
感動のフィナーレ、小樽を出港して積丹半島を航行中のフェリーから水平線上に沈む太陽。

天狗山のつづき、小樽港フェリーターミナルに到着したのは14時45分。
すでに何列か車が待機していたが、1番レーンへ行くよう指示される。
過去の経験から、今日は乗用車が多いため幅の狭い車を先に乗船させるのだと思った。

思えば今回の渡道は乗船予定のフェリーが機関故障のため欠航となり臨時便で小樽港に到着した。
11日間の滞在で宗谷岬、納沙布岬、白神岬と北海道の三極に到達して、
今回はだいたい北海道を一周したような感じになる。
しかし、フェリーターミナルに到着した瞬間に北海道ドライブに幕を閉じて虚脱感に見舞われる。

今日はニセコの宿を出発して小樽→羊蹄山→神威岬→小樽と巡って走行距離は312km。

小樽~新潟航路を利用する楽しみの一つに前日舞鶴を出港したフェリーとのすれ違いがある。
フェリーターミナル内に掲示されていた運航スケジュール表を念のため確認すると、
前日の5月4日は舞鶴から小樽行きのフェリーは出港していないことが分かって残念。

小樽港出港は17時、車の乗船予定時刻は15時15分となっていて繁忙期は乗船が早い。
これが閑散期となるともう1時間くらい乗船予定時刻は遅くなる。
今になってこの写真を見ると、下の方に赤字で舞鶴便は「本日入港はありません」と表示されていて、
ここを見ればすぐ分かったのかと思った。

フェリーターミナルのお店を少し見たかったが、放送で乗船時刻が早まって、
15時から乗用車の乗船を開始するということですぐに車へ戻った。
船内に入ってこの写真を撮ったのが15時15分、左の壁ギリギリに寄せるよう誘導さる。
通常ならこの車両甲板は3列停めるところを、今日は4列停めてこのあとギッシリ車で埋まった。

部屋は行きの臨時便で乗船した「らいらっく」と同じデラックスAツイン。
本来はこの「あざれあ」で北海道へ来て「らべんだあ」で帰る予定だった。
GW期間中「あざれあ」は修理のため広島県まで行って、今日がその修理後の初航行。

北海道滞在の前半はこの5月5日が運行されるかどうかずっと気になっていた。
翌日の5月6日は夜どれだけ遅くなっても構わないが絶対帰宅する必要があって、
もしこの日の便が欠航になりそうなら、他のフェリー会社から探して帰ろうかとも考えた。

デラックスAツインにはプライベートバルコニーがある。
小樽から新潟へ向かう場合は陸側となる左舷側を指定して予約すると良い。
左舷側は出港してしばらく積丹半島を眺められ、そして翌朝は日の出を見られる可能性がある。

もともとの運航予定で今日は「らべんだあ」だったが「あざれあ」に変更となった。
船名までは気にしないかもしれないが今日乗船する人は予約時は「らべんだあ」だったはずで、
特に案内も無かったのでその船舶が入れ替わったことに気がつかなかった人もいるのではと思った。
新潟~小樽を運航する2隻の船内装備はまったく同じなので入れ替わっても特に差し支えは無い。

あの丘の上に桜がたくさん咲いている所はどこだ?
地図で方向から場所を探すと「水天宮」と分かり、車で直接行けそうなので、
また来年の春、北海道へ行くことができたらあの場所へ行って桜を見てみたい。

今日は繁忙期に当たるC期間のため、2人部屋を1人で使う場合は0.5人分の貸切料金がかかる。

明日から閑散期のA期間で貸切料金は必要なく全体の金額もグッと下がるが、もうこれ以上は休めない。

新潟に到着したらあとは帰るのみ。
もうどこへ行こうかと考える必要もなくなったので、乗船中は好きなように過ごす。

船内に入って部屋に荷物を置いて時刻は15時半、出港までまだたっぷり時間はある。

楽しみにしているレストランはまた出港してから。

外部デッキへ。

なんて良い天気なんだ。

今回の北海道滞在では次々と雨雲がやって来た感じで、
こんな晴れているのに帰らなければいけないとは、もう一日いたかった。

外では車の乗船が続いている。

そして今日同じ船に乗ると聞いていたsapporonoyukiさんと無事船内で合流。

定刻17時の数分前、小樽港を出港。

準備が整えば少し早く出港することはよくある。

今年、小樽港の出港時にトランペット演奏のお見送りに遭遇出来た人がうらやましい。
あのお二人はオーセントホテル小樽の新入社員さんで、金曜日と土曜日に演奏を行うとのこと。

2時間程の違いになるが、苫小牧西港から18時45分あるいは19時に出港するフェリーに対して、
この小樽を17時に出港するフェリーだとだいぶ早目に到着しなければいけない感覚になり、
さらに2025年12月からはこの小樽港発時刻が15分早くなって定刻が16時45分発に変更される。

防波堤の向こうには残雪の山々、春の北海道の風景として滞在中は毎日のように見てきた。

出港を見届けたら混雑する前にレストランへ。

フェリーに乗船したら海が見える席に座りたい。

「らいらっく」は従来のカフェテリア方式だったが、このタッチパネル式になって劇的に良くなった。
座って注文して待っているだけで料理を運んできてもらえる。

夕食は「新潟たれかつ丼」にした。
待っている間も食べている時もずっと隣のsapporonoyukiさんと旅の思い出を話していた。

夕食の後、部屋に戻ってバルコニーから外を見るとここはどこだ?
一瞬分からなかったが、正面が積丹岬で右の方に続いているのが神威岬。
肉眼では確認できなかったものの、写真中央やや左に積丹岬灯台があった。

神威岬の先に神威岩を確認、ポツンと立っている姿が遠くからでも分かりやすい。
今日のお昼に行ったばかりなので、またあの近くを通るのが楽しみ。

夕日を見るために6階の外部デッキへ。
この6階は閉鎖されることが多いがこの時は大丈夫だった。

日の入予定時刻の18時42分まであと15分ほど。

久しぶりに水平線上へ沈む夕日が見られそうだ。

積丹岬を通過中。

sapporonoyukiさんとこの6階外部デッキの最後尾あたりで夕日を待っていたが、
ものすごい強風で叫ばないとお互いの声が聞こえないくらいだった。

間もなく日の入時刻を迎えようという時に雲に遮られる。

すごく期待していたが、ダメだったか。

しかしその直後、水平線ギリギリのところから太陽が再び現れた。

そして水平線上に沈む太陽。

船上から見る夕日は格別。

今回はこの夕日の感動を一緒にいたsapporonoyukiさんと分かち合えたと思う。

上空の雲も赤く染まっている。

夕日を見終えると6階の外部デッキは強風のため閉鎖された。
部屋に戻ってバルコニーから外を見る。

夕日に夢中になって神威岩のところをすでに通過していたことをこの時初めて知った。

太陽が沈んで15分くらいが経過した19時ごろ、5階後方の外部デッキへ。
6階は閉鎖されても基本的に5階の外部デッキは24時間開放されている。

この夕焼けもドラマティックで良かった。

船内の売店で買い物。

閉鎖された6階外部デッキ。

20時過ぎ、船内イベントを3層吹き抜けの一番上から見ていた。

明日は天気が良くなさそうだが日の出時刻の4時35分の少し前に外に出てみよう。
今日の夕日のようにちょっとした雲の隙間から日の出が見られるかもしれない。

21時半過ぎ、この日の最後の船内放送があり、現在せたな町沖を航行中とのこと。

今朝ニセコのホテルを出発したのが遠い昔のことのよう。
そのくらい内容の濃い一日を過ごすことができたと思う。

翌朝4時20分ごろ、5階後方の外部デッキへ向かう。

フェリーに乗船したら日の出は期待できなくても毎回その時刻に外へ出るようにしている。

あと15分ほどで日の出時刻を迎える。
この時点で空がまったく赤くなっていないと日の出は厳しい。

外にいるとすぐに体が冷えてしまうので、船内の通路で待機。

予想通りではあったが日の出予定時刻を少し過ぎても太陽は見られず。
これまで天気予報が悪い時に日の出が見られたことはまだ一度もない。

6時半、船内放送でレストランがオープンしたとのことでレストランへ向かう。

朝食は7時オープンとなっていたが、乗客が多い時は早目にオープンすることがある。

洋風プレートセットをいただく。
北海道滞在中の朝は今日はどこへ行こうか、どこへ泊まろうかと考えることから始まるが、
もうその必要が無くなってしまうと、力が抜けたかのようになる。

7時、部屋のバルコニーから粟島が見える。
いよいよ新潟県だ。

粟島を通過した時、わずかな時間だったが太陽の光が差した。

往路とはまるっきり逆で、北海道からの帰りのフェリーの終盤は淡々と時間が過ぎていく。

9時05分入港予定の20分ほど前に車輛甲板開放の放送があり、移動を開始する。

目の前は新潟港フェリーターミナル、これが2025春の北海道の最後の写真。
9時15分、船外へ出てあとは帰るのみ。
帰りの道中はほぼ雨、5月6日祝日でも渋滞は無く17時20分に帰宅、走行距離は534km。
小樽~新潟航路を利用すると比較的早い時間に帰ることができるのが利点。
太平洋フェリーで仙台から帰ると深夜にならないが20時か21時ごろの帰宅となる。
春の北海道の総走行距離は5497km、そのうち北海道内は4390km。
11日間の北海道滞在で今年も多くの素晴らしい景色に出会うことができた。
やはりこの時期の北海道は桜そして残雪の山を見られるチャンスがあるのが大きい。
4月下旬から5月上旬の北海道が一年の中でもっとも感動的なシーンに出会えるだろう。
こうして春の北海道を振り返るように記事を書いている間に、
今年は2日間プラス数時間というわずかな滞在だったが9月下旬にも北海道へ行くことができた。
その秋の北海道の分を書き終えてから、春と秋をまとめた「2025北海道」の記事を書きます。
これにて春の北海道は全て終わりです。