1977年にアルミや真鍮素材でスクラッチビルドした「1/70超小型ラジコン戦車」を、40数年振りにフルレストアしました!学生時代に誰も作ったことがない、超小型のラジコン戦車を作ろうと思い、タミヤ製プラモデルの1/35ヤークトパンサーの寸法を、半分に縮小して1/70サイズのラジコン戦車「ヤークトパンター」を、アルミや真鍮素材でスクラッチビルドして、当時の模型専門誌に掲載して貰いました。
しかし、さすがに40年以上も経過したため、ラジコンメカやバッテリーは破損し、シャーシやボディも結構ポンコツ状態になっちゃいました。 このまま廃棄するのも可哀想なので、完璧にレストアすることにしました。
左と中央の写真は、「自作ヤークトパンター」が掲載された70年代の模型専門誌「モデル・ジャーナル」です。 各ロードホイールは金属製の画鋲の針を外し、真鍮パイプを取付けて作ってあります。 また、塗装は迷彩ではなくダークイエローの単色でした。
右の写真は現在の「自作ヤークトパンター」の状態です。 ボディとリヤパネルそれに主砲は、何とか修復出来そうですが、破損したラジコンメカやバッテリーを外した、シャーシとキャタピラは、40数年の経過でボロボロなので、新たに作り直すことにしました。
写真左の中国製1/72多機能ミニ ラジコン タイガー戦車をレストア用素材として購入し、ラジコンメカ類とキャタピラ、それにシャーシを改造して利用します。 タイガー戦車は1/72縮尺と言ってますが、実際には1/76位と小さめサイズなのでシャーシは延長します。 また長谷川製プラモデル1/72パンサー戦車も購入し、転輪などのパーツを応用して改造していきます(写真中央)。
ただ、この中国製ラジコン戦車はあまりにもスピードが速く、まるで独楽ネズミのようにクルクルと走り回るため、どう見ても戦車らしくないのですね。
右写真は中国製タイガー戦車のメカニズムを確認するため分解した状態です。
そこでまずギヤボックスから改良していきます。タイガー戦車の駆動メカは、マイクロモーターに付けたウォームギヤで、スパーギヤを回すギヤダウン式の全3段ですが、ギヤレシオが低すぎてまるで自動車並みの速さです。(写真左)
そこで、不要になる砲塔回転用のギヤや(黄色矢印)、手持ちのギヤを利用して、5段に増やしてギヤレシオを高め、車速を減速させます。(写真中央)
写真右は延長したシャーシと、パンサー戦車の各転輪に、真鍮パイプの車軸を取付けて改良したホイール類です。
左写真は中国製1/72 タイガー戦車と(上)、改良後のシャーシ(下)の比較です。 1/72パンサー戦車の転輪は縮尺よりもやや大きめなので、延長した1/70シャーシにピッタリです。 また動輪と後輪のカバーは、パンサー部品から型取りして複製しました。
1/72 タイガー戦車の各転輪は、ハブキャップのピンで固定しますが、レストア後も完全分解ができるように、ハブキャップのピンを2mmイモネジに交換し、シャーシの車軸穴もネジ切りをして、六角レンチで着脱できるようにします。(写真中央)
シャーシを延長し、各転輪も長谷川製1/72パンサープラモの物に交換したため、キャタピラの長さが足りなくなりました。 そこで1/72 タイガー戦車をもう1台購入して、キャタピラを切断して継ぎ足しました。(写真右)
アルミ板や真鍮素材などで、車体をはじめ全ての部品をスクラッチビルドした、ヤークトパンターのボディは、40年以上経っても原形を留めていたので、このままフルレストアします。(写真左)
全体の塗装を落としてから、車載パーツ類も外し、各部の補修や破損パーツをリニューアルをします。(写真中央)
1/70ヤークトパンターのシャーシ裏面は、全長に合わせて延長したシャーシはつなぎ目や、不要になったスピーカー用の穴などが目立ってしまったので、写真右下のように 0.5mmアルミ板でアンダーパネルを作製して貼り付けました。(写真右)
修復が完了した主砲は、基部に上下稼動用の真鍮パイプを挿入し、プラ板で製作した取付マウントへ、ピアノ線シャフトで取付けます。(写真左)
主砲の上下駆動には、タイガー戦車の砲塔回転用回路を利用します。 ラジコンヘリ用のマイクロサーボを改造して、基盤を経由せずに直接マイクロモーターに配線します。 またサーボの出力軸にさらに減速用ギヤを追加し、スリップクラッチ式のホーンを追加して操作します。(写真中央)
ラジコンメカやバッテリー等は、タイガー戦車の物をそのまま使用します。 またアンテナ線は、真鍮製の主砲に配線しアンテナにします。 砲塔回転用モーターのコードは、主砲用サーボ内のモーターに直接配線します。 これで送信機の砲塔回転ボタンで、主砲を上下に動かせます。(写真右)
元のボディから外した車載工具類やワイヤー等の代りに、新たに単体部品として作製しました。 レストアでは実車同様にボディへ、工具の着脱ができるように、ボディパネルに0.3mm真鍮線でフックを設け、ここへ各部品を取付けました。 またドイツに現存するヤークトパンターの実車ビデオを参考にして、リヤパネルには新たに製作した、ジャッキやバケツも追加しました。 ボディ側面に真鍮フックで取付けた予備キャタピラも着脱可能です。(写真左)
各部のレストアが完了し、生地状態が完成したら、ダークイエローで全体を塗装します。 各転輪外周のタイヤ部を、ラバーブラックで塗装してから仮組みして、ダークグリーンとレッドブラウンで、迷彩塗装していきます。(写真中央)
写真右は完全分解時の部品展開です。 ボディは迷彩塗装が乾燥した後、各デカール類を転写します。 車載用の工具類やワイヤーも塗装します。 最後にプラバンでメカ積用トレーを製作し(右端)、塗装すれば各部の完成です。
レストアした「ヤークトパンター」の組立て手順として、まずシャーシに各転輪を取付けた後、キャタピラを取付けますが、このキャタピラはプラパーツを連結した物で、全く伸びません。 このためキャタピラを各転輪に被せた後で、後輪をシャフトでシャーシに取付けます。(写真左・中央)
次にシャーシへマイクロモーター、ラジコンメカ、バッテリー、それにギミック音用スピーカーを取付けていきます。(写真右)
メカ積用トレーをシャーシ上部に、ナット4個で取付けます。(写真左)
メカ積用トレーの前方に、主砲用マウントをネジ止めしてから主砲を取付けます。 その後ろに主砲作動用のサーボを取付け、最後部にギミック音用のスピーカーを取付けます。(写真中央)
組立てが完了したシャーシに、ボディを取付ければ完成です。 ボディは後端内側の爪を、リヤパネルのフックに掛けてから、シャーシ下面からネジ1本で固定して取付けます。
Posted at 2020/10/24 10:25:35 | |
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