不調のPIONEER製プリメインアンプ「SA-6700」を半世紀ぶりにオーバーホールしました!学生時代にアルバイトして購入したPIONEER SA-6700は、結婚してからは使用せず仕舞い込んでいましたが、7年ほど前に「プア・オーディオ」の構築用に復活させていました。
さすがに購入からほぼ半世紀も経っているため、最近は片側スピーカーが鳴らないなど、左右のチャンネルに接続不良、不安定さが顕著になってきました。
7年前の復活時には、一応スイッチやセレクターの接触部などに、CRCの接点復活剤を差して騙し騙し使ってきましたが、もはや限界と判断してオーバーホールをすることにしました。
SA-6700などの昔のアナログアンプは、全体的にしっかりとした造りですが、セレクタースイッチやロータリースイッチが、密閉式でないため長年の経時変化で、接点部分が酸化し接触不良が発生してしまいます。
そこでネット情報なども参考にして、アンプを分解して内部の機械式スイッチを取り出して、接触部のパーツ類をバラバラに分解して、オーバーホールすることにしました。 また折角なので、4年前にオークションで見つけ350円で落札した、PIONEER製TX-6300チューナーも一緒に簡易オーバーホールをすることにしました。 今回、SA-6700アンプをオーバーホールする部分は、左写真の矢印の、スピーカーセレクター、入力セレクター、トーンスイッチ、LOW FILTER スイッチ、テープモニター1、テープモニター2の6ヶ所です。
写真中央のように、本体サイドのネジを外して本体カバーを取外します。
次に右写真のように、各ダイアルとツマミ、スイッチノブを取外します。 その後アルミ製フロントパネルの四隅のある、矢印の六角ネジを外してフロントパネルを取外します。
露出したフロンとシャーシから左写真の矢印の、各ボリュームとヘッドホン端子の12mm六角ナットと、パワースイッチ取付けネジを外し、底板前部のネジも2本外します。
次に中央写真の矢印部分の、フロントシャーシを固定しているネジを外します。
写真右の矢印のネジと、バランス・ボリュームの六角ナットを外し、部品固定用の黒色金属プレートを取外します。
写真左の矢印が、今回オーバーホールする6個の部品です。
最後に底板を固定している、写真中央の矢印のネジを外します。
右写真のようにメイン基盤の底部が露出しますので、先ずは黄色の円で囲んだ、トーンスイッチとLOW FILTER スイッチを取外します。
まずは左写真のようにLOW FILTER スイッチを外すため、スイッチを基盤に接続しているハンダを熔かし、ハンダ吸引機で除去しますが、なにせ古い基盤なので、出来るだけ熱のダメージを避けるため、30Wの半田ごてをパワーコントローラーで70%位の熱に調整しながら作業します。
綺麗にハンダを除去できれば、写真中央のようにスイッチを簡単に取外せます。
右写真の矢印のある、外したスイッチケースの下側にあるツメを、ラジオペンチなどで内側に曲げると、スイッチ基盤とスライド部品を取り出せます。
スイッチ基盤からスライド端子を外すと、写真左の矢印部分のように、通電接触面が酸化して非常に汚れています。
写真中央のように、通電接触面の汚れを「サンドシートSHINEX3000」や2000番サンドペーパーで除去して磨きます。
磨いた通電接触面には酸化防止のために、接点復活剤を薄く塗ってから、元通りにスイッチを組立ててから、写真右のように基盤にハンダ付けしたら、隣のトーンスイッチも取外して同様に作業します。 なおオーバーホールする部品は、正確性のため一つづつ外して行います。
次に写真左の基盤の反対側にある、黄色の円で囲んだテープモニタースイッチを外します。 テープモニター2のスイッチをトーンスイッチと同様に接続しているハンダを熔かし、ハンダ吸引機で除去しますが、テープモニター側はハンダ付け端子の数が倍になるので根気が必要ですね。
写真中央のように、外したスイッチケースからスライド基盤とスライド端子を外すと、やはり通電接触面が酸化して非常に汚れています。
写真右のように、トーンスイッチと同様に通電接触面の汚れを、「サンドシートSHINEX3000」と2000番サンドペーパーで除去して磨いた後、綿棒で通電接触面に接点復活剤を薄く塗り、スイッチを組立ててから基盤にハンダ付けしたら、隣のテープモニター1のスイッチも同様に作業します。
スイッチ系のオーバーホールが完了したら、ロータリースイッチも分解してオーバーホールします。
左写真はスピーカーセレクターの、ロータリースイッチを分解したところです。 矢印の各部接触面の間に、2000番サンドペーパーを差込んで、汚れを除去して磨いたら、ロータリースイッチのボールクリック部も、清掃し注油したら組立てます。
写真中央のように、入力セレクターのロータリースイッチも、同様に分解して各部接触面をオーバーホールします。
写真右のように、各ロータリースイッチも組立てる前に、綿棒で通電接触面に接点復活剤を薄く塗っておきます。
各スイッチのオーバーホールが完了したら、アンプ背面の各種接続部端子も、清掃と研磨をしておきます。
写真左はピンプラグ用の接続端子ですが、どれも表面がくすんでおり通電が悪そうです。
写真中央はサンドシートSHINEX3000を、テープ状に切断して接続端子の外周を磨いているところです。 中央の接続穴は細めのリュータービットと綿棒などで磨きます。
写真右はA・Bの各スピーカーのネジ式接続端子ですが、表面が非常に汚れていました。
写真左はテープ状に切断した、サンドシートSHINEX3000を接続端子の間に入れ、割り箸の先端で擦って汚れを落としているところです。
写真中央は汚れを除去して、表面を磨いて綺麗に復活した各接続端子です。 仕上げにはやはり酸化防止のために、綿棒で通電接触面に接点復活剤を薄く塗っておきます。
折角オーバーホールをするので、SA-6700アンプとTX-6300チューナーの、アルミ製フロントパネルを留めている、真鍮製六角ネジのメッキがくすんでいたので、写真右のように、ついでにニッケルメッキで仕上げ直しました。
SA-6700に比べるとTX-6300チューナーは、バンド切り替えスイッチを手入れするくらいで済みそうなので、先ずは写真左のように本体カバーを取外します。
次に写真中央のように、アルミ製フロントパネルを外すと、チューニングメーターの針とチューニングダイアルが連動するための、糸とガイドプーリーが現れます。 ガイドプーリーの軸受け部には動きを良くするため、潤滑用に少量のシリコンオイルを付けておきます。
写真右の手前の基盤には、バンド切り替えスイッチがあります。 矢印の通電接触部に接点復活剤を、少量吹き付けて通電性を向上させました。 このTX-6300は350円で落札した割には、予想以上に内部が綺麗でしたね。
Posted at 2023/03/18 13:36:44 | |
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