
年明けの連休、まったり進行でしたので早々にもう一機出来ました。こちらは日本陸軍のキ15三菱「97式司令部偵察機」です。(よろしければ
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この機体は1936年に試作一号機が完成し、単発複座ながら、当時の単座戦闘機(
96式艦戦や
97式戦)より優速の480km/hを記録しました。武装を廃し、長大な航続距離で敵地深く進入し偵察を行い、敵機が追いつけない速度で脱出するという、世界初の戦略偵察機というカテゴリーを確立した機体です。
実際当時の軍には「司令部偵察機」という明確なコンセプトはなく、後日明確となった
・司令部偵察機
・軍偵察機
・直協偵察機 という
3つのカテゴリーの確立をこの機体が促したといっても良さそうですが、完成当初はその必要性を軍はあまり感じていなかったようです。そういった事情でしたから、試作機の優秀さが分かっても、陸軍としては積極的に制定する動きは鈍かったそうです。
そんな状況を変えたのが、朝日新聞社による、1937年のイギリスの戴冠式に国産機で参加する、という欧州訪問飛行計画でした。一般から公募された名前「神風号」と名付けられたのは、このキ15の試作2号機で、日本からロンドンまでの約94時間(実飛行時間約51時間)という記録はそれまでの記録を大幅に塗り替えるものでした。(特に日本からヨーロッパに向かう場合は偏西風に妨げられ不利になるにもかかわらずの大記録です。)
結局、神風号の大記録に後押しされる形でこの機体は「97式司令部偵察機」として制定されました。後にエンジンをより馬力のあるものに換装した2型(最大速度500km/h)に発展し、中国戦線のみならず、太平洋戦争開戦緒戦(直前)のアジア各地への隠密戦略偵察等に活躍しました。適当な偵察機を持たなかった海軍も(その必要性はあったため)キ15 2型を98式陸上偵察機として採用したことから、太平洋戦争前半までの日本を代表する偵察機、となりました。
さて、これからしばらくは
陸軍偵察機シリーズの予定です。
98式直協偵察機はすでに作ってしまいましたので、次は99式軍偵察機の予定です。
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Posted at
2007/01/08 16:39:10