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先日，私の誕生日でした。

この歳になると喜びはありませんが（笑），娘が買ってきてくれたケーキは美味しかったです（＾＾）

10数年前に亡くなった父は，太平洋戦争時、陸軍に召集され、前線に出征しました。

絶望的な戦況下で九死に一生を得た父は無事に帰国できましたが、子供の私に戦争のことは

余り話しませんでした。

それは戦場の屍となって二度と祖国の地を踏むことが無かった戦友たちに対し、自分だけが生

き残って申し訳ないという気持ちがあったのかもしれません。

今は天国で、かつての戦友たちと酒を酌み交わしながら楽しくやっているはずです。





太平洋戦争の時代、母はタイピストとして働いていました。

会社は鹿児島市の山形屋デパート（現存しています。）の道路向いです。

当時、タイピストは若い女性の花形の職業だったようです。

母は２２歳の時に終戦を迎えるのですが、その年のアメリカ軍の鹿児島市に対する爆撃は激しく、

鹿児島市は焼け野原になり、多くの人が犠牲になっています。



爆撃があった時、母は山形屋デパートの地下に逃げて助かりました。

爆撃による火災の中をデパートの地下を目指して逃げるのですが、火災による強い熱風が吹き、

なかなか前に進めなかったそうです。

そして爆撃が終わった後、デパートの地下から外に出るとそこには逃げ遅れた人たちの多くの

遺体があったそうです。





母がこの話を私に話すようになったのは、母が年老いてからです。

長い間、自ら話さなかったのは、思い出しくもない悲惨な体験だったからでしょう。




その母は、３年前の８９歳の時に背骨を骨折して大手術を受け４ヶ月入院しました。

年齢が年齢だけに、そのまま寝たきりになるのではないかと心配しましたが、見事に復活し再び

歩けるようになって周囲の人を驚かせました。




そして９２歳になった先日、今度は裂孔を伴う重篤な虫垂炎を発症し、緊急手術を受けました。

執刀に当たった先生の心配は、９２歳という年齢からして全身麻酔の手術に耐え得る体力がある

かどうかということでしたが、事前検査の結果、問題はありませんでした（笑）

手術は無事に終了し、現在、回復のために入院中です。








いやはや戦前生まれの人間の強さには、毎度のことながら驚かされます（笑）