どこかのタイミングでパートナーを決めなければいけなかったホンダですが、最終的にアストンに収まったとのこと。マスコミ嫌いと噂されているローレンス・ストロール氏がわざわざ日本まで来て発表をするくらいですから、その意気込みと熱意は伝わってきます。ここでワークス・エンジンが手に入ればストロール氏の夢の実現に近づくこと請け合いです。会見でホンダ側もアストンの熱意を語っていましたが、トロロッソの時もそう言っていたような気がしますが。
報道機関が復活とか言ってますが、常日頃F1に接している方々には何を今更感があるのも事実です。今のところ提供先はアストンだけみたいですし、車体の開発にも関わるようなニュアンスで話していたので、今のレッドブル以上にマシーン開発という意味では関わっていくのかもしれません。
ちょっと歴史を紐解くと、昔のジョーダンなんですよね。2002年の鈴鹿は琢磨のデビュー・イヤーでした。
ホンダ曰く、2026年からのレギュレーション変更がEV量産車に力点を置こうとしている自社開発に活用できるとか(所謂、走る実験室)、カーボンニュートラルに係る合成燃料の分野でも有効とか言ってますが、何よりも北米の販売マーケティングの意味合いもあるのではと考えます。北米ではF1が空前のブームですから。アストン量産車のメイン・マーケットでもあるでしょうし。後述しますがホンダの北米の売上がヤバいので。
また、ヨーロッパの2035年EV化法案もドイツの横やりで合成燃料を使った内燃機関車も引き続き販売できることになったみたいなので、アストンは現在のメルセデスからホンダにエンジン調達先を変更するかもしれません。
朝令暮改でビジネスを行うのはヨーロッパの企業も同じですが、何よりモヤモヤするのは、あれだけF1は二度とやらないと言っておいて、又やりますという「理念」の無さが正直がっかりするところです。前社長の決定を覆すのが憚れるのかもしれませんが、エンツォと同様本田宗一郎のスピリットを継承すべくF1を継続しますと言ってほしいのがホンダF1ファンの本音じゃないかと思います。ホンダに限らず理念の無い日本の有名どこは多いですが。
最後に、ちょっと真面目な数字のお話です。ちょうど2022年度の決算が出たばかりです。売上はコロナ禍から回復傾向ですが、四輪事業の利益率が驚くほど低いです。今に始まったことではないのですが、今話題のアクティビストからすれば、四輪事業を売却するよう言われるかもしれません。
エリア別売上でみると、二輪はアジア、四輪は北米がメインで日本はそこそこですが、利益が出ていません。北米用に開発して、そのおこぼれを預かっているのが日本の現状ですから致し方ありません。頼りの北米の利益も減少してきているので、何とかテコ入れをしなくてはならないのが現状で、F1もその一環と考えるわけです。
こんな状況を受けての株価です。過去10年で日経平均のパフォーマンス比較でかなり低迷です。今年度、自己株式の取得に2000億円も使うようですが、短期的には株価対策になると思いますが、もっと他に使うところがあるんじゃないかなーと考えます。だってホンダに欲しいと思えるクルマがないんですもん。
ブログ一覧 |
F1 | クルマ
Posted at
2023/05/25 23:30:43