父の死去に際し、近ごろ叔母たちと顔を会わすことが多い。
その度に問われことがある。
「枇杷の茶櫃、無かったかぁ?」
“茶櫃“とは、茶道具一式を入れておく蓋つきの容器で、その蓋は裏返して盆としても使えるようになっている。
件の茶櫃は漆塗りで、蓋に枇杷の蒔絵が施されているらしい。
小生の里は奥能登の輪島、古くから漆器の産地として有名である。
椀をはじめ箸から盆、果ては座敷の卓まで漆塗りの品は、身の回りにあふれている。
「うちの漆器で一番価値があるのが枇杷の茶櫃やさかい、兄さん(小生の父)が持って行っとるはずやけどなぁ~。」
遺品の整理をしてたら出てきましたよ…。
これは高蒔絵といって、絵柄部分を盛り上げて蒔絵を施す技法が使われている。普通の平蒔絵より手間がかかる技法だそうな…
蓋と本体が擦れて傷がつかないよう、ご丁寧に和紙を咬ませてありましたわ(笑)。
お盆代りにこの蓋を裏返してお茶を出すのだが…。そういう使い方をすると、枇杷の高蒔絵に傷が付くので代々道具として使われた事がないという。
それじゃぁ茶櫃としての機能が失われているではないか(笑)!
仏壇に続き、こうして物に振り回されて生活して行くのである。
あぁ…娑婆のしがらみから解放されるには死なにゃぁならんのだろうか(笑)。
「今年の秋は無いぞ」
外は春爛漫、いや、初夏を想わせさえする午後の日差し。
あの時(こっち参照)、切り出した最初の言葉がこれだった。
半年が過ぎ、秋の盛りである。いや、初冬を思わせさえする朝夕の寒さ。
季節はこうして移り変わり、人は忘却の彼方へ消えていく。
年を経るということは、そういうことだ。
御先祖の写真が出てきた。
先日に御紹介した(こっち参照)2代目「栄松」の妻「よみ」である。
大往生を遂げたその死に様は父が書き残している(こっち参照)が、生れは文久3年だから西暦なら1863年。薩英戦争があった年だ。
戸籍によれば、五男六女の11人を出産している。
数え13歳で嫁に来たのだが、まだ幼かったのだろう。近所の子供らと遊んでて「お前はこの家に嫁に来たのだ」と姑にお尻をひっぱたかれ、やっと事情を自覚した後、二度とは遊ばなかったという。
夫の「栄松」は大酒飲みでハチャメチャな生活を送ってたらしい。
100年後、小生の写真を子孫がブログにあげ、“化石燃料エンジンを積んだ2輪の乗り物を好んでたらしい”なんて書かれるのかな(笑)?
またまた巨大な仏壇の話である。シリーズ化しそうだわ(笑)。
売っぱらっちまおうという気持ちに水を差され(こっち参照)…
仏壇リフォームの話が持ち上がり(こっち参照)…
そんな叔母たちが経をあげに来宅。奥能登の年寄りは正信偈ぐらいそらんじるのだ。
叔母:「床の間、あるんや。でもやっぱり狭いなぁ。」
小生:「だろ! 仏壇の幅はこれの倍あるもん。(だから売っぱらおうぜ。百万もかけて仏壇リフォームってのもなしだぞ。)」
叔母:「でも、あの仏壇はいい造りやぞ!」
そう言いながら、右側の障子戸をカラリと開ける。
叔母:「もうちょっと敷地があるんや。壁を向こうへ出して床の間を広げりゃ、あの仏壇入るんでないかい?」
仏壇リフォームして小さくする話が、家の拡大リフォームに話が膨らんどるやないかぁ~い!
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