
(つづき)
さて、ブレーキ小咄第3話。
ヤマンバ号で履き比べた、
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Carbone Lorraine: RC5
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Endless: CC-X
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RIGID: Fr->G-Type/Rr->M-Type
のパッド3種類の比較談義。
グラフは、
ブレーキペダル踏力と
制動Gの関係。
踏力≒ドライバーの筋力、制動力F≒制動G×車両重量だから、
乱暴に言うと、
ドライバーが「止まりたい」と思ってした操作(横軸)に対して、
実際にクルマがどれだけ「止まろうとした」(縦軸)のか、
という関係。
ただし、ここで言う「踏力」と「制動G」は、
実際に計測した
物理量ではなく、あくまで
感覚量。
私の(ガサツな)感覚と独断的偏見に基づいて表したものなので、
真偽のほどは、読者のご判断にお任せ。
#同じパッドを使っても車種や仕様によって違うし、
#ドライバーの好みも違うし。
上部の
赤い領域は
タイヤがロックした状態。
#正確には、動摩擦係数<静摩擦係数なので、
#タイヤがロックすると制動Gは下がるんだが、その表現は割愛。
灰色の領域は、私cha-riの身体的限界から、
スポーツドライビング中に
操作(コントロール)できる範囲。
まずは
RIGID。
この制動力カーブが、まさに
私のフィーリングにマッチしている。
踏力に対して制動Gが
リニアに変化する感じ。
さすが、全日本で戦うランサーを仕上げている
アルファだから成せる業。
車両全体が沈み込み、
地面に吸い付けられるように止まる。
最後の最後、グッと踏み込むとタイヤをロックさせることも可能。
この
絶妙なフィーリングについては、
小咄:承をご参照のこと。
この
RIGIDを衝にして、残り2種類のパッドを比較する。
次に
Endless。
制動Gの
初期立上りはリニアなのだが、
踏力がある領域までいくと
制動Gが変化しなくなる。
私の踏力ではまともにタイヤをロックさせられなかった。
べダルを本気で蹴っ飛ばせばロックするが、
その状態じゃコントロールどころの騒ぎではない。
街乗りで常用の制動G領域は問題ないのだが、
スポーツ走行の領域では十分な制動Gが得られない、
すなわち、ロック寸前のタイヤ的に
"美味しいところ"が使えないのだ。
そして
Carbone Lorraine。
初期の立ち上がりは鋭い。
踏み込めば、踏力変化に対して
リニアに制動Gが変化して行く。
ただし、その傾きは急峻。
とにかく
センシティブなので、ペダルに足を乗せるだけで制動Gが立ち上がり、
少ない踏力でも、すぐにタイヤロック領域に到達する。
そもそも前寄りのブレーキバランスであるランサーの場合、
加速(後方G)から一気に制動(前方G)に移った場合は、
ノーズがダイブし、かつテールが浮き上がるような姿勢になる。
Frタイヤに過剰な荷重がかかってしまい、
Frタイヤがロック。
ロック寸前でこらえても、縦グリップいっぱいいっぱいのFrタイヤは、
ステアリングを切ったと同時に
アンダーに。
コントロール幅が狭いのだ。
この狭い幅で意図したコントロールができるほど、
恥ずかしながら、私の足は繊細ではない。
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タイヤロック領域に到達するまでの
踏力と
制動Gの関係が、
その
ドライバーの好み(体力なども含めた)にマッチした時に、
"扱いやすいブレーキ"、
"意のままに操れるブレーキ"と評価するのかもしれない。
ともかく、私にとっては、
RIGIDを導入したことで、とてもいいブレーキセッティングとなった。
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この小咄を通じて得られた
気づきが2つ。
スポーツ走行中、
ドライバーは様々なGや振動に耐えながらペダルを操作する必要がある。
そういった条件下においては、
「適切な操作が余計な負荷がなくできること」が重要である。
ドライバーを中心にマシンをチューニングしていく視点が必要かも知れない。
#Nissan GT-Rは、この哲学から形作られたクルマの1つである。賛否はあるが。
もう1つは、私のドライバーとしての未熟さ。
私の踏力は弱く、かつ制御分解能も粗い、ゆえに
適用能力が狭いということ。
目の前にパッと出された車の性能を十分に発揮させるために、
ドライバーには更なる鍛練が要求されるのだろう。
まだまだやな…。
Posted at 2009/08/04 00:45:55 |
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