
トミカプレミアムやトミカリミテッドヴィンテージは別としても、いわゆる一般的なトミカはその時旬な新型車が新製品に加わることが多いです。そして実車の生産中止を待たずに廃盤となる車種も多いです(運が良いと働く車などにリメイクされて復活することもありますが)
そんな中、先月の新製品は「実車はたしかに今も活躍しているけれど、なぜいま製品化するの…?」と言いたくなってしまう一台でした。
インターネット上でトミカの今後の発売予定リストが何処からか漏れていましたが、それにも確かに掲載されていましたが、まさか本当に製品化されるとはねぇ…
それは何かと言いますと、タイトル画像にもある通り、
埼玉県警のBNR34スカイラインGT-Rパトロールカーです!
いや、どうしてなぜ今…?いやいや、敢えて今出すからには何らかの答えがある筈。
というわけで、今回こうしてブログのネタにしてみた次第です。
早速商品を見てみましょう。

昔使われていた金型を使用したわけでもなく、明らかにできの良さが際立つ造形です。屋根のコールサインもさることながら、ボンネット上に透明な別パーツで再現されたバグガードも、これまでのトミカでは考えられなかったパーツです。これはかつて旧金型の頃にセット品として作られた仕様と異なり、実車を強く意識して可能な限り忠実に再現しようとしているのが窺えます。

バグガードには取付金具も刻印されているのも見ものですが、それ以上に注目したいのはフロント周りの忠実なまでの再現度。
旭日章の台座に前面警光灯が彫刻されているのは勿論、ウインカー下のバンパー開口部には実車にも装着されているディーラーオプションのフォグランプも付いています。箱絵でもしっかりと再現されています。そしてルーフのコールサインは854。このコールサインの実車は三郷分駐隊所属の個体ですね。カーメイト製ナビミラーを装着している点が特徴ですね。
しかし、ここまで再現しているのにコストの都合上か彩色が最低限なのが悔やまれます…
そこで、納得できる出来になるように手を加えようではありませんか!

そして小さいトミカに不器用なりに苦労して彩色して、なんとか見栄えするように仕立て上げてみました。塗装箇所は下記の通り。
・ウインカーレンズ
・フォグランプ
・バックランプ
・マフラー (以上シルバー)
・前面警光灯
・ハイマウントストップランプ
・バックランプ (以上赤)
・リアスポイラー後端
・NACAダクト (以上黒)
…画像では見栄えはいまいちですが、実物はそれなりにキレイ…とまでは行かなくても、無塗装よりもマシな程度には変わりました。リアのナンバープレートや側面のGTバッジも塗りたかったのですが、流石に細かすぎて上手く塗れる自信がありません(;・∀・) そのうちナンバープレートは実車と同じ番号のものを作成・印刷して貼り付けようかと。
…あ、箱絵ではウインカーレンズはオレンジですが、実車はV-specⅡなのでクリアレンズです(;・∀・)
さて、前期か後期かという点で触れておきたいのは「なぜ後期型がモデルに選ばれたのか?」という点です。別に前期型でも良かったと言えばよかったという話になります。
そこで、偶然にもスケールが同じ1/62である
トミカプレミアムのBNR34スカイラインGT-R V-specⅡニュルと比較してみましょう。
リンクに貼ったのは最初に販売されたタカラトミーモール限定のミレニアムジェイドですが、今回は後に市販されたベイサイドブルーと比較します。

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これはこれは…造形やパーツ構成も似ていますねぇ……というか、パトカー装備とドア開閉の有無を除けばほぼ同じものと言っても差し支えないでしょう。
専用ホイールを汎用のホイールに差し替えて、ギミックを犠牲にしてシンプルな構成にし、その代わりに造形の追加とパトカー装備品を追加することで手っ取り早く安価かつリアルなパトカーモデルに仕立て上げた、といったところでしょうか。以前にもセブンイレブン限定『頭文字D』シリーズで、トミカプレミアムのRE雨宮仕様FD3SやBNR34ニュルをベースにホイールを通常のトミカと同じものに差し替えて通常のトミカ扱いで販売していたこともありましたね。
それにしても、トミカプレミアムのBNR34ってリアクォーターのウィンドウが開口していなかったんですね…他の造形が優れた部分位ばかり気を取られていて今さら気付きました(遅
…というわけで車体はトミカプレミアムをベースにしていたことが分かりましたが、だとするとシャーシにはニュルの刻印があるはず。パトカーなのにニュルがベースだという非常にありえない事態になるのでは…?と思い、ひっくり返して確認した結果は…?!

…わざわざ車名の刻印からニュルを削り、普通のV-specⅡにされていますね(;・∀・)
いやー、良かった良かった(何がだ
他にも製造年が別の箇所に彫り直されていますね。でもマフラーやディフューザーの造形からも、ベースはトミカプレミアムだということが窺えます。
それにしても、なぜ今頃通常品のトミカでR34のパトロールカー仕様を販売することになってしまったのでしょうか…?
私が察するに
「BNR34GT-RニュルやBNR32GT-Rがトミカプレミアムで製品化された際に、「どうせならこれでパトカー仕様などのバリエーションを増やせば良いんじゃね?」的な意見が届いたことがキッカケではないのか?」と邪推します。
しかし年齢層が高めに想定されているトミカプレミアムでの働く車の製品化は需要が微妙だと判断されたため、パトカーらしい造形を凝って再現する代わりに塗装やホイールのコストダウンを施して通常のトミカとして売ったほうが子供たちにも売ることが出来て低コストでバリエーションを増やし、要望にも答えられる…と、タカラトミーの中の人が想定したからではないか?!と私は推理しています。
いやー、普通に売られているトミカでここまで想像をふくらませることができるなんて、トミカって本当に奥が深いですねぇ。さすが50年以上の歴史を持つミニカーは違いますなぁ。
あ、上述の「トミカプレミアムでも働く車を云々」についてですが、私が実際に新製品アンケートの際に書いた記憶があります。それがなにか?←
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ミニカーコレクション | クルマ
Posted at
2021/12/06 22:59:49