![ボディ補強と操縦安定性 ボディ補強と操縦安定性](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/044/848/554/44848554/p1m.jpg?ct=17a13a4fec92)
以前所有していたランサーエボII(CE9A)は、ロールバーが斜行バーの無い5名乗車用6点式だったことに加えピラー止めがされておらずボディ剛性向上には寄与していませんでした。更にフロントタイヤが巻き上げた砂利でフロアパネルが削られて薄くなっており(一部に穴まで開いていた)、ボディー剛性の面ではかなり貧弱な個体でした。
フロアに開いた穴は、車内へのドロ水浸入という問題を引き起こしていましたし、(ダートラでは珍しくない)転倒によりルーフから着地した際にはロールバーがフロアを突き抜けて乗員保護に役立たないかも、というボディ剛性云々以前の状態でもあったので、フロアに当て板をしてロールバー付け根を補強&穴を塞ぐ作業をしてもらうことになりました。
更に、当時(2000年ごろ)流行していた、サイドシルへのウレタン充填も同時に実施してもらいました。
当時からこのウレタン補強については賛否両論ありましたし、私のエボIIは、ウレタン充填とフロアへの当て板というボディ剛性向上につながる2つの作業を同時に行ったので、ウレタン補強の効果を判断する素材としては適切ではないかもしれませんが、フロア補強と合わせたボディー剛性向上により生じた各種変化については事実ですのでご紹介します。
作業終了後に一般道を走り始めてすぐ気がついたのは、走行中の車内騒音が大幅に減少したことです。いきなりボディー剛性とは関係ない感想で申し訳ありません。
まあ静かになったと言っても、防音材が完全に取り払われ未舗装路用のブロックタイヤを履いたダートラ車なので依然として一般の車よりは遥かににぎやかですが、明らかに静かになりました。
なぜ騒音が減少するかを考えてみたのですが、中空のサイドシルは走行中の様々な振動により自ら騒音を発生かつ拡散してしまうのに対して、内部にウレタンを充填されたサイドシルは振動を受けても内部で減衰してしまうため発生させる騒音のエネルギーが低くなってしまった、と私は想像しています。
Web上で同様の体験談が紹介されていますので、一般の車でもサイドシルの振動/内部共振を押さえこむ対応は騒音低下にかなり効くのでしょう。
さて本題の、ボディ補強が操縦安定性に与える影響、です。
このときの作業はフロア補強とウレタン充填だけで、タイヤや足回りには手を加えていません。しかし作業実施後はリア周りの安定感が大幅に向上し、ダートでのスライドコントロールが非常にやり易くなりました。
具体的には、以前だと恐る恐るアプローチしていた(大丈夫かな?大丈夫かな?という感じでリアの動きを警戒していた)4速で通過するコーナーを、作業後は自信を持って積極的にアプローチ(多少リアが暴れてもコントロールできるぞ!それなら積極的に横に向けてしまえ、うりゃっ!!という感じ)することができるようになりました。
練習会の走行中にこの明確な変化を発見し、リアの動きが安定するとこんなにも楽になるのか!と、とても嬉しくなったことは今でも鮮明に覚えています。
同じクラスの参加車両エボVIなどと比べると、エンジンパワーや足回りなどのスペック面では劣っていた私のエボIIですが、リアの動きに不安がなくなって積極的に攻めることができるようになったこともあって、イベントではまずまずの成績を収めることができましたから、このウレタン充填を含むボディ補強作業は完全に成功でした。
WRC参加車両が高いボディ剛性を確保するために複雑なロールゲージを組んでいることからもわかるように、高いボディ剛性は優れた操縦安定性を確保するための基本であることは明白です。
でも私が「極端なアンバランスにならない限り、ボディー剛性は高ければ高いほど良い」と自信を持って言える、また所有する車に自分でできる範囲でボディ剛性向上につながりそうな作業(瞬間接着剤での補強など 笑)を施しているのは、このエボIIでの経験があるからなんです。
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Posted at
2021/02/20 11:04:08