
自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
営業マンの香田さん(仮名)は、私の昔の職場での大先輩で、風貌が、ゴルフの中島常幸プロとよく似ていました。少林寺拳法の有段者でしたので、日頃から動作にキレがあるのが特徴でした。
この香田さんには、20年以上の歳月をかけて磨き上げていったという「秘芸」がありました。小道具として、正円のアルミ製灰皿2個を使用します。バックミュージックは、ラッツ&スターの「ランナウェイ」と決まっていました。
ここからは、直接的な描写が難しくなりますので、想像力を逞しくして下さい。
――俳優大橋彰(芸名:アキラ100%)が、灰皿を2個鷲づかみしています。
歌いだしの「ランナウェイ」で、灰皿が円を描き、ぐるりと1回転します。左手が上に行くと、右手で隠しにいく流れで、シンクロしています。
続けて、低音コーラスの「ランナウェイ」で、今度は小さく1回転します。動きは、左右は常に相補的となり、なにがあっても、中心部が露出しないようにしなければなりません。
ステップは、左右へのスライドが中心ですが、絶妙なタイミングで前後の動きも加わります。
曲の最初から最後まで、延々と灰皿の円運動だけなのですが、本家アキラ100%が見たら、絶対脅威として感じるはずの質の高いエンターテイメントとして確立されていました。
この曲を作詞した湯川れい子は、自験に基づいて書き上げたといいます。当時のカレシが、親の目を盗んで家の2階からこっそり抜け出し、彼女が待つ有楽町駅に現れたそうなのです。「He ran away from home」に続けて、「さあ、電車に乗って二人だけの遠い世界へ行こうぜ」という流れでした。まさか、別の場所で、「灰皿抱いてランナウェイ」になっているとは、想像もできないことでしょう。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、桃子も俺のことをどこかの駅で待ってるんじゃないの~。
拙者、いつの日も夢だけは大きく、目指すは、桃子を抱いてランナウェイ。香田さんには、拙者と桃子の結婚式での余興をお願いしたい。
ただし、コンサートチケットの抽選に連敗している分際で実現性はゼロ。切腹!
(桃乃木侍)
Posted at 2024/04/06 08:47:18 | |
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