屋久島の2話シリーズの最後です。
屋久島の森に足を1歩踏み入れると、そこにはコケの世界が広がります。
屋久島の年間降水量は平地で4,000㎜、山間部で1万㎜。
東京の年間降水量が1,400mmですから、いかに雨が多い島か分かると思います。
この雨が屋久島の豊かな自然を育んでいるんですね。
日本には約1,800種のコケがありますが、そのうち640種が屋久島に生息しているそうです。
屋久島は世界有数のコケの島なんです(^^)
雨が多いからこそのことですね。
この風景、一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか。
観光スポットにもなっている「コケの森」です。
映画「もののけ姫」の森のイメージとなったことから、「もののけの森」とも呼ばれているようです。
ここに佇むと、不思議と穏やかな気持ちになっていきます。
同じ場所を冬に撮影してみました。
何千年もの時を感じつつ、静かに時間だけが流れていく、そんな場所です。
丸い屋久島の東側にある安房川。
真ん中よりやや右側の尖った山の明星岳は、比較的簡単に登れる山です。
夏になると安房川では「流れ船」が運航されます。
いわゆる屋形船ですが、屋形船と違うのは、先ず上流まで遡って、そこからは水の流れに任せて
川を下るという点です。
まさに川の流れに身を任せ、澄み切った川面を眺めながら、川を流れる涼しい風に頬を冷やさ
れ、渓谷の景色を楽しみつつ呑む地元の焼酎「三岳」の味は格別です(^^)
安房川に掛かる安房橋。
三岳を飲み過ぎて火照った体を冷やすのに丁度良い橋です(笑)
島の西側。
この島を1周する道路は99キロメートル。
車で数え切れないぐらい1周しました。
そのほか自転車でも1回、徒歩でも1回1周してみました(^^)
上の写真の付近で撮ったヤクザル。
ヤクザルはニホンザルの亜種です。
ニホンザルよりは一回り小さいですね。これはヤクシカも同じです。
隔絶された島の動物が小さくなるのは「フォスターの法則」とか「島の法則」と呼ばれているようです。
アイソレーションによる矮小化(Dwarfism)ですね。
逆に小さな生き物は大きくなる巨大化(Gigantism)する現象が起きるから面白いですね。
島には巨大はゴキブリがいますから(笑)
屋久島と言えばやはりウミガメですね。
ウミガメの産卵を撮りに、夜が明ける前に起きて眠い目をこすりながら何度永田浜に通ったことか。
これは何度も通って、やっと撮れたウミガメの産卵です。
ウミガメは光を嫌いますので、夜はフラッシュを使えません。
そのため朝方までノンビリ残って産卵しているウミガメを探すのですが、これがなかなかいない。
撮影場所は屋久島の北西にある永田浜。
ここに上陸して産卵するアカウミガメの数は北半球一とも言われています。
産卵を終えてゆっくりと海に帰っていくお母さんカメ。
卵から孵化した子カメは海流に乗って北太平洋をグルッと回ってカリフォルニア、メキシコ沖まで
行き、運が良ければそこで成長して約20年後に屋久島に戻ってきます。
無事に戻ってこられるのは5000匹に1匹と言われていますから、子ガメにとっては命懸けの過酷
な旅です。
永田浜の夕焼け。
悠久のロマンを感じます。
水平線のやや右に見えるのは約40㎞離れた硫黄島(鬼界ヶ島)
終わり
屋久島シリーズにお付き合いいただきありがとうございました(^^)
Posted at 2017/02/26 11:18:22 | |
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