三戸素子さん(ヴァイオリン)と小澤洋介さん(チェロ)のミニコンサートが所沢市役所にある市議会議場で開催されたので聴きに行った。お二人とも所沢を本拠地として活動され、お二人の力で
クライネス・コンツェルトハウス管弦楽団を結成された。
議場といっても観客席は74席の傍聴席、すぐに満席になってしまった。今日のプログラムは下の4曲とアンコールに用意されていた「ふるさと」。
ヘンデル:クーラント
サン=サーンス:白鳥
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
ベートーヴェン:交響曲第九番から「歓喜の歌」
「白鳥」、議場と言っても普通の音楽ホールの小ホール程度の空間、気持ちよくチェロの美しい音が響き、引き込まれ、うるうるしてしまう。チゴイネルワイゼン、三戸素子さんの使用されているヴァイオリンは歴史のあるとあるヴァイオリン、公表をさけられているがクラシックファンなら誰もが知っているヴァイオリニスト(ヴァイオリンの神)が使用していたヴァイオリン。美しく優しい音の三戸さんの演奏、これも引き込まれる。
最後の「歓喜の歌」、初演では合唱隊を含め約170名、現在では大体200名程度の編成、それをヴァイオリンとチェロだけで。お二人の演奏、頭の中にオケとコーラスが浮び、二人だけの演奏とは思えなかった、演奏の記憶が呼び戻されるんですね。
『おお友よ、このような旋律ではない!
もっと心地よいものを歌おうではないか
もっと喜びに満ち溢れるものを』
で始まる「歓喜の歌」、シラーの詩にベートーヴェン自身が付け加えた部分。ベートーベンが最後の力を注いて作曲した大作ですよね。今年の九番はお二人の九番になるのかなと思う。
所沢の
情報発信サイトptokoに三戸さんのインタビューが掲載されている。その中でこのような記述がある。『
ヴァイオリニスト 三戸 素子 さん (その1/3)』
・・・引用ここから
ゴマ
ヴァイオリンとの付き合いは長いわけですね。
名器というと、とかくストラディバリウスの名が出てきますが、三戸さんがいま弾いておられる楽器は?
三戸
私がいま弾いているのは、350年前に作られたヴァイオリンです。とても有名な楽器ですけど、とくに公表していません。
ゴマ
どこの楽器ですか。
三戸
イタリアのクレモナのもので、ストラディバリウスの先生の製作です。パガニーニのコレクションのひとつで、彼も弾いていた楽器です。
ゴマ
ヴァイオリンの超絶技巧奏者として名高いパガニーニですね。
三戸
その楽器は、私にとってはパスポートのようなものなんです。
外国の弦楽器専門店に行って、私の楽器を見せると、そこの主人は思わず私を抱きしめて、ふだんは誰も入れない金庫のある部屋に通して、その店の自慢の楽器を見せてくれたりします。高価なものはいっぱいあるけれど、いい楽器というのはそんなにはないんです。ニセモノもあるし、なにかと付加価値をつけて高く売ったりする。
三戸
こんなことがありました。
ニューヨークのカーネギー・ホールで演奏したときです。
何度か演奏して慣れている会場だと、響きがどんなふうに反ってくるか、身体が覚えているんです。だけど、初めての会場だと、「あー、最初から弾きやすいなあ」とか、「この響きはまだ知らないな」とか思いながら演奏するんです。
カーネギー・ホールは私にとっては初めてだったんですけど、「あれっ、私にとってこの響きは初めてだけど、この楽器は間違いなくここで演奏したことがあるな」と感じたんです。「この楽器はここの響きを知ってるんだな、このホールもこの楽器を知ってるんだな」と…。
ゴマ
前にその楽器を持っていた方が、カーネギーで弾いていた。
三戸
だと思います。
楽器の証明書に、アメリカにあったことが書いてありました。
その楽器は長い年月を積み重ねていて、私が死んだあとは、たぶんまたどこかの国のだれかが弾いて、新しい歴史を刻んでゆく。
楽器との付き合い方も、ヴァイオリンの魅力のひとつですね。
・・・引用ここまで
市役所の展望室からの今日の航空公園と所沢の町。
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三戸さんと小澤さんの京都・青山音楽記念館バロックザールでのクライネス・コンツェルトハウス、YouTubeから。
マンドリン:柴田高明
ヴァイオリン:三戸素子
ヴィオラ:河野理恵子
チェロ:小澤洋介
Giovanni Hoffmann: Quartet A-Dur for Mandolin, Violin, Viola and Cello. 2.mov. Adagio
Giovanni Hoffmann Quartet A-Dur for Mandolin, Violin, Viola and Cello. 4.mov. Rondo
Alfred Uhl(1909-1992) Spielmusik 2. mov. "Suedliche Landschaft"
Alfred Uhl(1909-1992) Spielmusik 4. mov. "Frohe Wanderung am Morgen"
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教皇様が日本の若者と語らったと、そして日本の若者は「過剰な要求や、平和と安定を奪う数々の不安によって打ちのめされている」と。まさか日本ではと思われていた風な口調だったけど、そんな事はどの国でも当たり前の事、日本だけが特殊な訳が無い、それを救うのが宗教じゃないんだろうか。その若者、クリスチャンでは無く普通の若者だったんですか?
下の演奏はアマチュアの演奏、教皇様、日本の普通の若者達ですよ。これがアマチュアかと思う素晴らしい演奏、一途にのめり込んでいなければここまでにはならない、絶望していればここまで到達できない。
ヴィヴァルディ 二つのチェロのための協奏曲 加工前
7/11(金)公開 『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』予告篇
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音楽を聴く度に、音楽に少し関わる仕事をできた事の幸いを感じる。
Posted at 2019/11/27 14:31:39 | |
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