
冒頭の画像は日本が産油国に支援している投資額の表ですが、この中の技術協力では、お金だけではなくて日立や三菱重工などの技術者が多数産油国で働いて居ると言う事。
日本は原油を確保する為に、昔から政治外交でも各産油国と密接に繋がって居る。

産油国からタンカーで運ばれた原油は、日本の石油コンビナートに運ばれる。
写真は鶴見の石油コンビナートです。

この石油コンビナートを中心に広がる京浜工業地帯。
関東の鉄、プラスチック、ガラス他の原料を加工している製鉄所や化学工場など、神奈川・東京の京浜工業地帯の中だけで5万1千件の会社が存在し、121万人の従業員が働き、年間45兆円の製品を作り出して居る。
そして日本の幹線道路は、これらの工業地帯と都市を。京浜工業地帯の場合は東京の工場として発展し、幹線道路で繋がっている。
他の国は知らないが、少なくとも日本は戦後の焼け野原から、政治外交的にも経済的にも、会社やそこで働く人々。道路や都市の位置。全てが原油を出発点とした構造に出来上がって来ました。
さてここで問題です。
『石油に頼らない社会に切り替えましょう』
それはつまり。
戦後日本が続けてきた政治外交が無駄になると言う事。産油国に投資して来た物を捨てると言う事。
産油国から運ばれた原油を受け入れる港と、石油コンビナートを中心に発展して来た太平洋ベルト工業地帯を捨てると言う事。
そこを拠点として日本中に張り巡らされた道路や鉄道網。都市の場所。それらが全て変わると言う事。
日本地図が変わり。東京は今の場所ではなくなるかも知れない。
大変だからやらない?
そうじゃない。
じゃあ時間を掛けて少しずつ変えて行きましょう。
新しい何かの工場を作る。
新しい道路を作り直す。
新しい会社や都市を作る。
その為にどれだけのエネルギーを消費するの?木を切り倒し。荒地を整備し。アスファルトを敷き直し。ビルを建てる。
今までの工場を作り直すのも同じ事。
何かを壊して作り直すには、膨大なエネルギーをさらに消費し足すと言う事。
国連演説で少女が今の大人達に苦言を呈しましたが、ロシアの大統領は『彼女に世界の複雑さを教えてやれ』。アメリカからも『大学で経済を学んだらまた話し合おう』。とのコメント。
その通りですね。
じゃあこのままで良いとは思ってませんが。
マツダのSKYACTIVみたいに、今有る物を徹底的に効率化するのは良い考え方だと思います。

エネルギーは等価以下交換です。
発電するのも石油。
水素を作るのも太陽光発電パネルも、元は石油。
ただ形を変えただけ。
100の燃料から100の動力を得るとしたら、ガソリンでも電気でも、どの姿に変わっても得られる動力は100を越えられない。
逆に形を変えた際にロスするのが関の山。
太陽光発電パネルだって、今の技術では製造する際にかかるエネルギーと、その太陽光発電パネルが寿命を迎えるまでに発電出来る電力では、発電電力の方が下回る現実。
もし発生するエネルギーが元のエネルギー量を越えられるならば、伝説の永久運動が可能と言う事。
環境問題を考えるならば。
今はエネルギーの消費そのものを縮小するしか無いのでしょう。つまり節約です。
まず手始めに、電気自動車のオフ会はやめましょうか。
そこでガソリンエンジンの悪口を言うのも、環境に悪いですから。
Posted at 2020/01/26 20:40:10 | |
トラックバック(0)