自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
桃子さんは、自身が20歳の頃に、真昼の幽霊に遭遇するような不思議な体験をしています。母親と都内で買い物中の出来事だったそうです。1階で停止中のエレベーター内にショッキングピンクのジャケットを着た女性がいて、そこへ2人で同乗しようとしたとき、予期せぬ事態が起こりました。無情にも、目前で扉が閉まってしまったのでした。
「お母さん、ひどいよね。ちょっとくらい待ってくれたっていいのに」
「まったくそうねえ」
親子でそのような会話を交わして、ボタンを押そうとしたら、エレベーターは1階でそのまま停止中でした。桃子さん親子は、会話が丸聞こえだったことを悟りますが、開き直ってそこへ乗り込むことにしました。――ところが、そのエレベーター内は、無人でした。
限られた情報で、推理小説的考察や科学的分析を試みても意味がありません。一つ確かなのは、彼女の芸歴において、重要な転機を迎える時期にあったことです。熱狂的なアイドルファンは減少しており、一方で、ドラマでの女優活動によって多数の女性ファンを獲得し始めていました。
オカルトよりもファンタジー要素を重視する私には、独自の見解があります。桃子さんが目撃したのは、自分自身の抜け殻であり、アイドルからの脱皮を果たしたというものです。なにせ、人間離れしたレベルで顔立ちが整った妖怪としか思えないくらい美しい方ですから、抜け殻の一つや二つ、珍しくないと思っています。でないと、あの美しさを維持できるはずがありません。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、いや、絶対だけど、桃子の抜け殻をシリーズで販売したら、俺が買い占めちゃうんじゃないの~。
1号、2号、3号と全部買います。
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2024/02/03 08:05:55