
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
レコードはCDになっていましたが、VHSやベータと呼ばれるビデオテープが主流だった時代の、その頃の思い出です。
「古田(仮名)のところに行こうぜ。あいつ、今、帰省してるらしいからさ」
「いいね。最高のコースだな」
私の提案で話が決まりました。行き先は、当時、常磐自動車道の終点だった福島県のいわき市です。親友の木暮君(仮名)が購入したばかりのセリカGT-Rに乗り込みました。始点の三郷ICからいわき中央ICまでは200km近くあり、オブラートに包めば「快適に」、実情としては「ぶっ飛ばせる道」でした。
実家で待機する古田君からは、「終点まで行かずに手前の勿来(なこそ)ICで下りるといいよ」との助言がありました。海沿いの景色が美しいという話でした。
――異変は、その勿来から先の一般道で生じました。
この地で、私は、「世にも奇妙な物語」と遭遇し、その世界に引きずり込まれました。
太平洋の海岸線に松林が続く羽衣伝説の舞台になりそうな美しい景色でしたが、強烈な違和感に苛まれていました。やがて、それは、恐怖へと変化していきます。何度も自問自答しましたが、同じ結論に至っていました。
――ここは初めての土地だけど、初めて見る景色ではない。俺は、ここにきたことがある。
ハンドルを握る木暮君が、キョロキョロする私の異状に気づき、「どうした? 何かあったのか」と訊ねてきました。
率直に自分が感じている恐怖を説明しました。
すると、木暮君は、シフトダウンし、徐行してから路肩に一時停止しました。なんと、彼もまったく同じ感覚に苦しんでいたというのです。
バミューダトライアングルのような魔のエリアなのか。あまりにもリアル過ぎる景色でした。
2人で車外へ出て、海のほうへ歩いてみました。
白波とテトラポットを見た刹那、脳内に巨大な荷物が届く感覚があり、すべての謎が解けました。間違いなく、自分の肉体は、初めて訪れる土地でしたが、精神の部分では、ここを数週間前に訪れていたのです。
木暮君から、「頼む、気持ち悪いから、早く教えてくれ」と懇願されました。
自説を説明すると、木暮君は、両手で太腿を思いきり叩いてから、大爆笑を始めました。
「間違いねえ。確かにそうだ。俺達は、ここにきたことがあるぜ」
目的地の古田君の実家に到着し、答え合わせをしました。「この辺でAVのロケをしてる話を聞いたことないか?」と訊ねてみたのです。「その可能性はあるね」という明解な答えがありました。AVの村西とおる監督は、いわき市出身らしいのです。なので、勿来や新舞子浜等、我々がたった今通ってきたルートには土地勘があり、ロケ地に選んでも不思議ではないだろうとの話でした。
私と木暮君は、数週間前に、「ナイスですね」でおなじみの動画を一緒に鑑賞したばかりだったのです。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
菊池桃子は、「世にも奇妙な物語」にたびたび出演しています。
――もしかしてだけど、俺とまだ一緒になっていないこと自体が、世にも奇妙な物語なんじゃないの~。
Forever love, forever dream
あふれる想いだけが
Posted at 2025/03/01 08:31:19 | |
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