何だか皮肉ですよね、戦った相手の国で作られた曲にという事なんですからね。
アメリカ国歌 歌詞 英語 日本語 - Anthem of USA (EN/Japan lyrics)
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Posted at 2019/02/23 21:17:02 | |
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